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8/4 MONOEYES@渋谷CLUB QUATTRO

細美武士のソロプロジェクトはMONOEYESというバンドで始動した。メンバーは通称“トディ”こと戸高賢史、ベース&コーラスはスコット・マーフィー、そしてドラムは一瀬正和。それぞれに長年のバンドマンとしてのキャリアがあり、バンドが大好きな4人である。細美が一人一人に声を掛けバンド結成に至るまでには、個々に山あり谷あり超えてきた過去がある。しかし、このバンドには重苦しさが何一つ存在しない。とにかくメンバー間の風通しが良い。細美がDJを務めるラジオ番組を聴いたとき、全員参加のインタビューを読んだとき、4人の絶えない笑い声と、流れ続ける和やかな空気から、そんな仲間に出会えた彼らが、私は心から羨ましく思っていた。

7月30日、千葉LOOKからスタートしたMONOEYES『A Mirage In The Sun Tour 2015』。その3公演目にあたる8月4日、渋谷CLUB QUATTRO。某有名映画のテーマソングをSEにメンバーは登場し、大歓声が上がる中一曲目が始まると、そこから絶え間なくクラウドサーファーが出現。ライヴが進むに連れモッシュの波がどんどん広がり、上がり続ける拳の数も増え、細美の声が聞こえない位のシンガロングがキャパ800人規模のライブハウスに充満する。熱気と共にフロアが高揚してく光景は、あまりに壮観で思わず私もフロアに飛び込みたくなった。

何よりメンバー4人、オーディエンスに負けないくらいライヴを楽しんでいる姿が印象的だった。くるくると回りながらベースを弾く姿がファニーなスコットが、細美の声にハモるコーラスなんて、びっくりするほど気持ちが良かった。全身振り乱し、フロアを煽るようにエレキを掻き鳴らす戸高の姿には強い男気を感じ、スコーンと突き抜ける様な爽快感と地響きのようなダイナミックさを持つドラミングで、動きまくる3人を背後からどっしり支える一瀬は、メンバー1頼もしかった。そして、ガッツポーズを何度も見せ基本笑顔の細美。彼は、いつになくオープンな気持ちでステージに立っているように見えた。最高の仲間と共にMONOEYESを始動させ、たくさんのオーディエンスに囲まれ歌を歌えることが、どうしようもなく幸せなのだと、彼の全部から伝わってくるのだった。そして、最後のMCで「心が折れそうになったら、ライヴハウスで待ってるよ」と投げかけられるくらいオーディエンスとの距離も近い。この近さこそ、細美が信念通して音楽を続けてきた結果なのだと思う。

アンコールでは、突然乱入したTOSHI-LOW(BRAHMAN/OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND)がフロアに突然ダイヴするというハプニングもあり、負けじとスコットも最後はダイヴ。メンバーとオーディエンスの垣根が吹っ飛ばされ更に一体感が増し、ハッピーな空気で始まったライヴはハッピーな空気ままで終わった。冒頭でも述べたが『このバンドには重苦しさが何一つ存在しない。とにかくメンバー間の風通しが良い。』だからこそ『絶えない笑い声と、流れ続ける和やかな空気』がライヴハウスには広がる。最高のメンバーと、目の前で思いっきり笑顔を見せるオーディエンス。そして、そこに音楽があれば最高な時間を過ごせるのである。簡単なようであるが、そう簡単に表現できるバンドは、なかな存在しないだろう。それをMONOEYESは堂々と証明し、まさにこれがMONOEYESの世界なのだ、と私は強く、そう感じた。






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by musicorin-nirock | 2015-08-11 12:16 | LIVE

“Howdy!! We are ACO Touches the Walls”LIVE at Billboard Live TOKYO / NICO Touches the Walls



NICO Touches the Walls 初のビルボードライブのLIVE DVD『“Howdy!! We are ACO Touches the Walls”LIVE at Billboard Live TOKYO』が遂に発売された。今年の2月、バンド初のアコースティックアルバム『Howdy!! ACO Touches the Walls』をリリースし、アルバムの再現ライヴでもあったステージの第2部の本編とアンコール、そして第1部のアンコールの模様が収録されている。

先日終了したばかりの『まっすぐなツアー』でも、光村龍哉(Vo&G)がアコースティックアルバムが彼らにとって、いかに大きな存在であったか、MCで力説していたことは印象深い。実際、このビルボードライヴ後に通常のバンドセットでの演奏を久しぶりに観た時(3/5新木場COASTで開催されたNICOフェスト) 、ステージに立ったメンバーの佇まいが見違えるほどに変わり、バンドサウンドも歌声も、よりリスナーに近い場所で鳴らされていたことに驚いた。

ひたすらバンドの過去と対峙してきた2014年。中でも、アコースティックアルバムの制作の過程で、自分達が産みだしてきた楽曲の素晴らしさに気付けた事が、とても大きな収穫だったのだろう。また、同年二度目の日本武道館にも立ち、バンドの節目をいくつか迎えることにもなった。その一連の流れの締め括りが、ビルボードライブになるのだろうと、DVDを観ながら私は思った。

アコースティックアレンジになると、曲本来の姿が顔を出す。そして、私達リスナーは、それまで見えなかった部分を知ることになる。今回のLIVE DVDの中で、光村が1人アコギを抱え弾き語った“バイシクル”は、個人的にアコースティックVer.を聴いた前と後で一番印象が変わった曲である。「圧巻」の一言に尽きる歌唱力。歌が上手い・歌が下手という枠組みを飛び出し、ただ、彼の中で燃え続けている熱い魂に触れたような、生々しい歌声。勢い良く坂道を駆け下りていくような爽快感あるギターロックの裏側には、歯を食い縛り、悔しさを飲み込み続けていた等身大のブルースが存在する。それを恥ずかしげもなく見せたことで曲に説得力が付き、リスナーとの距離感も更に近づいたのではないだろうか。

しかし、このバンドの面白さは、原曲とは一味違った世界を創造してしまうことだ。よって、アコースティックアレンジとはいえ、原曲よりも大幅に雰囲気が変わった曲ばかりである。また、メンバー4人で行うドラムセッションや美しいコーラスワークなど、メインパート以外にも力を入れており、一人一人のアーティストとしての成長もよくわかる。キャリアを重ね、進化を遂げている証ではあるが、観ていて嫌らしく映らないのは、彼らの根本にあるものが「音楽が好き」という純粋な想いだからだろう。憧れたビルボードライヴのステージに立つ4人を観ていると、会場に集まったお客さんよりも、まずはメンバー自身が誰よりも楽しそうなのだ。その空気感が、思いっきりわかるLIVE DVDになっている。

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by musicorin-nirock | 2015-08-01 10:47 | LIVE DVD