2015年に良く聴いたアルバム②『MAZE』 / Nothing's Carved In Stone

(前回に引き続き、2015年に良く聴いたアルバムについて)

そしてもう一枚が、Nothing's Carved IN Stone(以下NICS)の『MAZE』。9月16日リリースなので、まだ手にしてから日が浅いですが、かなりの割合で聴いています。今回が彼らにとって7枚目のオリジナルアルバムです。今年はもう一枚ライヴ盤『円環ーENCOREー』もリリースしていますが、私はこの『MAZE』を押します。

今年の4月、彼らはメジャーレーベルから、かつて所属していたインディースレーベルへと移籍しました。『MAZE』はこの時期に制作されていた作品です。結成から7年という決して短くないキャリアで迎えたこの大きな転機は、正直複雑だったと思います。でも、だからこそ、「自分達が出来ることはなにか?大切にしたいことは何か?」ということをとことん考え作られたアルバムなのではないかと感じています。

NCISの性能の高いアンサンブルには、どこか人を寄せ付けない只ならぬオーラがあります。そして、ロックキッズ達は彼らのそういう部分に憧れ、ライヴ会場でモッシュやダイヴを起こすのだと思います。でも『MAZE』の場合、性能の高いアンサンブルはそのままだけど、リスナーに寄り添う逞しい言葉達と、今までの彼らにしたらタブーであった、ジャンルを超えた自由なアレンジが生んだ解放感が存在しています。この変化は、バンド結成当初には考えられなかったことなんじゃないかと思うのです。

10月8日、MAZE✕MAZE Tour 初日のZepp Tokyoのステージでひなっちさん(B)と拓さん(Vo&G)の会話で忘れられないのが「バンド結成7年目なのに高校生の部活みたいにナッシングスが楽しい」。これはバンドにとって本当に幸せなことだと思うし、その楽しさが私達リスナーにもガンガン伝わるライヴでした。

…でも、彼らが伝えたいことはそれだけではなかった。

アルバムタイトルの『MAZE』とは直訳すると「迷路」という意味です。私はこの『MAZE』とは「人生」のことを意図するのだと思いました。それが一番よくわかったのが拓さんの歌です。

音楽雑誌に掲載された彼のインタビューを読んでいて思ったけれど、拓さんはとても正直者で人情深い。今、彼の歌声にはそのキャラクターが活きているし、自分の言葉で伝えたいという想いがステージからダダ漏れでした。その想いとは、彼らは長い迷路の第一段階を突破することが出来たから、このアルバムを完成させることができた。そして付いてきてくれた大切なリスナーへの感謝とともに、リスナー1人1人の『MAZE』の伴走役には「俺たちがいる」ということ約束をしてくれたのだと思っています。


”YOUTH City”



”Milestone”
(この曲のイントロはいつ聴いてもやばい)

今年はワンマン・フェスを含めて定期的にNCISのライヴを観てきたのですが、8月8日に開催されたロッキンジャパンフェス2015のステージはえらい感動的でした。今思うと、あの時間は『MAZE』の序章だったのかもしれません。

MAZE

Nothing’s Carved In Stone/Dynamord Label

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by musicorin-nirock | 2015-11-08 10:18 | COLUMN | Comments(0)

主にNICO Touches the Walls について書いておりますが、他にはGRAPEVINE と the HIATUS が好きです。記事の無断転載、引用はご遠慮ください。


by タナイユウ
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