Hurt / syrup16g

轟音のようなドラムを聴いた時、わっと目が覚めた。
ドクドク脈打つベースからは、強い生命力を感じさせ、
ギリギリの精神状態を突きつけていくような、
ヴィンテージ感漂うギターの音色。

1曲目「Share the light」を聴いた時、
syrup16gの「復活」ではなく、
「反撃が始まった」という言葉のほうが表現として相応しいと思った。
では、誰に対する反撃なのかというと、無論自分達である。
それぞれが抱えてきた葛藤を吐き出し、全てを打ちのめしていくような、
威圧感が充満している。

生々しい胸の内を、
五十嵐は蹴散らすように歌い上げる。

彼の綴る言葉に反応してしまうのは、
誰しもが不安や迷いを抱えているからであって、
生きることは容易くないと、歳を重ねて知れば知るほど、
実感しているからだろう。

しかし、そんな五十嵐の言葉達が
どこか色鮮やかに見える瞬間が、
このアルバムにはたくさん詰まっている。

マイナーコードが続く中、突如現れるメジャーコードがふわっと心を包み、
あちらこちらに「希望」、「勇気」といった、
未来を感じさせる言葉が散らばっている。
アレンジには、ダンスミュージックを始めとした、
ポップな要素も組み込まれ、
耳障りがとてもよく、リピートしても全く苦にならない。
人間の脆さや、そこから生まれる刹那は、
美しいメロディに生まれ変わり、じわりと全身に浸透する。

ラストの「旅立ちの歌」を聴き終えた後、私の心には爽快感が残った。
それは、こうして、メンバー誰一人変わることなく、
かつての仲間と集まり、
制作活動が出来たことの喜びそのものが、
音となっているからだろう。

音楽を辞めようとしていた男が、
がむしゃらに、ひたすらに、ギターをかき鳴らす。
そんな姿が目に浮かび、胸を打たれるものがあった。

そして、これは「序章」なのだと、
次なるステージを予感させる、強いエネルギーを持っている。
本当の「再始動」は、これからだ。


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by musicorin-nirock | 2014-09-04 14:50 | MUSIC | Comments(0)
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