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9/29 NO NUKES 2014“the HIATUS”

2014年9月29日から10月1日の3日間、Zepp Diver City TOKYOで開催された『NO NUKES 2014』。その1日目に当たる9月29日に出演したthe HIATUSは、自然エネルギーを利用した音楽フェスティバルや脱原発を謳うイベントが数多く開催されている昨今、率先して参加しオーディエンスにメッセージを送り続けている。同月23日には『さようなら原発全国大集会』(細美のみ)、このライヴの2日前には『中津川THE SOLAR BUDOUKAN 2014』に出演し、その直後のステージであった。福島第一原発で起きた悲惨な事故から約3年半が経過し残念ながらそれがどこか風化しつつある中を、フロントマンの細美武士(Vo&G)は東北ライヴハウス大作戦の活動を始め、ことある毎に福島県へと足を運びメディアでは語られないリアルな現状を見続けている。そして、the HIATUSとして今年5月から7月にかけて行われた全国ツアーで東北にある小さなライヴハウスを回ったことと、常日頃、細美のアグレッシブに突き進む姿を間近で見ていること。この二点が確実に他の4人のメンバーに大きな影響を与えていると、ステージに立つ彼らから私は強く感じていた。政治的な発言せず、表現として関与させないミュージシャンもいる中で、その姿は端から見たらストイックに写るかもしれない。しかし、だからこそ緊張感と開放感が交互に漂う、天地がひっくり返るような壮絶なバンドサウンドをNO NUKESのステージで鳴らすことが出来たのだ。

現在、九州電力川内原発の再稼働の問題は一向に終息する様子が見えず、一人一人が本当に真剣に考えなければならない境地にいることを実感している。私は政治とロックフェスの繋がりについて正直戸惑っていたのだが、このイベントに参加したことが日々の生活に於いて政治をもっと身近なものとして捉える大きなきっかけとなった。時間は経ってしまったが、あの日の5人の戦う姿を精一杯レポートしたい。



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場内が暗転し“Interlude”が流れた途端に沸き起こる大歓声。真っ青なライトの中をメンバーそれぞれNO NUKESのロゴが付いたTシャツ姿で登場した。普段、ジャケット姿が定番のウエノコウジ(B)も、この日はそれを脱ぎ、細美は早々にガッツポーズを見せている。気合いの入った1発目は“Storm Racers”。先攻、斉藤和義が残していたシリアスな空気は、「One, Two, One two three!」とサビにかけてのカウントダウンが勢いづけ、一気に熱を帯びる。間髪を入れず始まった“Monkeys”では、モッシュが起こりダイバーも出現。柏倉隆史(Dr)とウエノコウジが絡み合うドスの効いたビートに乗せて、masasukes(G)が全身振り乱しながら歪んだエレキをかき鳴らし、伊澤一葉(Key)は激しく鍵盤を叩きつける。オーディエンスからのオイコールも収まらず、ライヴ開始10分足らずで凄まじい盛り上がりを見せた。

続く“Thirst”はmasasucksが後ろを振り返り、自在にリズムを操る柏倉のフィーリングを感じ取りながら一音一音丁寧に音を沿わせ充満させたイントロが印象的だった。彼の集中力に引き寄せされるようじっと見入ってしまうくらいに、ステージのどこか緊迫したムードは今までのライヴで感じてきたものとは違った。どくどくとした生々しいサウンドに合わせ、ハンドマイク姿となった細美は、鍛えに鍛え抜かれた精神力を見せ拳を揚げ、声を上げる。それは、このライヴが彼らにとってどういうものかを知らしめた瞬間だ。そして、この緊迫を和らげるように“Something Ever After”の分厚いオルガンが響き渡り、温かくライヴハウスを包み込む。細美は言葉一つに命を吹き込むよう大切に歌い、シンガロング続けるオーディエンスに向けて「ありがとう!」と気持ちよく感謝と笑顔を放った。

「NO NUKESに集まってくれてありがとうございました」細美のMCその第一声だ。そして「小泉さんと細川さんと4人の政治家の先生が来てくれて、お前らどう思った?」と問いかけてくる。NO NUKES 2014の初日であるこの日、ライヴが始まる前に今年出席できなかった坂本龍一の強い希望によって、細川護熙元首相と小泉純一郎元首相をはじめ政界から4名招き、両首相は挨拶を行ったのだ。私は政治家がこのようなロックイベントに参加することにどこか違和感を感じていたが、細美は政治性のあるイベントになると従来のロックファンは来てくれないと嘆く。しかし、両元首相が私達の目の前で話してくれたことで「気付いただろ?テレビの中のことはフィクションじゃないって。」この後始まったのが“Horse Riding”だった。

<Revolution needs a soundtrack>というフレースが今ここで鳴り響く意味をひたすら私は考えてしまう。様々な出来事に思いを巡らし、現実を見て見ぬふりして生きてきたわけではないが、恥ずかしいくらいに無知であることを私は自覚する。そして複雑な時代を生きている事に改めて気付かされ、悔しさと哀しみが湧いてきてしまった。しかし、真っ白なライトに包まれながら爪弾かれるアコースティックギターで始まった“Deerhounds”が、生まれ変わった美しい世界を描いているようで、音と共に放たれる細美の歌声にただただ胸が熱くなる。頭の中での混乱が静かに収まり、目から涙が溢れてきたのだ。

そこに切り込む“Unhurt”。天井に吊されたミラーボールが回り出しオーディエンスは音に身を委ね、生まれていく開放感。細美もとても楽しそうにステップを踏みながら歌う。そして、ライヴの序盤に少し疲れが見えた声は、いつの間にか強く太く変化していることに気付く。そんな姿に呆然としていたら“Lone Train Running”のピアノの音が鳴り響き、エモーショナルな風が吹いた。その瞬間込み上げてきた感情をグッと飲み込んだが<Away now>と繰り替えされる盛大なシンガロングに心が揺さぶられ、再び目の前が滲む。細美はマイクから一歩下がった場所で、たくさんの声に聴き入るように歌っている。そして掛け声と共にスピード感のあるサウンドに切り替われば、爽快感を携えながライヴ後半を駆け抜けるのだ。

すると、突然雷が落ちたかのような衝撃を柏倉が叩き出した。“The Flare”で怒りが顕わになり、5人の高揚しきった感情が天に目掛けて放出される。細美は<Both you and I>と歌う時、フロアと自分を指さし「繋がっている」と確かめていた。そして再び威圧的なドラムがドスンドスンと床を振るわせ、オーディエンスに感じさせる予感。「NO NUKES」で演奏された“Insomnia”が残していったもの。それは、怒りや哀しみをただ嘆き続けるのではなく<Save me!>と苦悩を吐き出すことで、今苦しみの最中にいる人々のその感情を代弁し、愛や夢で溢れる未来を想う切なる願いだった。

音が止み、静まり返ったライヴハウスに大きな余韻だけがある。そして、色鮮やかなギターのイントロが鳴らされ“紺碧の夜に”が始まった途端、盛大なハンドクラップが始まり多幸感に包まれていくが、闘争心は最後まで剥き出しのまま。気迫のこもった演奏だった。「川内原発再稼働、する、しない。未来が大きく二つに分かれるよ。原発のことしらない奴、すぐわかるから調べてみ?」。ラストソング“Silver Birch”が始まる前の細美の言葉がストレートに胸に響く。そして、目の前にいるオーディエンス一人一人に確実に届けるため、思い残すことがないように汗にまみれ、ひたすら演奏し続けていた。

歓声が静まることなく、割れんばかりのアンコールを浴びながらメンバーが再び現れ、一曲だけ演奏してくれたのは、“Waiting For The Sun”だった。ミドルテンポの心地よさと浮遊感あるエレクトロな音の中、細美とのコール&レスポンスによって生まれた一体感にただただ心が満たされる。一歩一歩着実に踏みしめるような安定感ある演奏は、the HIATUSの歩みのようであり、怒りも、苦しみも、憎しみも吐き出された時、全てがきらきらと輝き出す希望に繋がっていくのだと、ここの集まった全ての人達が実感したことだろう。

冷たく厳しい向かい風は相変わらず吹きっぱなしだが、いつかきっと天に上る太陽が私達を温かく照らしてくれる。願いが叶うその日まで、彼らは戦い続けるのだ。

最後に。アンコールの曲が始まる前、細美は楽屋裏での出来事を話してくれた。先にも述べたが、この日細川元首相と小泉元首相がステージに登壇し挨拶を行っている。それを受け彼は両首相の元へ出向きお礼を述べたそうなのだ。若い世代に政治の話をする事の難しさを身をもって経験しているため、今日は何を話せば良いのか前日の夜から悩んでいたらしい。だが「先生方が来てくれたおかげで、俺の話もちょっとだけ説得力が増します。今日はありがとうございました」と伝えた。主催者である渋谷陽一氏にはとても驚かれたそうだが、彼の起こした行動の理由は至ってシンプルだった。「元首相といったって同じ人」だ。そして「あの人達の持っている力も、お前らの持っている力も一緒だから」。私はその言葉に勇気をもらった。


set list
1 Storm Racers
2 Monkeys
3 Thirst
4 Something Ever After
5 Horse Riding
6 Deerhounds
7 Unhurt
8 Lone Train Running
9 The Flare
10 Insomnia
11 紺碧の夜に
12 Silver Birch

encore
1 Waiting For The Sun


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by musicorin-nirock | 2014-11-26 08:00 | LIVE

Strangers In Heaven / Nothing's Carved In Stone




筋肉質な大喜多のドラムと日向の強いフィンガーピッキングが絡み合う鉄壁ビートに、圧倒的な存在感でメタリックな音を放つ生形のギター。そして真っ直ぐ胸に響く村松の声。
4つの強い個性が張り合わずにバランス良くミックスされ、更に交じり合うプログラミングで音のダイナミクスを追求した一枚。
Introから続く爽快で迷いのない言葉が綴られた「Shimmer Song」を始め、誰もが「良い歌」と唸るであろう強いメロディが与えるエモーション。しかし、アルバムの中盤から後半ににかけては、刺激的かつ重圧なバンドサウンドでスピーカー越しにリスナーを煽る。
そして、彼らが貫く硬派な姿勢からは、バンドを続け得た手応えとぶれない強さが感じられる。

Strangers In Heaven

Nothing's Carved In Stone/ERJ

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by musicorin-nirock | 2014-11-19 22:00 | MUSIC

Keeper Of The Flame / the HIATUS




アコースティックの響きを生かした前作『A World Of Pandemonium』とは一変!
孤高なギターイントロから始まる「Thirst」の威圧感。美しいメロディが胸を熱くさせる「Something Ever After」。肌馴染みの良いエレクトロポップ「Unhurt」。
序盤から立て続けに披露するダイナミックなバンドアンサンブルには打ち込みが導入され、ジャンルの壁を超え、革新的な音世界をthe HIATUSは構築させた。
ロック色の強い1st、2ndで細美は孤独を叫び自身の存在意義を探し求め、音に救われ鳴らす喜びが閉じ込められた3rdを経て、そして生まれた今作は「音楽の楽しさをリスナーと共有したい」強い想いに溢れた表情豊かなヴォーカルも印象的。
東北への想いを込め書き下ろされた「Tales Of Sorrow Street」は、優しい風をあなたの心に届けてくれる。

Keeper Of The Flame

the HIATUS/ユニバーサルミュージック




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by musicorin-nirock | 2014-11-18 17:44 | MUSIC

Can't Be Forever Young / Gotch





アジカンのゴッチよりも肩の力が抜けたリラックスした雰囲気。アコースティックの生音とエレクトロを組み合わせたカラフルな音像は、子供の頃に買ってもらったおもちゃの包み紙を開けた時に感じた「わくわく」した気持ち。あの「わくわく」を感じてしまうくらい、なんだかとっても無邪気。
いつもクールな目線で時代を眺めているゴッチ。その鋭い洞察力で感じる皮肉を、言葉遊びいっぱいに綴るのはさすがである。しかし、アルバムタイトルにもなったブルージーな「Can't Be Forever Young」に<いのちを燃やせ>という邦題を付けたことは、正しくゴッチ本人に向けての「喝」なのだろう。
そんな熱い魂にも触れつつ、音楽が大好きな人が、ただその想いを想いのままに表現してしまったような一枚だ。



Can’t Be Forever Young

Gotch/only in dreams

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Can’t Be Forever Young [Analog]

Gotch/only in dreams

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by musicorin-nirock | 2014-11-14 22:50 | MUSIC

11/2 YNU SPECIAL LIVE 2014 “the HIATUS”

11月2日。
横浜国立大学大学祭 常盤祭『YNU SPECIAL LIVE 2014』へ、THE BACK HORNとthe HIATUSの対バンライヴに足を運んだ。

ステージである野外音楽堂のバックには『14TOKIWA』と手作りのロゴが並び、右サイドには落ち葉のモチーフが飾られた、簡素で小さなステージだった。それは、私自身が音楽サークルに所属していた学生生活を思い起こさせ、10数年前の記憶を辿りながらライヴ開始を待っていた。時折空が雲で陰り、風も強く、落ち葉が舞う中でライヴは始まったが、両バンドの演奏時、雨粒一つも降らなかった。「絶対に雨を降らせない、このイベント成功させてやる」。学園祭スタッフの熱い想いが天に届いたのだろう。

この対バンライヴの後攻をつとめたのがthe HIATUS。セットリストは最新アルバム『Keeper Of The Flame』と、夏フェス以降彼らのライヴでは定番となった楽曲から構成されていた。私は今年the HIATUSのライヴを数回観ているが、その時その時、感じることは常に違う。それは、ステージに立つthe HIATUSのメンバーも同じなのだろう。彼らも今この時しか鳴らすことの出来ない音で、ステージを創り上げている。そして大袈裟ではなく、私達がその時を共有できることは、実は奇跡のようなことなのだと個人的に強く感じるようになった。

the HIATUSはメンバー一人一人がそれぞれに積み重ねてきた過去があり、個としての存在感が際立ったバンドだ。彼らは「喪失」を背負いバンドをスタートさせたが、細美武士(Vo&G)がこの5年間で確実に自分を取り戻し、また伊澤一葉(Key)が正式加入後、初のアルバムをリリースし今年5月から7月まで続いた全国ツアーによって新たな結束力が生まれた。この二つの要素が今のthe HIATUSの強みとなり、豊潤かつ感度の高いサウンドを生み出している。

始まりは“Thirst”、続くアッパーな“Storm Racers” で勢い付ければ、エレキギターを下ろし、細美はハンドマイクに切り替え歌う“Something Ever After”で生まれたオーディエンスとの一体感。彼が手に入れた“Unhurt”な心によって、“Silver Birch”、“Lone Train Running”、”The Flare ”で見せた過去の苦悩は輝きに変わり果て、そして今、“Insomnia”で哀しみを分かち合い、希望に繋げようとする強さ。曲一曲が持つ感情が、ジャムセッションのような自由度の高い演奏と、繊細かつエネルギッシュな細美のヴォーカルによって伸びやかに解き放たれる。また、何よりこの日はオーディエンスの若いエネルギーが凄かった。“紺碧の空に”が始まると沸き起こるハンドクラップ、モッシュや続出し続けるダイバーに、嬉しさがこみ上げてきたのか笑顔の絶えないステージ上のメンバー。「あまり学園祭のステージには立ったことがない」と細美は話していたし、この光景がとても新鮮に映ったのだろう。どんどんこっちへこいよ!と細美の煽る姿から「楽しい」という素直な気持ちが伝わってきた。

しかし、MCになると細美は学生達を目の前に「伝えるべきことは伝える」という姿勢を貫いていた。時に下ネタを交え笑わせながらも細美が学生時代を過ごした時代と、「お前ら」が学生生活を送っている今の時代とは、日本の状況が明らかに違うとを示唆し、ミュージシャンは真実の愛や優しさを歌うことしかできず、それは弱いものだが、集まってくれた学生達には負けないような力を持って生きて欲しいという強いメッセージを残した。

アンコール。いつもならメンバーが再登場するまでハンドクラップが鳴らされるのだが、この日に限っては“Insomnia”のイントロ(♪オオオオ~オ~オ~という部分)をなぜか歌うという光景が!それにはメンバーも驚きと喜びを隠せない様子だった。そして、演奏されたのは“Waiting For The Sun”。心地良く刻まれるビートとエレクトロが混ざり合うサウンドによって、曲始まりに細美が話したエジプト旅行中に見た暗闇に広がる満面の星空が、オーディエンスの胸の中にゆったりと広がるよう開放感に包まれていく。そして、きっとここに集まった一人一人に希望の雨が降り注いだであろう。いつにも増して親しみと優しさが感じられるエンディングだった。


set list
1 Thirst
2 Storm Racers
3 Something Ever After
4 Unhurt
5 Silver Birch
6 Lone Train Runnning
7 The Flare
8 Insomnia
9 紺碧の空に

encore
1 Waiting For The Sun
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by musicorin-nirock | 2014-11-04 21:52 | LIVE

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by yu_tanai_coco
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