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11/6 Nothing's Carved In Stone@ 豊洲PIT

Nothing's Carved In Stone(以下NCIS)が2015年8月にリリースしたアルバム『円環ーENCOREー』は、同年3月から3か月に渡り開催された、全6枚のオリジナルアルバムを全曲披露したライヴ『Monthly Live at QUATTRO』より、ファン投票で決められた上位17曲を収録するライヴアルバムだ。結果的にバンドの軌跡を辿る内容となっており、ファンと共に作り上げたベストアルバムと言っても良いだろう。そして11月6日、東京・豊洲PITで開催された『円環ーENCOREー』再現ライヴでは、加えて「シングルのc/wも全て演奏する」と事前にアナウンスがあった。つまりNCISは今年、これまでにリリースしてきた全曲を演奏することになった。結成7年目を総括する上でも、新境地を切り開いた7thアルバム『MAZE』制作の上でも、大きく関係しているこのアルバム。激動の2015年最後となるワンマンライヴに『円環ーENCOREー』再現ライヴを行うことは、彼らにとって大きな意味のある出来事だったに違いない。また、会場を訪れたオーディエンスにとっても特別な時間であったと思う。終演後、堂々とステージを成し遂げたメンバーの姿がいつも以上に眩しく、本当に素晴らしい夜だった。


***


ライヴは“Isolation”からスタートし、メンバーは期待溢れるフロアに牙を向け、勢い良く噛みついてきた。気迫のこもったバンドサウンドに煽られたオーディエンスが<Now is everything>とレスポンスをステージへ送ると、村松拓(Vo&G)は拍手で応える。そこに“ツバメクリムゾン”“Crystal Beat”と立て続けに投下され、バンドもフロアも共にヴォルテージが急上昇。そして、流れるような生形真一(G)のリフの裏でトビウオの様に日向秀和(B)のベースが飛び跳ね、大喜多崇規(Dr)が緻密なドラミングを披露した“The swim”。奔放に降り舞う3人が編み出すサウンドに乗る村松の伸びやかな歌声が、会場一面を駆け巡ると一気に開放感で溢れる。

「今日はみんなと一緒に作ったライヴだと思っているので、存分に楽しんで帰って行って下さい」と村松のMCが入ると、次々に曲を畳み掛けていく。しかし、ステージに立つメンバーは肩肘を張るわけでもなく、この時を楽しむことにフォーカスしているように見えた。そして、メンバーから真摯に受け止めようとするオーディエンスのエネルギーも凄まじい。大音量で響き渡るサウンドの中で互いに剥き出しになりながら、今日まで信じ合ってきたことを確かめ合う・・・そういった瞬間がライヴが行われた2時間半の間に何度も訪れることになる。後半のMCでは、ベストアルバムを出すことに自体あまり執着がなかったと漏らしていたが、一曲一曲投げかけるたびに沸き起こる大歓声と、渦巻き続けるフロアの熱量には、メンバー4人手ごたえを感じていたはずだ。

ライヴ中盤に差し掛かった頃には「Nothing's Carved In Stoneとは『何も彫られていない石』という意味。今日はそこに何かを刻み付けていって下さい」と村松が話し、その直後に始まった“村雨の中で”の新鮮な響きは、バンドマンとして生きる彼の姿と重なった。そして真っ赤なライトの下で情熱的に鳴らされた“Red Light”、青いレーザーを駆使したことで美しい音世界を描いた“BLUE SHADOW”と続き、“It means”のアコギの繊細な音色を合図に、ディープな場所へと引き連れていく。そこから“Diachronic”を皮切りに繰り広げられた壮大なステージは、オーディエンスの足元を明るく照らし出すよう、希望に満ちた、とても感動的な時間だった。

ライヴの後半戦には、お待ちかねのダンスタイム。“Idols”と”Spirit Inspiration”の投入で再びフロアの熱気が上昇する中、サイバー感たっぷりの“Out of Control”が激しく揺らし、ファン投票数ベスト1を獲得した“November 15th”では大漁のクラウドサーファーが出現する。スティックを片手にした大喜多の腕と、笑顔で体を揺らし続ける日向に合わせ盛大なハンドウェイブが広がる“きらめきの花”。この光景には何度も遭遇してきたが、やはり胸が熱くなる。そしてチカチカと光り続けるライトをバックに“Shimmer Song”のイントロが流れ出すと、私はあの日のことを思い出した。

5月14日『Monthly Live at QUATTRO 3×6=構築』のステージで、本編ラストの“Shimmer Song”を歌い始める前。村松はこう話したのだ。「俺達まだ全然、俺自身至らないところもあって。ロックバンドとして。もっと成長して、もっとみんなを遠くまで連れていけるように頑張ってるんで、付いて着てください。ありがとうございました」。メジャーからインディーへの移籍が発表されたばかりで、まだ吹っ切れていないものがあったのだろう。悔しさを隠しきれていない表情だったことを私は覚えている。しかし、この5月の出来事を境に確実にバンドはタフになり、急速な進化を遂げた。と同時にリスナーとの信頼も更に深まったことは、9月の発売された7thアルバム『MAZE』が一つの証拠でもある。私の目の前で一段と逞しく鳴り響いていた、“Shimmer Song”。<誰だってそうだろう/孤独な夜を超え/夢見て傷付いて/でも前を見る>と、眩いこの瞬間を歌い上げながら確かな未来を約束するのは、この逆境を乗り越えたNothing's Carved In Stoneそのものだった。彼らはいつだって、こうやって、夢を運び続けてくれるバンドなのだ。

アンコールで、来年5月15日に初の日比谷野外大音楽堂公演の開催が発表されると、この日一番大きな歓声が上がり、祝福感に満ちたフロアには”Around the Clock”が投下されライヴは無事終了。「気をつけて帰れよー!」と村松は笑顔で投げかけステージを去っていくが、この場を離れてしまうことを誰もが名残惜しみたくなるほどに、大きな余韻を残していた。

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SET LIST
1 Isolation
2 ツバメクリムゾン
3 Crystal Beat
4 The Swim
5 Brotherhood
6 Sands of Time
7 Lighthouse
8 Rendaman
9 Bone Age
10 GOD HAND GAME
11 村雨の中で
12 Red Light
13 BLUE SHADOW
14 It means
15 Diachronic
16 Sunday Morning Escape
17 Raining Ash
18 Idols
19 Spirit Inspiration
20 Out of Control
21 November 15th
22 きらめきの花
23 Shimmer Song

ENCORE
1 Chain Reaction
2 Inside Out
3 Around the Clock

以下、『Monthly Live at QUATTRO 』より


1×4=衝動 “November 15th”


2×5=感触 “Out of Control”


3×6=構築 “Brotherhood”



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by musicorin-nirock | 2015-11-18 21:14 | LIVE | Comments(0)

ライヴレポート中心。GRAPEVINE と NICO Touches the Walls 、the HIATUS が好きです。記事の無断転載、引用はご遠慮ください。


by タナイユウ
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