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Empty Song / GRAPEVINE

渦巻くようなギターのイントロから始まるダイナミックなバンドサウンドは、いつにも増して力強く胸に響いたのだった。何よりこの曲が持つグルーヴ感は、実際にGRAPEVINEのにライヴに行ったときに感じるあの感覚と変わらない。一言で言うなら生々しい。それが「Empty Song 」を聴いた時の第一印象だった。

GRAPEVINEは2014年の春にレーベルを移籍。その第一段シングルには、移籍を意識したものを作るというコンセプトが元々あった。よって、GRAPEVINEが新しい環境に身を移した結果、この「Empty Song 」は生まれたのだ。広々とした滑走路から再び長い旅へと飛び立とうとしている彼らの心境を、田中和将(Vo&G)はシンプルなままに言葉にしている。そして何を隠そうこれが、今の田中の本音だ。

さらに付け加えるならば、わざわざハンドマイクを使ってレコーディングされたのだ。この田中のヴォーカルは、マイクを握り締める手汗までも伝わるような力の入り具合であり、声を張り上げるサビの高音部分なんて、私の自宅のステレオが破裂しそうになるほどの凄まじい響きを見せている。

タイトルに「Empty Song」(曲中では<むなしき歌>と歌われている)と付けてしまうそっけなさは相変わらずだが、GRAPEVINEの今後の活動に於いて、これはとても重要な1曲だ。だって、考えてみて欲しい。メンバー全員40歳を過ぎたベテランバンドが突然訪れた環境の変化をきっかけに、剥き出しの本心をさらけ出してしまったのだ。何をそこまでする必要性は、彼らの長いキャリアから考えてみても、普通なら無いと思う。でも、彼らの中にはやらなきゃならない理由が明確にあったのだ。GRAPEVINEというバンドを続けてきたプライドと意地。そして積み重ねてた全てをこの曲につぎ込み再び舞台に立った時、他のバンドから一線を引いた孤高のロックバンドにのし上がる。彼らはきっとそれを今、証明したいのだと思う。

どちらかと言うとGRAPEVINEは、新しさよりも自分達の趣味嗜好を貫く、古風な感覚を持つバンドだ。だがその姿勢を守り続けていても、どんどん追いやられる一方なのが現実。移り変わりの激しい音楽の世界は、リスナー視点から見ても、とても厳しいものだとわかる。だから今、ここで(当初は考えてもいなかっただろう)アッパーな曲を投入し、業界にガツンとパンチを喰らわすことで自分達の存在感を際立たせる。そして自分達もパンチを喰らい、新しいGRAPEVINEを描こうとしているのではないのだろうか。






2015年1月28日にはアルバムリリースが決定し、2月には東名阪で対バンツアーも行われる。この勢い、誰が止められるのだろうか?とにかく私は期待している。










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by musicorin-nirock | 2014-12-03 21:39 | MUSIC

ライヴレポート中心。GRAPEVINE と NICO Touches the Walls 、the HIATUS が好きです。記事の無断転載、引用はご遠慮ください。


by タナイユウ
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