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君は僕のもの/NICO Touches the Walls

原田郁子の声に恋をした当時中学3年生だった光村少年が、
その想いを13年越しに伝えた。
アルベジオを効かせたギターのイントロから、
グルーヴ感の強い、ジャジーなサウンドに合わせて歌う。
28歳の彼の声には、初恋の「恋の甘酸っさ」ではなく、
「甘い」しか存在しない。
まるで熟れた桃のような香りを放つ。
それは、ちょっと麻薬のようで、
聴いてるこちらの顔が赤くなってしまうくらい。
完全に、その甘さに、聴く者すべて酔わせてしまう。
恥ずかしげもなく、ただ、甘く。
もし、10代の淡い恋の思い出に浸りながら、
この気持ちだけを歌いたいのなら、
今すぐカラオケに行って、マイク片手に、
思う存分に酔いしれば良い。
彼はロックバンドのヴォーカリストだ。
そのプライドを賭けて、突如見せる意地。
ソリッドなギターアンサンブルを突きつけ、
柔らかな桃の表面を痛めつけ、
募る想いを破壊させてしまう。
そして、その甘さは、切なさへと変化した。
エンディングに向かうにつれて、
「この声」が、自分のものだけに出来ないという、
彼の苦しい胸の内を、溜息交じりに歌い上げる。
「恋は盲目」。
いくら歳を重ねても、
やっぱり、これが恋の醍醐味。
女性アーティストのカバーといえども
これはれっきとした男性目線のラブソングだ。
そのクオリティを一度、確かめてみてはいかがだろう?


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by musicorin-nirock | 2014-08-29 23:07 | MUSIC | Comments(0)

8/17 Summer Sonic 2014 " the HIATUS "

"Summer Sonic 2014"2日目、Rainbow Stageのラストアクトを飾ったthe HIATUS。

7月に全国41カ所で行われたツアーを終えたばかりの彼らからは、連日続く夏フェスを思いっきり楽しんでいる姿と、どこか謙虚な姿が垣間見れた。それは、世界中から多くのミュージシャンが集まったSummer Sonicでしか味わえない特別な時間だった。

アルバム「Keeper Of The Flame」より"Roller Coaster Ride Memories"で幕を空け、アグレッシブに突き進むロックナンバー"Storm Racers"と"Monkeys"で、初っぱなからモッシュ、ダイブが沸き起こり、オーディエンスを熱狂の渦へ巻き込んだ。精神の限界をサウンドでどこまで表現できるのか?という難題を、5人の壮絶なアンサンブルにプログラミングを交えながら追求し続ける"Thirst"、美しいメロディが胸を熱くし続ける"Something Ever After"。立て続けに披露されるダイナミックなサウンドは、聴く者の肉体と精神の両者にストレートに深く浸透し始める。

細美は、今日このステージでトリを任されたことを、少し恥ずかしげに喜んでいた。同時刻に全5箇所のステージでライヴが行われている中で、自分たちを選びステージに足を運んでくれたオーディエンスに対し「お前らを愛してやまない」と感謝を伝え、アコーステックギターを抱える。

オーガニックな音像の中に、伊澤の鍵盤によって虹色のきらめきが付け加えられていた"Deerhounds"。原曲にはない新しいアレンジで、それを発見できた喜びが手に取るように感じられる。柏倉とウエノの刻むビートが荒野を駆け抜ける馬の足音を思い起こさる、快活な"Horse Riding"が始まると、細美に導かれるように拳を揚げたオーディエンスによるシンガロングが盛大に響き渡り、<Revolutin needs a soundtrack(革命にはサウンドトラックか必要だろ)> というフレーズがそのまま映し出された美しい光景がホール一面に広がった。そして、目の前にいるたくさんのオーディエンスを讃えた、仲間の歌"Silver Birch"。theHIATUSの熱い想いに応えるような、オーディエンスの鳴り止ままないシンガロング。Rainbow Stage には「強い絆」が生まれていく。

エレクトロな要素をふんだんにつぎ込んだ"Unhurt"で、フロアは一気にダンスホールへ。ウエノのリズミカルなベースラインとmasasucksの切れの良いカッティングギターに合わせ、細美はマイクを手に持ち飛びはねながら声高らかに歌えば、「路頭に迷っていた自分は、もう過去の自分なんだ!」と言い聞かせるかのごとく、エレキギターをかき鳴らし、力強い歌声でホールを唸らせた"Lone Train Runnning"。ここで、彼の「今」の姿をガツンと見せつけたのだ。

開放感溢れるRainbow Stage に数秒の静寂が訪れると、柏倉の叩き出す巨大なドラムのイントロが聴こえてきた。彼らのライヴではマストソングとなった"Insomnia"。細美の繊細で気迫に満ちたヴォーカルと、そっと寄り添うようなmasasucksのしなやかなギターストロークの音色が響きだす。すると、オーディエンスは拳を上げ「Save Me!」とシンガロングの嵐を起こした…。感情という感情が溢れだし、恐怖と混乱と歓喜が入り乱れていくような"Insomnia"の威力は、バンドの成熟と、多くのオーディエンスが共有していくごとに増している。この曲の莫大なるスケール感には毎度、毎度、息を飲んでいるが、やはりこの日も圧巻だった。

そして、本編ラストは"紺碧の夜に"。今日のライヴを一人一人の胸に焼き付けていくよう、遠くの方まで見渡しながら歌い続ける細美。鮮やかなギターロックサウンドが繰り広げたエモーショナルなステージは一旦幕ここで幕を下ろした。しかし、鳴り止まないアンコールに再び5人は登場する。

この日、細美の声がいつになく優しく聴こえたのだが、その全てが最後の言葉に集約されていた。「来年もサマソニ出来るといいね。いろいろあるけど、来年もいろんな国のミュージシャンが飛行機に乗って、お前らの顔を見に飛んで来てくれる。そういう国でいられるように。また一年がんばりましょう。ありがとうございました。」二日前に日本が69回目の終戦記念日を迎えたことが、この言葉の背景から感じられる。「音楽に国境はない」と耳にする事がしばしあるが、ジャンルにとらわれず、心地よさを求めて作られた楽曲と、音そのものを自由に楽しむことが許されたthe HIATUSのライヴは、まさに音の垣根がないピースフルな空間だった。それは、本当に小さな一歩なのかもしれないが、5人の祈りが込められたアンコール"Shimmer"が熱狂と歓喜に満ち、溢れんばかりの多幸感でいっぱいになった時、「音楽で世界を変えることが出来るんだな。」という確信を私に与えたのだった。


セットリスト
1 Roller Coaster Ride Memories
2 Storm Racers
3 Monkeys
4 Thirst
5 Something Ever After
6 Deerhounds
7 Horse Riding
8 Silver Birch
7 Unhurt
8 Lone Train Runnning
9 Insomnia
10 紺碧の夜に

encore
1 Shimmer


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by musicorin-nirock | 2014-08-21 08:10 | LIVE

7/22‐23 the HIATUS "Keeper Of The Flame Tour 2014"@新木場studio coast

7月22日。
"Keeper Of The Flame Tour 2014"セミ・ファイナル。ステージに立った細美武士から、私はいつも以上にシリアスな雰囲気を感じ取ってしまった。その決定的な場面は、バンドの事を話さなきゃいけないと言いつつも、自身が歩んできた今日までの道についてMCで話し始めた時だった。「超嫌われてて。友達もできなくて。ただバンドをやっているときは、周りに人がいて…」その時、自分の存在価値を見いだせた唯一の存在が音楽であった彼にとって、現在活動中のELLEGARDENがどれだけ大きな存在であったかを改めて思い知り、胸が痛んだ。

雑誌等で自身の過去について触れる発言を時々見かけてきたが、自ら進んで話すことがまずない。そんな細美が直接オーディエンスの目の前で話してくれた事は初めてだと思う。ここからはあくまでも推測になるが、彼がthe HIATUSのメンバーと巡り会い、強い信頼の元作り上げた"Keeper Of The Flame"。このアルバムを引っ提げ回ったツアー中に何か大き心境の変化があったからだろう。ただ、笑顔よりも必死に戦い抜いた表情であった細美の印象が強いのは、今日このステージに立つまでに、壮絶な自分との戦いがあったことを私は感じずにはいられなかった。

しかし、戦い抜いた先に一番手にしたかったものがあった。マイク越しに「音楽こそ、我が人生だ。」と話したのだった。細美の音楽を愛する者にとって、こんなにも嬉しいことはない。絶望の淵から這い上がった彼からの言葉に対して、「おめでとう」という言葉が自然と出てきて、ただ、涙を堪えるのに必死だった。

そして、彼が手にした自らの使命が7月22日のステージだった。哀しみも、怒りも、全てが大きな喜びに変化し、ライヴハウス中が幸福でいっぱいに満たされていた。自分の心が満ちていく瞬間というものが、何度も何度も訪れた。音楽の無限大の力そのものを体感したライヴは生涯で初めてだった。



7月23日。
"Keeper Of The Flame Tour 2014"ファイナルのステージは、「最後だから」という感慨に浸っている暇などなかった。前日、細美の枯れた声から喉の調子はなかり辛そうであったが、声のハリ、響き、全てが違うのだ。バンドの音も、佇まいも、恐ろしいほどに攻撃的だ。ツアー中、至る所で「大変ですね。」と心配されたらしいが「ずっと言ってやろうと思っていた。そんなの楽勝だ!」と細美は言い放った。

5月から始まった"Keeper Of The Flame Tour 2014"によって、アルバム”Keeper Of The Flame”の世界は確実に肉体感を増し、革新的な音の世界はさらに研ぎ澄まされていた。それはまるで一つの生命体の様であり、生々しくその温度をオーディエンスに直に感じさせながら、スタジオコーストを熱狂の渦に巻き込む。40本のツアーの記録一部始終が刻み込まれた壮大なサウンドは、アグレッシヴに攻め続け、41本目のファイナルステージで遂に爆発させる。

私は、ライヴDVD「2009.07.21 Trash We'd Love Tour Final at Studio Coast」の細美の様子を鮮明に覚えている。「自分は今ここに居ていいのか。目の前にいるオーディエンスを信頼していいのか。」必死に堪えている不安と迷いは、画面を通じで胸が苦しくなるほど伝わってきた。そして、必死に彼をを支えるが如く演奏し続けるメンバー。ちょうど5年前の7月、同じスタジオコーストでの出来事だ。

しかし、今はその逆だ。自分自身を取り戻した細美の先頭切ってバンドを引っ張る姿が見える。それを誰よりも喜ぶ、共に戦い音を鳴らし続けてきた最高の仲間がいる。

the HIATUSのサウンドが解放感に溢れ、自分が自由に楽しみたいように体を動かせるのは、細かなリズムを一つたりとも逃さない、柏倉隆史のドラムが生み出すビートであり、ロックにクラシックのベールをかけ、より芸術性の高い音の世界に仕立てるのか伊澤一葉の鍵盤。時に泣き、時に絶叫し、感情そのものをかき鳴らすmasasucksのエレキギター。そしてまるで彼の懐の深さを響きだしたようなウエノコウジのベース。この4人のハーモニーの上に細美武士のヴォーカルが重なり、いつにもまして表情豊かな歌声に心が震え、放つ言葉とサウンドが一つになったとき、身がもだえるような感動をオーディエンスに与え続ける。細美は時折後ろを振り返り、互いを確認するかのように柏倉と伊澤を見つめて歌い、笑顔のウエノに寄り添いギターを奏で、masasucksとは熱い友情の証をグーパンチで私たちに見せた。

彼らのそんな様子はただの仲良しバンドではなく、切磋琢磨する中で生まれた信頼であり、the HIATUSのサウンドがこの5人でしか創造できない「必然」が生み出した,ミクスチャーな音の世界であることを証明してくれたのだ。そこから見えたものは、メンバー全員想像もつかない程の美しい光景が広がっていたに違いない。

ダブルアンコール前に発表された、12月22日、日本武道館で行われる追加公演。オーディエンスからは嵐のような拍手喝采が沸き起こった。細美武士の口から発表されたときの、その堂々たる姿を私は忘れることはないだろう。そして、彼らが歩んで来た道のりの全てを映し出したような、ラストソング"Shimmer"を全身で受け止めながら、あまりにもドラマチックなエンディングにやはり涙が止まらなくなってしまったのだ。


セットリスト(22・23共に)
1 Roller Coaster Ride Memories         
2 Thirst                    
3 Deerhounds
4 Storm Racers
5 Something Ever After
6 Horse Riding                  
7 Superblock
8 Silver Birch
9 The Flare
10 Monkeys
11 Unhurt
12 Tales Of Sorrow Street
13 Sunset Off The Coastline
14 Lone Train Running
15 Burn To Shine
16 Insomnia
17 紺碧の夜に

encore1
1 ペテルギウスの灯
2 Waiting For The Sun

encore2
1 Shimmer



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by musicorin-nirock | 2014-08-16 10:50 | LIVE

7/6 Permanents presents "A ZIG/ZAG SHOW @ Shibuya www "

私はもともと歌が好きで音楽を聴くようになった。10代後半から20代半ばにかけて、ヴォーカルをやっていたこともあり、歌詞、メロディ、ヴォーカリストの声・表現力・カリスマ性などを重要視してCDを買ったり、ライヴに足を運んでいた。

先月のPermanentsのライヴは、そういったルーツを持つ私にとって、とても至福な時間だった。バンドマンではない田中和将(Vo&G)の姿を観たのは久しぶりであり、何よりじっくり声と言葉とメロディが味わえ、そこから見えた風景がストレートに胸に届いたライヴだった。

ステージ上には、田中と高野勲(Key)の二人だけ。海外アーティストのカバーや、ライヴではほとんどお披露目されないGRAPEVINEの楽曲の数々を、カントリーミュージックやブルースといった自分たちのルーツを元にしたアレンジで魅せていく。そして、どこにでもある日常を彩った言葉たちが、次々と軽やかにライヴハウスを舞う。決していやらしさや媚びがない、素直な感情とシンプルな音とのアンサンブルは、会場をアットホームな雰囲気にさせ、GRAPEVINEの彼らよりも、もっと身近な存在に感じさせてしまう。
さらにこの日は、nanacoのウィスパーヴォイスと長田進のセクシーなギター、そして阿部芙蓉美の美しいハーモニーも重なり、華やかさを増した一面もあった。

一番印象に残っているのが、田中と高野の二人で披露した「それでも」。
ギターを置き、スタンドマイクの前に立つ。手を後ろで組み、目を瞑って歌う田中は、歌うことの喜びを思いっ切り表現する。その声は、まるで少年のような初々しさとみずみずさを醸し出し、そして、懐かしさを感じさせる言葉と一つになると、優しいメロディと共にふわりと私の心を包み込んでいった。
高野の鍵盤は田中にそっと寄り添うが、時に彼の魅力を引き出せば、時にぐっと支え、流れる川のようにドラマティックに演出する。それは、彼がGRAPEVINEのサポートメンバーとして長年共に歩んできたからこそ、阿吽の呼吸がとれた2人でしか生みだせない賜物であり、一気に魅了されていった。

田中の書く歌詞はどこか地味で、万人受けするようなメッセージ性は感じられない。ただ、ヒットチャートやミュージック・フェスティバルを賑わす音楽が、四つ打ちのポップミュージックやアイドルソングが主流となっている今、聴くとちょっとこそばゆいけど、小さなきらめきのような歌がちゃんと存在していることが、私はとても愛おしかった。

このユニットは企画モノのからのスタートだったとはいえ、あちらこちらのフェスに呼ばれては出掛けて行き、若手・ベテラン問わず多くのミュージシャンとの対バンイベントもさらりとこなしてしまう。フットワークの軽さも素晴らしい。もちろん、多くのファンが彼らのパフォーマンスを待ち望んでいるからなんだろうけど、一番本人達が自由にリラックスして楽しんでいるから、ステージに立ち続けているのかもしれない。


セットリスト

opening HOPE(軽め)
1 それを魔法と呼ぶのなら
2 Here Comes Your Man(Pixiesのカバー)
3 ふたり
4 Life On Mars(David Bowieのカバー)
5 それでも
6 小宇宙
7 Colors
8 雨にうたえば(MALPASO)
9 悲しきセクレタリー(ムーンライダース)with nanaco+長田進
10 Sing

encore
1 highway,highway(阿部芙蓉美)
2 エレウテリア with 阿部芙蓉美 & 長田進
3 春咲子紅(矢野顕子のカバー)
4 smalltown,superhero


※この日は対バン形式でしたが、Psemanentsのライヴについてのみ書いています。

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by musicorin-nirock | 2014-08-04 22:28 | LIVE