9/22 NICO Touches the Walls@スペースシャワー列伝15周年記念公演“大大大宴会”~東の宴~

9月22日、新木場STUDIO COASTで開催されたスペースシャワーTV主催『スペースシャワー列伝15周年記念公演“大大大宴会”~東の宴~。出演アーティストにはメインアクトをTHE ORAL CIGARETS、グッドモーニングアメリカ、NICO Touches the Walls、the telephonesの4組が務め、ニューカマーアクトとしてHalo at 四畳半、Bentham、PELICAN FANCLUB、LILI LIMITが選ばれた。

NICO Touches the Walls(以下NICO)のライヴが始まる前、メインアクト4組のバンドが過去に回った『列伝TOURダイジェスト映像』が流れた。そのトップは『スペースシャワー列伝JAPAN TOUR 2007』に出演したNICO。当時メンバー皆22歳で、ライヴ中に当時を振り返る光村龍哉(Vo&G)曰く「毎晩飲んで喉をガラガラ」にしながらツアーを回っていたそうだ。“泥んこドビー”と“そのTAXI,160Km/h”を演奏する様子は、目の前にいるオーディエンス相手に斜め目線で突っ掛かり、20代前半ならではの青さを吐き散らす。ただ、若干22歳の青年達が組んだロックバンドにしてはどこか古風な印象も受けたのだが、ポップでメジャーなものではない表現で、音楽の世界に飛び込んできた彼らの姿勢は、当時から本物だったと私は感心してしまう。そして、この2007年のライヴ映像を観た直後に始まったのが、平均年齢30歳のNICOのライヴ。演奏時間も短く、今年の夏フェスで披露されているお馴染みのセットリストではあったが、ダイジェスト映像を目の当たりにしたことで、強烈なインパクトを私に与えたのである。

真っ白なシャツとデニムパンツに身を包みステージに現れた4人。1曲目に披露されたのは“まっすぐなうた”だった。<間違ってた/なんか全部間違ってた>。2007年のスペシャ列伝後にメジャーデビューを果たし、今日まで走り続けてきた長い長い時間のことを歌っているのかと思うと、なんてドラマチックな始まりなのだろうと感極まりかけたのだが、そんな私の気持ちをよそに「今のNICOは最強」「誰にも負ける気がしないぜ」と強気なMCで光村は客を煽る。古村大介(G)はステージ上を動き回り、奔放にエレキギターを掻き鳴らし続け、坂倉心悟(B)と対馬祥太郎(Dr)の強力なリズム隊がフロアをグラグラと揺らし、光村はギラギラとした視線を投げつけながら歌う。4人の情熱がビシバシ伝わるサウンドを全身で浴びていると、歌が上手いだの、演奏が上手いだの、そういったことは一切無視して、『自分達はロックバンドとしてどうありたいのか?』という、バンドマンとしての根本的な部分で勝負に出ているように観え、ライヴ後半に披露された“渦と渦”がえらい感動的だったのだ。

NICOには、あれもこれも自分たちのものにしようと蓄えてきた過去がある。そして、メンバー全員30代を迎える前に一度全て削ぎ落とせたことで、「あなたに歌を届けたい」という、バンドの使命を担うこの曲が、結成11年目にしてようやく誕生した。決して器用とは言えないバンドであり苦労も多かったと思うが、諦めずに走り続けてきたからこそ「今のNICOは最強」「誰にも負ける気がしないぜ」と他のバンドを目の前に堂々と宣言でき、言葉通りのステージが私の目の前で繰り広げられていた。その姿は、今回共演したバンドにも、大きな勇気を与えたはずだ。この勢いを止められる曲者は、どこにもいないのではないかと思わざるを得ない程、野心剥き出しの4人。2007年のスペシャ列伝ツアーを回る彼らよりもどこか若々しく感じ、始まったばかりの30代を期待させるものがあった。年末には初の大阪城ホール公演、年明けは三度目の日本武道館公演を控えている。新たな壁に4人がどう立ち向かい、どんなフィナーレを見せてくれるのか。今からとても楽しみにさせてくれる、素晴らしいアクトだった。

SET LIST
1 まっすぐなうた
2 手をたたけ
3 THE BUNGY
4 ニワカ雨ニモ負ケズ
5 渦と渦
6 天地ガエシ


[PR]
by musicorin-nirock | 2015-10-11 09:42 | LIVE | Comments(0)

主にNICO Touches the Walls について書いておりますが、他にはGRAPEVINE と the HIATUS が好きです。記事の無断転載、引用はご遠慮ください。


by タナイユウ
プロフィールを見る