5/21 NICO Touches the Walls @豊洲PIT

ツアー初日の雑感です。内容にも軽く触れていますので、閲覧にはご注意下さい。



ツアー初日とは思えなかった。

逞しい歌声と完成度の高い演奏。彼らを出迎えるオーディエンスからは、溢れんばかりの祝福感。そして、バンドとオーディエンスの両者に生まれた高揚感と激しいエモ。

所謂ツアー初日とは独特な空気に見舞われるのものだ。

勿論期待もあるが、それとは裏腹にステージ上では初日ならではの緊迫感が漂っている。アーティストの表情やサウンドに堅さを感じたり、時に「ぴりっ」とした瞬間が客席にまで伝わってくる。だから、私はいつも、どのアーティストのライヴでも、ツアー初日に限っては「様子を伺う」といった心持ちで参戦し、100パーセント解放的な気持ちで観てはいられなかった。特にこのバンドに関してはそうだった。初日だけには限らないが、どこかしら危なっかしい一面を、彼らは見せてしまっていたから。余計なお世話かもしれないけど、ライヴが無事終わると「あぁ良かった」とほっと胸をなでおろしていたのだ。

だけど、もう、そんな心配は必要なかった。

徹底的に鍛え上げた精神的な強さが、音に肉体感を芽生えさせ、光村の歌声には説得力が備わった。いくつかの楽曲に施された新しいアレンジは、個人個人の成長からの「成熟」であり、また、久しぶりに耳にした楽曲からは、この4人でなければならない理由を再確認させられた。昨年2月にリリースされたべストアルバムツアーなので、セットリストに組み込まれた楽曲は、何度も何度も聴かされ続けてきた曲だった。しかし、今まで見た事も、感じた事もない音世界が、目の前に広がり続けた。リラックスした面持ちで淡々と演奏しているNICOの姿を観ていたら、Tシャツ姿で、野心剥き出しで、がむしゃらに演奏していた去年の今頃が、遥か遠くに感じられた。

一昨年、武道館のリベンジを宣言して以来、バンドは急成長を遂げた。また、MCで光村自身も話していたが、アコースティックアルバムのリリースが、やはり大きな転機だったのだろう。この過程で体得した全てが、今のNICO Touches the Wallsのサウンドにしっかりと反映されていた。その理由は、単にメンバーが能力に長けている…からだけではないはずだ。本当に、素直に自分達で築き上げてきたものを受け入れ、そして愛することが出来たから。そんな純粋な理由なのだと思う。

なぜならば全部間違っていた>と『まっすぐなうた』で歌うことが出来たから。スピード感あるギターに乗せて叫ぶように歌う光村を見ていたら、そう思わずにはいられなかった。



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by musicorin-nirock | 2015-05-23 09:53 | LIVE

主にNICO Touches the Walls について書いておりますが、他にはGRAPEVINE と the HIATUS が好きです。記事の無断転載、引用はご遠慮ください。


by タナイユウ
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