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“ IN A LIFETIME ”/ GRAPEVINE





2014年5月19日、渋谷AXで行われた『IN A LIFETIME』。このライヴは、2ndアルバム「LIFETIME」の再現ライヴと、新旧の楽曲を織り交ぜたセットリストを組んだパートの2部構成であり、同年春よりレーベルを移籍したことも発表された、GRAPEVINEにとって大きな区切りとなるライヴだった。今回再現されたアルバム「LIFETIME」は1999年にリリース。“スロウ”や“光について”といったGRAPEVINEの代名詞的シングル曲が収録され、オリコンランキング第3位というセールス記録を出し、発売から16年経った今でもなお人気の高い一枚である。事実として、『IN A LIFETIME』のチケットはソールドアウトする会場が続出し、バンド史上初のビルボードでの公演も開催されたのだ。

しかし。このライヴは、「LIFETIME」というアルバムが90年代後半のミュージックシーンを彩った代表的なアルバム、という事実だけを語っただけではない。GRAPEVINEというバンドの過去/現在/未来を大きく結びつけると同時に、改めてGRAPEVINEと彼らを取り巻く全てを繋ぎ止める、まるで一つの物語を辿らされるのような時間でもあったのだ。


実際にこのライヴの観客の一人であった私は、まず、アルバムの1曲目から曲順通りに披露されていく展開に驚き、一曲一曲聴き終える毎に深い部分へと引きずり込まれていった。MCも1曲目の“いけすかない”の間奏部分で軽く挨拶をしただけ。淡々とライヴは進んでいったが、あまりに密度の濃い空間で、15年前「LIFETIME」を手にした、まだ10代だった記憶が必然的に蘇り何度も目頭が熱くなった。ところが、徐々にノスタルジーに浸る余裕なんて無くなっていた。豊潤なメロディに乗るのは、相反するような孤独感の強い言葉達。ブリティッシュ・ロック色を意識したのか、ギターが強く前に出ている楽曲が多めだが、時折腰にくる重低音の響きから感じられるR&Bやソウルの要素。見えなかったものに気が付く度に、長年愛聴してきたアルバムだったにも関わらず、初めて手にした時と同じような衝撃が走った。

ステージに立つのは、全てを包み込むよう歌い上げる田中和将(Vo&G)。その姿には精神的な成長と新たに芽生えた父性が感じられる。いつになくしなやかに、聴く者全てを陶酔させてしまう声と表現力の豊かさには、ヴォーカリストとしての実力を見せつけられる。西川弘剛(G)は、ステージ上の誰よりも落ち着いた佇まいではあるが、その姿が非常に渋く、全身痺れさせる音を鳴らし続ける。そして、積み重ね上げてきた全てが刻み込まれているような、どっしりとした重たいリズムを生み出す亀井亨(Dr)。3人の姿にはGRAPEVINEを貫いてきた力強さが、確実に感じられた。ここで一つ付け加えたい事実がある。このアルバムの制作・発売当時は“リーダー”こと西原誠(B)が在籍していた。持病のため自らリーダーを務めていたバンドを去らなければならなかった西原は、苦渋の決断がもたらした苦悩を、再現ライヴのツアーパンフレットで語っていた。西原が当時を振り返りその想いをリスナーに伝えた決断。それは、彼にとっても大切なアルバムであると同時に、メンバーそしてリスナーにとっても、GRAPEVINEを語る上で欠かせない人物なのは変わりないと、確かめ合うためだったのかも知れない。西原の脱退後、残された3人も悲痛な思いであっただろう。「解散」という選択肢があってもおかしくはない。しかし彼らははバンドを辞めなかった。サポートメンバーに金戸覚(B)と高野勲(Key)が加わった事でバンドサウンドは一気に深みを増す。そして、GRAPEVINEはキャリアを重ねる毎に、他のアーティストには希に見られない音世界を創造し続け、不動の境地にまで上り詰めた。2014年5月19日、閉館が決まった渋谷AXのステージで披露された15年目の「LIFETIME」は、それをまんまと証明したのだ。


私は10年以上彼らのライヴに通い続けているが、GRAPEVINEのライヴでは、オーディエンスが自由に何かを受け取り、何かを感じることができれば、それで良いとされる空気が常にあったように感じている。一人一人に浮かび上がってきた様々な想いこそ、実は何にも代えがたい自分だけの真実なのだという事に彼らは気付かせてくれるのだ。


GRAPEVINEの楽曲には大衆的なメッセージはほぼ存在せず、裏を返せばわかり辛い。しかし、彼らは長いキャリアに於いて、このスタンスを一切変えようとはしない。ステージをキャンバス地に例えるとしたら、5人はそれぞれ緻密な作業を続け、幾十に色が重なり合い、誰も想像がつかない美しさを描きつづける。完成された作品はどこか曖昧さを残したままで、彼らは観客にサラリと差し出す。そこに描かれた大がかりな音の世界は、恐ろしいほどに、聴き手の心を侵食していく。そして、メンバーと言えば、全てが終わると余韻に浸る間もなくステージを去る。残された観客達を困惑させたままにして。

この『IN A LIFETIME』の場合、レーベル移籍の発表あったため、終演後のフロアには異様な空気が充満していた。私自身も、ただ自分のいる場所に茫然と立ち尽くしていた。それから数日経って、私はあのライヴを思い返してみたのだ。あの時「演奏をする/演奏を聴く」というシンプルなコミュニケーションを通じ、冒頭で述べた様に、10代の自分自身との対峙し、「LIFETIME」のクオリティの高さを改めて思い知った。10代の頃は何も気にせず、ただGRAPEVINEを聴き過ごし、またそれから10年以上も彼らを追い続けるとは考えもしなかった。しかし、15年後の確実に歳を重ねた自分が当時の憧れを再び目と耳にした時、GRAPEVINEが「これで良かったんだよ」と、これまでの人生を肯定してくれたような、非常に感慨深い気持ちが溢れ、そして、再び前に進む力を私に与えてくれたのだ。GRAPEVINEリスナー、一人一人に彼らと出合ってから今までの物語がある。その期間が短かろうが長かろうが、両者をつなぎ止めるものは「信頼」だ。その「信頼」が確かな物である事を『IN A LIFETIME』によって、誰もが気づけたのではないだろうか。


時代と共に音楽が生まれる。アーティストはその最先端を目指し、誰よりも早く新しさを創りだそうと、日々もがき続けている。リスナーにとっても新しさを手に入れることは、刺激的で、常に楽しさを運んでくれるものであり、そのスピードは、近年どんどん加速している。その傍らで、GRAPEVINEは今年でデビュー18年目を迎えた。しかも、混沌とした渦の中にいる多くのミュージシャンに敬愛されているバンドである。それは、音楽の本質を手にしているからこそ得られた強さなのだと言えるだろう。そして、その本質を今、教えてくれる唯一のバンドが、GRAPEVINEなのだと思う。
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by musicorin-nirock | 2015-01-26 22:08 | LIVE DVD | Comments(4)

“Gravity” / Nothing's Carved In Stone



Nothing's Carved In Stone、2015年第一弾シングル『Gravity』。前回のブログに書いた、LIVE DVD『No Longer Stranger』と同日にリリース、かつ、実際に「ツアーの合間を縫って制作」されていたと、あるラジオインタビューで生形(G)が答えていたとおり、ライヴのエネルギーがそのままギュッと詰め込まれた一枚だ。

イントロの歪むベースの上で繰り返される繊細なアコギのフレーズ。堅固なリズムに合わせ、流れるようなハイトーンヴォイスのサビ。彼らが創ったスペーシーな空間には「美しさ」と「激しさ」が混同し、限界点に達したときにようやく手に入れる事ができた美学と言い切ってもいいほどに、かなりストイックに突き詰めた感がある。

また、2曲目の『GOD HAND GAME』は、かなり凝ったアレンジが施され、予想できない展開にかなり驚かされる。躍動感のあるドラムが印象的なBメロが、3パターン目でストリングスに包み込まれるなど、実にドラマティックであり、ロマンが感じられる。

初回限定盤にはライヴ音源が入っており、この楽曲が生み出された“ヒント”が見つかるかもしれない。

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by musicorin-nirock | 2015-01-24 22:43 | MUSIC

“ No Longer Strangers” / Nothing's Carved In Stone

Nothing's Carved In Stone(以下NCIS)の6th アルバム『Strangers In Heaven』を引っ掲げ、昨年行われたツアー「Strangers In Heaven Tour」 。こちらのツアー・セミファイナルの映像が1月14日、LIVE DVDとしてリリースされた。

紗幕越しに始まる“キマイラの夜”から“7th Floor” にかけて、打ち込みとシンセを使ったデジタルな音像が神秘的な空気で包み込むが、ドラムカウントが入り始まる“ツバメクリムゾン”のイントロで漂う緊張が一気に緩和。ヴォーカル・ギター村松拓の「行こうぜ!」という掛け声がオーディエンスをさらに沸き立て、湧き上がる大歓声とハンドクラップ。そして、オーディエンス一人一人の気持ちに応えていくよう、”踊るロック”ナンバーがガツンガツンと投下される。上がり続けるフロアの熱量が画面を飛び越えダイレクトに伝わり、しかもその熱量というものが、このライヴのエンディングまでキープではなく、上がりっぱなしなのだから、凄い。

容赦を知らない4人の姿をまじまじと見ていると、正に“実力派プレイヤー集団”としか言いようがないのだ。安定感をキープしつつタイトなビートを刻み続け、NCISのダイナミクスの鍵を握るのがドラムス・大喜多崇規。ファニーなプレイスタイルでフロアの盛り上げ役に徹しつつも、常に攻撃的に弦を弾くベース・日向秀和。時に繊細に、時にエッジィに。魔術師のよう自由自在にギターを操り音を鳴らし続ける生形真一。そして、ライヴが進むに連れ、力強さがぐんぐん増す村松のヴォーカル。(彼はヴォーカリストとしてさらに開花し続けるであろう、可能性を秘めている気がしてならない)。火花を散らすかのように激しくぶつかり合い、4人が起こす化学反応はぐらぐらフロアを震わし、圧巻のステージを繰り広げていく。

このアルバム『Strangers In Heaven』は昨年8月にリリースされ、オリコン10位という記録を出した。つまり、多くの音楽ファンが手に取ったアルバムであり、「Nothing's Carved In Stone」というバンド名がたくさんの人の目に触れた事が自動的に証明される。2014年はメンバーにとって、例年以上に濃厚な一年であったに違いないし、だからか、ラストの村松のMCでファンへの感謝の言葉をストレートに伝える姿と、彼の言葉を聴く3人の「達成感」がにじみ出ている表情に、グッとくるものがある。
そして、ラストの“Shimmer Song”で<誰だってそうだろう/孤独な夜を越え/夢見て傷ついて/でも前を見る>と語りかける彼らの説得力。確実に手ごたえを感じているからこそ生まれた自信が、NCISの音に強く根付いているのだ。

このライヴは、バンド結成から現在まで集大成に当たるだろう。私自身、
飽きることなく何度も見続けてしまっている、本当に素晴らしい映像だ。Nothing's Carved In Stone。2015年もますます目が離せないバンド。彼らの音が大きなステージで鳴り響く、今年はそんな夏を迎えられそうだ。

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by musicorin-nirock | 2015-01-23 21:43 | LIVE DVD

“ニコ タッチズ ザ ウォールズ ノ ニホンブドウカン” / NICO Touches the Walls

NICO Touches the Wallsは、2010年3月12日と2014年8月19日に、二度、日本武道館公演を行っている。そして、2015年1月7日にどちらも初の映像化となるLIVE DVDが発売された。このDVDは2010年と2014年、それぞれのライヴ別にも発売されているが、私は二枚組セットを購入した。まず率直に、今までNICO Touches the Walls を聴いたことがない人には、私はこの二枚組のDVDをお勧めしたい。有名な某CMソングに起用されたJ-ROCKの王道的なナンバーから、インディーズ時代に小さなライヴハウスで鳴らしてきたソリッドなギターロックまで。バンドの全てが一番わかりやすく、しかも耳だけではなくて目でも堪能できる、とても優れた素晴らしいLIVE DVDになっているのだ。

ただ、でもここで疑問を持つ人もいるだろう。2010年3月12日の日本武道館の映像がなぜ、今このタイミングでリリースされるのか。時は既に2015年。最初の公演からはすでに5年が経とうとしている。私自身も初めての日本武道館公演が映像化され記録として残っていないことに正直「あれ?」と思っていた。

初めに個人的な話をすると、私はこの2010年3月12日の日本武道館には足を運んではいない。バンドの事は知っていたが、本格的に音を聴くようになったのは2012年の終わりである。ただライヴを楽しみたくて足を運んだ2013年11月25日の1125(イイニコ)の日ライヴで、彼らは二度目の日本武道館を行うことを発表。そして、次の日本武道館は「リベンジ」なのだと事ある毎にフロントマン光村龍哉(Vo&G)は言い続け、遂には日本武道館のリベンジソングであり、サビで<僕らのリベンジ>とまで歌ってしまう『天地ガエシ』をリリースした。なぜここまで「リベンジ」にこだわり、がむしゃらに走り続けてきたのか。それは、実際に2014年8月19日の日本武道館のステージを観て、私の中で2013年のイイニコからの歩みが一つに繋がった(その時のライヴレポート→ http://nirock.exblog.jp/22901705/)。一曲目の“Broken Youth”のギターのイントロが鳴り響き、大きな大きな日本武道館が多幸感で包み込まれていく様は、今思い出すだけでも鳥肌が立つ。でも、この曲のイントロの裏には私の知らない物語があった。それが2010年3月12日の日本武道館であり、封印され続けていた彼らの物語なのであった。

2010年3月12日に開催された『Walls Is Auroras』は、2009年から2010年にかけて行われていた「& Auroras」の追加公演として行われた。「ダダッ」という噛みつくようなイントロの“そのTAXI,160Km/h”から始まるのだが、4人が緊張感が音に吸収され吐き出され、それが硬さに繋がってしまっていることがわかる。しかし初めて立つ日本武道館。緊張するのは当たり前なのだが、彼らはそれをぐっと押さえつけながら、ほとんど完璧に演奏をこなせてしまっている。バンドの土台である2人のリズム隊、坂倉心悟(B)と対馬祥太郎(Dr)は驚く程に安定しているし、古村大介(G)のギタープレイによって、セクシーさも渋さも見事に演出され、当時24歳のメンバーが鳴らす音としては、かなり大人びた表情をしている。また、途中声が出なくなってしまうシーンもあったが、抜群の歌唱力で歌いこなし、全楽曲の作詞作曲を手掛けた光村龍哉というシンガーソングライターの才能が認められるべきステージになっているのだ。だからこそ、この硬さが最後まで残ってしまっている印象が強く、それが開放されたのは“Broken Youth”が始まった、既にライヴも終盤の頃。客電が付き、客席から上がる歓声もこの日一番大きく、ステージ上のメンバーも安堵の表情をやっと見せている。しかし、アンコールのラストにはインディーズ時代に発表された“壁”を演奏している。決して派手ではないこの曲を選曲したことに、彼の誠実さがわかるのだが、あまりにも切なく、もの悲しく響いている。それは、まさに今初めて立った日本武道館が、彼らに立ちふさがる大きな壁になってしまったように聞こえてきてしまったからだ。だから、終演後のフロアには歓喜というものが見当たらない。彼らは素晴らしい演奏を出来たにも、巨大な日本武道館という魔物を唸らせることができなかったのだ。

彼らは2004年にバンドを結成、2007年11月にはメジャーデビュー。2nd Album『オーロラ』ではプロデューサーに亀田誠治氏を迎え、アニメやドラマ主題歌のタイアップも勝ち取った。言ってしまえばとんとん拍子だが、この『Walls Is Auroras』を観て、ただ単に「流れ」に巻き込まれていたわけではないと思った。才能があるが故にもたらした成功と挫折を、バンドの歴史に残る晴れの舞台で味わってしまったのだ。

1月10日、渋谷のタワーレコードで行われたLIVE DVD発売記念のトークショー内で「2010年の武道館を経験してから180度バンドやライヴの内容が変わった」と光村が話していたことが印象に残った。「2010年の武道館は一日4曲づつ観ていった」(光村)、「2010年のDVDを観るのには勇気がいる」(坂倉)と本音を漏らしていたし、苦い思い出ではあるのだが、確実に彼らの大きなターニングポイントになったことは間違いないのだ。そして4年後「リベンジ」を果たせたことで、過去を受け入れることができた。時間はかかってしまったが、彼らにとっては必要な時間であるし、2014年8月19日『ニコ タッチズ ザ ウォールズ ノ ブドウカン』を観れば、彼らに与えられた勲章は誰もが手に入れる事が出来ないものであることを、実感できる。

実際に映像を観ていくと、二度目の日本武道館のステージで演奏された1曲目には、“Broken Youth”が一番相応しい。4年前にも演奏された楽曲であり、まさに4年前の映像を新たに塗り替えていく、そのためのステージのスタートダッシュに選んだことに一番納得がいくし、同年2月にリリースされたベスト盤中心のセットリストを組んだことは、生き様をしっかりと日本武道館に刻もうとする責任感すら感じられる。また、ステージ上のリラックスした空気感が画面越しに伝わり、メンバー全員が見せる笑顔のシーンも本当に多い。古村、坂倉、対馬が常に歌を口ずさんでいる姿も、バンバン抜かれている。4年の間に生まれ、育て上げられた楽曲が一曲も残らず輝くようにホール一体に放たれていくが、その中でもライヴ中盤のほぼ光村の独奏の“バイシクル”で恥ずかしげもなく自分たちの姿を剥き出しにし、“Mr.ECHO”で繰り返される自問自答に向き合う覚悟を決め、「俺らに着いて来い!」と言わんばかりの強気な“ローハイド”の流れは本当にドラマティックであり、この4年間にメンバーに起こった全ての出来事(良い事も悪い事も含めて)がどういうものであったか、そして、確実にそれを4人で乗り越えてきたことがわかる。”手をたたけ”の最後のサビで沸き起こるシンガロングは、確実にオーディエンスとの熱い絆が確かめられた感動的場面も収められているし、本編ラストの“天地ガエシ”は、バンド組みたての少年のように無邪気な表情で<僕らだけの秘密の大勝利>である最高のロックンロールを鳴らし、4年前の日本武道館にはない歓喜が溢れ、メンバーそしてオーディエンスから零れるものは涙ではなく満面の笑顔。

アンコールで披露された“TOKYO Dreamer”は、このライヴの翌日にリリースされたのだが、その理由もはっきりとわかる。青さがそのまま綴られた歌詞を10代の光村が歌うよりも、当時28歳の光村が歌う方がよりリアルに伝わる。成功と挫折を味い、そしてそこから這い上り、再びリベンジできた直後に<孤高の戦いは いずれこの夢を叶えるんだ>を歌える自分達になったという事を、日本武道館のステージで、まずは応援し続けてくれている大切なファンに伝えたかった。それが、彼らの次なるリベンジに繋がるシーンでもあるのだ。よって、これは二枚で一枚のLIVE DVDと考えていいだろう。過去を封印するのではなく、見せることで本当にリベンジ出来たんだと、彼らは証明したかったのだ。

気が付けばNICO Touches the Wallsバンド結成から今年で11年目である。この年末年始にバンドメンバーの脱退や活動休止のニュースを多く耳にするたびに、バンドを続けていく事の難しさや、どれだけのエネルギーが必要なのかと考えてしまったのだが、と同時に、彼らが決して諦めず、そして自分達でバンドの舵を取るようになったことを、何よりも評価したい気持ちになった。そして、これからどんな冒険をしていくのか、ただただ楽しみで仕方がないし、改めてNICO Touches the Walls は良いバンドだなと心底思ったのだった。


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by musicorin-nirock | 2015-01-11 18:14 | LIVE DVD

主にNICO Touches the Walls について書いておりますが、他にはGRAPEVINE と the HIATUS が好きです。記事の無断転載、引用はご遠慮ください。


by タナイユウ
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