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ARABAKI ROCK FEST.15 / the HIATUS

ARABAKI ROCK FEST.15(以下ARABAKI)、その1日目にあたる4月25日。磐越のステージに現れたthe HIATUSのメンバーをオーディエンスは温かく迎え入れていた。その理由を、私は彼らの活動を追い続けていく中で、十二分に理解していたつもりだった。しかし、広大なみちのくの大地を目の前に<Revolution needs a soundtrack(和訳:革命にはサウンドトラックが必要だろ“Horse Riding”>と威勢良く細美武士(Vo&G)が投げ掛けた時、改めて東北の人々にとって、the HIATUSの存在の大きさを、目の当りにすることになる。

ライヴは“The Ivy”から衝撃的に幕を開け、伊澤一葉(Key)の鳴らす繊細なピアノの音が大空に響き渡る“The Flare”へと続く。そして、絶え間ないダイバーとモッシュの嵐で、スモークのように砂埃が舞い上がった“Storm Racers”で畳み掛け、細美はハンドマイク姿になった。最新アルバム『Keeper Of The Flame』の1曲目を飾る“Thirst”では、細美と共にオーディエンスのたくさんの拳が上がり、熱気まみれのまま次曲“Unhurt”へ。柏倉隆史(Dr)とウエノコウジ(B)が産む生々しいグルーヴにエレクトロな打込みが交じり合い、その上に、masasucks(G)の風を切るようなエレキギターが重なるバンドアンサンブルは、この上なく最高だった。

昨年のARABAKIでは、ステージに立てた喜びからか、思わず涙ぐんでしまう細美がいた。私自身にも何度も感極まる瞬間が訪れたのだが、会場中にエモーショナルな空気が漂い続けていた。しかし、2015年のARABAKIでは、MCの最中、時折言葉に詰まりながらも終始笑顔を見せ、力強く歌い上げる細美がいる。サウンドも進化の歩みが止まることなく、更に肉体感を増しており、まるで“Unhurt”の歌詞そのものように、ステージに立つ5人はタフだった。

“Lone Train Running”の<Away now>と繰り返される盛大なシンガロングは、この日、一段と美しかった。また、私もオーディエンスの一人として<Save me>と歌いながら、様々な想いが込められているであろう“Insomnia”が、ここARABAKIで披露される深い意味を考えた。日も暮れ始め、肌寒さを感じる頃には“紺碧の夜に”が投下され、再びモッシュとダイブも始まり、熱気に拍車が掛かっていく。そしてラストソング。アコースティックギターを抱えた細美は“Horse Riding”を歌い始めた。柏倉の刻む躍動的なビートに乗せて、強く優しく歌い上げる中で、<Revolution needs a soundtrack>というフレーズに、思わず身震いしてしまう。それは、2014年のARABAKIから今日を迎えるまでの1年間、the HIATUSが培ってきた全てを、物語っていたからだ。

the HIATUSにとっての2014年は、メンバー全員で初めて東北のライヴハウスも回った全国ツアーや、弾き語りライヴや支援活動といった個人の活動を通して、地元の人々やオーディエンスとの絆をより深めてきた一年だった。その過程で5人全員が同じ方向を向き、the HIATUSが本物のバンドになった事を証明したのが、昨年末の日本武道館公演だ。しかし、もっと至近距離で昨年の集大成を味わえたのが、今年のARABAKIだったと思う。ライヴ中「おかえりなさい」という言葉を、オーディエンスはメンバーに向けて、ずっと投げ掛けているようだった。変わりゆく東北の地で彼らと共に過ごした時間が、人々の生きる希望となり、彼らが鳴らす音楽は、一人一人の記憶の中で、いつまでも輝き続けているのだろう。ステージからメンバーが去った後も、温かく、祝福感に満ちていた。それは、the HIATUSがオーディエンス一人一人の人生のサウンドトラックであることを、確実に証明していた。



set list
1 The Ivy
2 The Flare
3 Storm Racers
4 Thirst
5 Unhurt
6 Lone Train Running
7 Insomnia
8 紺碧の夜に
9 Horse Riding



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by musicorin-nirock | 2015-04-29 12:20 | LIVE

ライヴレポート中心。GRAPEVINE と NICO Touches the Walls 、the HIATUS が好きです。記事の無断転載、引用はご遠慮ください。


by タナイユウ
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