8/17 Summer Sonic 2014 " the HIATUS "

"Summer Sonic 2014"2日目、Rainbow Stageのラストアクトを飾ったthe HIATUS。

7月に全国41カ所で行われたツアーを終えたばかりの彼らからは、連日続く夏フェスを思いっきり楽しんでいる姿と、どこか謙虚な姿が垣間見れた。それは、世界中から多くのミュージシャンが集まったSummer Sonicでしか味わえない特別な時間だった。

アルバム「Keeper Of The Flame」より"Roller Coaster Ride Memories"で幕を空け、アグレッシブに突き進むロックナンバー"Storm Racers"と"Monkeys"で、初っぱなからモッシュ、ダイブが沸き起こり、オーディエンスを熱狂の渦へ巻き込んだ。精神の限界をサウンドでどこまで表現できるのか?という難題を、5人の壮絶なアンサンブルにプログラミングを交えながら追求し続ける"Thirst"、美しいメロディが胸を熱くし続ける"Something Ever After"。立て続けに披露されるダイナミックなサウンドは、聴く者の肉体と精神の両者にストレートに深く浸透し始める。

細美は、今日このステージでトリを任されたことを、少し恥ずかしげに喜んでいた。同時刻に全5箇所のステージでライヴが行われている中で、自分たちを選びステージに足を運んでくれたオーディエンスに対し「お前らを愛してやまない」と感謝を伝え、アコーステックギターを抱える。

オーガニックな音像の中に、伊澤の鍵盤によって虹色のきらめきが付け加えられていた"Deerhounds"。原曲にはない新しいアレンジで、それを発見できた喜びが手に取るように感じられる。柏倉とウエノの刻むビートが荒野を駆け抜ける馬の足音を思い起こさる、快活な"Horse Riding"が始まると、細美に導かれるように拳を揚げたオーディエンスによるシンガロングが盛大に響き渡り、<Revolutin needs a soundtrack(革命にはサウンドトラックか必要だろ)> というフレーズがそのまま映し出された美しい光景がホール一面に広がった。そして、目の前にいるたくさんのオーディエンスを讃えた、仲間の歌"Silver Birch"。theHIATUSの熱い想いに応えるような、オーディエンスの鳴り止ままないシンガロング。Rainbow Stage には「強い絆」が生まれていく。

エレクトロな要素をふんだんにつぎ込んだ"Unhurt"で、フロアは一気にダンスホールへ。ウエノのリズミカルなベースラインとmasasucksの切れの良いカッティングギターに合わせ、細美はマイクを手に持ち飛びはねながら声高らかに歌えば、「路頭に迷っていた自分は、もう過去の自分なんだ!」と言い聞かせるかのごとく、エレキギターをかき鳴らし、力強い歌声でホールを唸らせた"Lone Train Runnning"。ここで、彼の「今」の姿をガツンと見せつけたのだ。

開放感溢れるRainbow Stage に数秒の静寂が訪れると、柏倉の叩き出す巨大なドラムのイントロが聴こえてきた。彼らのライヴではマストソングとなった"Insomnia"。細美の繊細で気迫に満ちたヴォーカルと、そっと寄り添うようなmasasucksのしなやかなギターストロークの音色が響きだす。すると、オーディエンスは拳を上げ「Save Me!」とシンガロングの嵐を起こした…。感情という感情が溢れだし、恐怖と混乱と歓喜が入り乱れていくような"Insomnia"の威力は、バンドの成熟と、多くのオーディエンスが共有していくごとに増している。この曲の莫大なるスケール感には毎度、毎度、息を飲んでいるが、やはりこの日も圧巻だった。

そして、本編ラストは"紺碧の夜に"。今日のライヴを一人一人の胸に焼き付けていくよう、遠くの方まで見渡しながら歌い続ける細美。鮮やかなギターロックサウンドが繰り広げたエモーショナルなステージは一旦幕ここで幕を下ろした。しかし、鳴り止まないアンコールに再び5人は登場する。

この日、細美の声がいつになく優しく聴こえたのだが、その全てが最後の言葉に集約されていた。「来年もサマソニ出来るといいね。いろいろあるけど、来年もいろんな国のミュージシャンが飛行機に乗って、お前らの顔を見に飛んで来てくれる。そういう国でいられるように。また一年がんばりましょう。ありがとうございました。」二日前に日本が69回目の終戦記念日を迎えたことが、この言葉の背景から感じられる。「音楽に国境はない」と耳にする事がしばしあるが、ジャンルにとらわれず、心地よさを求めて作られた楽曲と、音そのものを自由に楽しむことが許されたthe HIATUSのライヴは、まさに音の垣根がないピースフルな空間だった。それは、本当に小さな一歩なのかもしれないが、5人の祈りが込められたアンコール"Shimmer"が熱狂と歓喜に満ち、溢れんばかりの多幸感でいっぱいになった時、「音楽で世界を変えることが出来るんだな。」という確信を私に与えたのだった。


セットリスト
1 Roller Coaster Ride Memories
2 Storm Racers
3 Monkeys
4 Thirst
5 Something Ever After
6 Deerhounds
7 Horse Riding
8 Silver Birch
7 Unhurt
8 Lone Train Runnning
9 Insomnia
10 紺碧の夜に

encore
1 Shimmer


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by musicorin-nirock | 2014-08-21 08:10 | LIVE

主にNICO Touches the Walls について書いておりますが、他にはGRAPEVINE と the HIATUS が好きです。記事の無断転載、引用はご遠慮ください。


by タナイユウ
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