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『NO NUKES 2015』MONOEYESのライヴを観て

昨日、久しぶりにMONOEYESのライヴを観た。NO NUKES 2015という特別な意味合いの大きなイベントではあったのだけど、それはまた別の特別な場所に置いておいて、あの時間は、ただただ、自分の古い記憶が蘇る貴重な時間だった。

Vo&G細美さん曰く「クラスには一人いる、みんなと一緒に笑えない奴に向けて歌う」MONOEYESのライヴ。クラスで一人周りになじめず学生らしくいられなかったのは、何を隠そうこの私だった。私は10代後半から大学卒業にかけて、実は相当イタイ娘だった。周りいたクラスメイトのように、自由奔放に恋をしたり、バイトしたり、勉強したりできなかった。それがずっとコンプレックスだった。社会に出てからは、だいぶ人なりの人生を歩めるようになったと思っているけれど、時々今でもあの頃の私が顔を出してくる。基本的に不器用だし、素直なんだが捻じ曲がっているんだかわからない性格なのだけど、本当に自分が嫌になってくると、学生時代の自分をののしりたくなる。そんな時がこれまでに何度があった。

しかし、細美さんの作る音楽を30歳を過ぎた頃に知り、数年前に突然起こった大ピンチの時代を、なんとか乗り越えることが出来た。そう実感しながら過ごしていたある時、私は気が付いた。「コンプレックスだらけの学生時代、自分を理解してくれるものを得るために数多くのロックバンドを聴き始めた自分がいたから、彼の音楽を知ることができたんじゃないか?」と。当時、一番身近にあったものがロックバンドなだけと言えば、それでおしまいなのだけど、通学中に音楽雑誌で目にしたり、日々ラジオから流れてくるものがカッコいいロックバンドの鳴らす、カッコいいロックンロールだったから、それがきっかけであの頃から15年以上経った時、the HIATUSと、ELLEGARDENと、目の前に立つMONOEYESを知ることが出来た。そして、確実に私の人生はより豊かなものに変わっていったのだ。

MONOEYESのライヴはに難しい事なんて何一つない。ネガティヴをポジティヴにひっくり返すバカでかいパワーで溢れている。NO NUKES 2015という場所であれ「楽しむことで、このイベントに沢山の人が集まることが大切」なのだと話す細美さん。それが、本当に彼らしいアプローチで素晴らしかった。と、同時に昨日のライヴを学生時代の私に見せてやりたかった。そして、こう声を掛けてあげたかった。「あんたがあの時ロックを聴き始めたから、私は今、こんなに感動的な音楽を鳴らせる人に出会えて、大ピンチを乗り越えたんだ。あんたは当時とても辛くて、不安で仕方ない日々を過ごしていたけれど、それは何一つ無駄な事ではなかったんだ。大丈夫」と。

“明日公園で”が始まってから、ラストにかけて、私はずっと泣いていた。周りで泣いている人はほどんどいなかったけど、こみ上げてくるものを抑えることが出来なかったし、我慢する必要なんてないと思った。そして今、昨日私が流した涙は、学生時代の自分の声のような気がしていて、この感じをこれからも大切にしたいと思っている。




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by musicorin-nirock | 2015-11-29 11:27 | COLUMN | Comments(0)

2015年の『1125(イイニコ)の日ライブ』について思ったこと。

今年はもうNICO Touches the Wallsについての記事は書かないだろうと思っていましたが、やっぱり書いてしまいました。

11月25日、『1125の日ライヴ(通称イイニコ)』が無事終わりました。今年は東京・下北沢CLUB251と大阪・梅田Shangri-Laの同日二ヶ所でライヴを行うという、またまた前代未聞の挑戦に挑んだわけですが、ご存じの方もたくさんいらっしゃるように、ギターの古村くんが怪我の為に今回イイニコには参加していません。なので光村くん・坂倉くん・対馬くんの3人体制でやるとのアナウンスがありました。

私は最初アコースティック編成でやるのかな~とか色々と想像してみたのだけど、やっぱり場所が場所だし、2006年1月8日に開催された『成人前夜』の再現ライヴをやるんじゃないかとうっすら思っていました。

残念ながら私は今回行けなかったので、当日のセットリストはライヴ後Twitterで知りました。内容は初期のナンバー中心に、コンパクトにまとめられていたもので、下北沢のセットリストも梅田のセットリストも見て「ああ、やっぱり」と納得。同時に私のタイムラインは下北沢のステージも、梅田のステージも大絶賛する言葉で溢れ返っていました(そのタイムラインをじっくりと読みながら、泣いてしまったのはここだけの話)。う~ん、やっぱり行きたかったなぁ。ただ、セットリストを見れば見るほど「4人でこのニ箇所のステージに立ちたかったよね」という悔しさ残ってしまったのが本音でした。

今年のイイニコはメンバー全員が30歳になって初のワンマンライヴであり、今年12月23日に開催予定であった初の大阪城ホール公演と、年明け1月8日に控えている3度目の日本武道館公演を行う前の最後のワンマンライヴでした。また、9年前の自分たちを、30歳になった今の自分たちで演じることで、大ステージを目の前にした自らに発破を掛けるライヴであったように感じます。『初心忘れるからず』と言うし。レアな曲を披露している点では、今まで通りのファン感謝祭でもあるけど、それ以上に、バンドの節目ともなるようなとても大きな意味があったと思います。

あと、私自身がこうしてライヴレポート等書いてると、とにかくこの4人でいることの必然性をとても強く感じるようになったんですね。だから、なおさら「4人でこのニ箇所のステージに立ちたかったよね」と、悔しく思ってしまったのです。

私は先日、BRAHMANの結成20周年イベントに行って、バンドが長く続いていくこととは一体どういうことなのかを、BRAHMANと共演したバンドのライヴから教えてもらいました。そして、「バンドが長く続いていくこと」を改めて考えてみたけれど、どのバンドも山あり谷ありあって当然で、続くことを願っていても続けられなくなってしまうバンドある。しかも、そういう事態がおこる可能性がないバンドは、存在しない。だから、好きなバンドがこうして続いてくれることって、前に他のバンドの記事でも書いたけど、本当にそれだけで「奇跡」。

古村君の怪我のことを私はかなりシリアスにとらえてしまって「イイニコやるっていったてどうなっちゃうの?」という苛立ちに近い不安も少ながらずありました。しかし、イイニコを「3人でやる」と決めた決断、大阪城ホールの延期、年末カウントダウンイベントのキャンセルも、結果的にはNICO Touches the Wallsをより肉体的・精神的に強くしたと思っています。また、今回ステージに立てなかった古村君が手を怪我しているにも関わらず新聞を作り、来場されたお客さんには、それが配られたとか。きっと彼が一番悔しい気持ちでいっぱいなのに「何かしたい」という彼の気持ちには、ただただ感動してしまいました。そういうところが、このバンドの誠実さで、どんな形でも4人でいることを感じさせる、これがNICO Touches the Wallsなんです。

“渦と渦”の歌詞にもあるけれど<険しい道のり/裏切られっぱなし>だし、バンド名に壁が入っているから「壁を乗り越える使命を担っちゃってるじゃん!」と突っ込みたくもなるけれど、<まだまだまだ/くたばれない>って叫ぶ4人を、まだまだ私は見ていきたい。2016年1月8日、ちょうど『成人前夜』から10年目の、3度目の日本武道館が、今、心の底から楽しみです。


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by musicorin-nirock | 2015-11-26 21:06 | COLUMN | Comments(0)

11/19 YUKI@日本武道館

千葉・東京・大阪で行われた『YUKI LIVE dance in a Circle '15 』。そのツアーファイナルである11月19日、日本武道館。開演時間の18時半から21時までの2時間半、アンコールなしで行われた怒涛のロングパフォーマンスは、YUKIの代表的なヒットソングのオンパレードで、どこを切り取ってもライヴのクライマックスを迎えているような、壮絶な盛り上がりを見せた。

JUDY AND MARY時代から20年以上女性ヴォーカリストの第一線に居続けているYUKIには、当然ながら、並々ならぬ苦労や努力がある。しかし、常に好奇心旺盛で、何事にも果敢に挑み、ひたすら目の前にいるオーディエンスを楽しませ、愛を歌い続ける姿からは一切、彼女の抱える苦悩など感じさせる余地がなかった。YUKIという楽器が鳴らす音楽は、人間の抱える痛みや悲しみを、そっと優しく包み込む。そして、「私がいるから大丈夫!」「私に付いて着て!」と、オーディエンスの手を取るようステージを展開していくのだ。

YUKIの描く音世界にはネガティヴは存在しない。多幸溢れる空間は、ワクワクする気持ちを思い起こさせ、日々、忙しく生活していると忘れがちなことに、たくさん気づかされていく。好きな人には「好き」ということ。大切な人を大切にすること。そして人を愛すること。YUKIは人が人らしく生きることを、もっと原始的な意味を含ませて、それが自分の使命であるかのごとく、私達に伝え続けていた。

最後の最後に“WAGON”を歌い切ったYUKIは必死で涙を抑えていた。かつて、コンディションが不安定で思うように声が出ない時期もあったが、この日は、私が知っている中でも、これまでのキャリアの中で一番最高の歌声だったのではないかと思った。また、堪えていた涙が突然あふれ出してしまったYUKIも、同じことを思っていたように感じている。

年齢を重ねていけば重ねたぶんだけ、自身の音楽への可能性を広げ、魅力が倍増しているYUKI。それは、自分に対しストイックに接し続けている成果であり、彼女がを成し遂げ続けていることは決して誰もができることではない。しかし、私が10代の頃から一番憧れているYUKIが今もなお、輝き続けていてくれることは、どんなことにも勝る大きな励ましだった。だから、YUKIを聴いていると、かの有名なクラークの言葉『Boys be ambitious』ならぬ『Girls be ambitious』という言葉が私の頭には浮かんでくるのだ。


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SET LIST
1 プリズム
2 ロックンロールスター
3 ふがいないや
4 JOY
5 誘惑してくれ
6 好きってなんだろう…涙
7 キスをしようしょ
8 ハローグッバイ
9 tonight
10 愛に生きて
11 COSMIC BOX
12 ドラマチック
13 Home Sweet Home
14 ハミングバード
15 ひみつ
16 恋愛模様
17 Hello!
18 星屑サンセット
19 Night & Day
20 ランデヴー
21 ワンダーライン
22 鳴いてる怪獣
23 歓びの種
24 WAGON



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by musicorin-nirock | 2015-11-22 17:30 | LIVE | Comments(2)

11/6 Nothing's Carved In Stone@ 豊洲PIT

Nothing's Carved In Stone(以下NCIS)が2015年8月にリリースしたアルバム『円環ーENCOREー』は、同年3月から3か月に渡り開催された、全6枚のオリジナルアルバムを全曲披露したライヴ『Monthly Live at QUATTRO』より、ファン投票で決められた上位17曲を収録するライヴアルバムだ。結果的にバンドの軌跡を辿る内容となっており、ファンと共に作り上げたベストアルバムと言っても良いだろう。そして11月6日、東京・豊洲PITで開催された『円環ーENCOREー』再現ライヴでは、加えて「シングルのc/wも全て演奏する」と事前にアナウンスがあった。つまりNCISは今年、これまでにリリースしてきた全曲を演奏することになった。結成7年目を総括する上でも、新境地を切り開いた7thアルバム『MAZE』制作の上でも、大きく関係しているこのアルバム。激動の2015年最後となるワンマンライヴに『円環ーENCOREー』再現ライヴを行うことは、彼らにとって大きな意味のある出来事だったに違いない。また、会場を訪れたオーディエンスにとっても特別な時間であったと思う。終演後、堂々とステージを成し遂げたメンバーの姿がいつも以上に眩しく、本当に素晴らしい夜だった。


***


ライヴは“Isolation”からスタートし、メンバーは期待溢れるフロアに牙を向け、勢い良く噛みついてきた。気迫のこもったバンドサウンドに煽られたオーディエンスが<Now is everything>とレスポンスをステージへ送ると、村松拓(Vo&G)は拍手で応える。そこに“ツバメクリムゾン”“Crystal Beat”と立て続けに投下され、バンドもフロアも共にヴォルテージが急上昇。そして、流れるような生形真一(G)のリフの裏でトビウオの様に日向秀和(B)のベースが飛び跳ね、大喜多崇規(Dr)が緻密なドラミングを披露した“The swim”。奔放に降り舞う3人が編み出すサウンドに乗る村松の伸びやかな歌声が、会場一面を駆け巡ると一気に開放感で溢れる。

「今日はみんなと一緒に作ったライヴだと思っているので、存分に楽しんで帰って行って下さい」と村松のMCが入ると、次々に曲を畳み掛けていく。しかし、ステージに立つメンバーは肩肘を張るわけでもなく、この時を楽しむことにフォーカスしているように見えた。そして、メンバーから真摯に受け止めようとするオーディエンスのエネルギーも凄まじい。大音量で響き渡るサウンドの中で互いに剥き出しになりながら、今日まで信じ合ってきたことを確かめ合う・・・そういった瞬間がライヴが行われた2時間半の間に何度も訪れることになる。後半のMCでは、ベストアルバムを出すことに自体あまり執着がなかったと漏らしていたが、一曲一曲投げかけるたびに沸き起こる大歓声と、渦巻き続けるフロアの熱量には、メンバー4人手ごたえを感じていたはずだ。

ライヴ中盤に差し掛かった頃には「Nothing's Carved In Stoneとは『何も彫られていない石』という意味。今日はそこに何かを刻み付けていって下さい」と村松が話し、その直後に始まった“村雨の中で”の新鮮な響きは、バンドマンとして生きる彼の姿と重なった。そして真っ赤なライトの下で情熱的に鳴らされた“Red Light”、青いレーザーを駆使したことで美しい音世界を描いた“BLUE SHADOW”と続き、“It means”のアコギの繊細な音色を合図に、ディープな場所へと引き連れていく。そこから“Diachronic”を皮切りに繰り広げられた壮大なステージは、オーディエンスの足元を明るく照らし出すよう、希望に満ちた、とても感動的な時間だった。

ライヴの後半戦には、お待ちかねのダンスタイム。“Idols”と”Spirit Inspiration”の投入で再びフロアの熱気が上昇する中、サイバー感たっぷりの“Out of Control”が激しく揺らし、ファン投票数ベスト1を獲得した“November 15th”では大漁のクラウドサーファーが出現する。スティックを片手にした大喜多の腕と、笑顔で体を揺らし続ける日向に合わせ盛大なハンドウェイブが広がる“きらめきの花”。この光景には何度も遭遇してきたが、やはり胸が熱くなる。そしてチカチカと光り続けるライトをバックに“Shimmer Song”のイントロが流れ出すと、私はあの日のことを思い出した。

5月14日『Monthly Live at QUATTRO 3×6=構築』のステージで、本編ラストの“Shimmer Song”を歌い始める前。村松はこう話したのだ。「俺達まだ全然、俺自身至らないところもあって。ロックバンドとして。もっと成長して、もっとみんなを遠くまで連れていけるように頑張ってるんで、付いて着てください。ありがとうございました」。メジャーからインディーへの移籍が発表されたばかりで、まだ吹っ切れていないものがあったのだろう。悔しさを隠しきれていない表情だったことを私は覚えている。しかし、この5月の出来事を境に確実にバンドはタフになり、急速な進化を遂げた。と同時にリスナーとの信頼も更に深まったことは、9月の発売された7thアルバム『MAZE』が一つの証拠でもある。私の目の前で一段と逞しく鳴り響いていた、“Shimmer Song”。<誰だってそうだろう/孤独な夜を超え/夢見て傷付いて/でも前を見る>と、眩いこの瞬間を歌い上げながら確かな未来を約束するのは、この逆境を乗り越えたNothing's Carved In Stoneそのものだった。彼らはいつだって、こうやって、夢を運び続けてくれるバンドなのだ。

アンコールで、来年5月15日に初の日比谷野外大音楽堂公演の開催が発表されると、この日一番大きな歓声が上がり、祝福感に満ちたフロアには”Around the Clock”が投下されライヴは無事終了。「気をつけて帰れよー!」と村松は笑顔で投げかけステージを去っていくが、この場を離れてしまうことを誰もが名残惜しみたくなるほどに、大きな余韻を残していた。

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SET LIST
1 Isolation
2 ツバメクリムゾン
3 Crystal Beat
4 The Swim
5 Brotherhood
6 Sands of Time
7 Lighthouse
8 Rendaman
9 Bone Age
10 GOD HAND GAME
11 村雨の中で
12 Red Light
13 BLUE SHADOW
14 It means
15 Diachronic
16 Sunday Morning Escape
17 Raining Ash
18 Idols
19 Spirit Inspiration
20 Out of Control
21 November 15th
22 きらめきの花
23 Shimmer Song

ENCORE
1 Chain Reaction
2 Inside Out
3 Around the Clock

以下、『Monthly Live at QUATTRO 』より


1×4=衝動 “November 15th”


2×5=感触 “Out of Control”


3×6=構築 “Brotherhood”



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by musicorin-nirock | 2015-11-18 21:14 | LIVE | Comments(0)

2015年参戦ライヴ総括① 『A Mirage In The Sun Tour 2015』 / MONOEYES

2015年はまだ続きますが、現時点での私的年間ベスト1ライヴを考てみました。

でも、ベスト1って選べなくないですか?

特に今年はライヴ遠征したことが大きいと思うのですが、何度も同じ曲を聴いているのに、その時その時で得る感動が違いました。アーティストのコンディション、集まったお客さん達のエネルギー、そして私自身のその時の心境等が作用して、私の頭のスケッチブックにはたくさんの落書きがいっぱい書き込んである。それをブログに残したり、Twitterでつぶやく訳ですが、後から振り返ってみると、こんなこと思っていたのか・・・と気付かされることばかり。ベタな事を言うようですが、ライヴってオンリー1ですよね。本当にお世辞抜きで、どのアーティストの、どのステージも(ワンマン、フェス全て含めて)素晴らしかったです。

でも、手元にあるライヴチケットを眺めていて「これこそプラチナチケットだ~!」と叫べるライヴが一本ありました。それが、8月4日渋谷CLUB QUATTROで開催されたMONOEYES「A Mirage In The Sun Tour 2015」です。


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どん!

ライヴ終わりに頬の筋肉が痛かった…そのれくらい笑いっぱなしのライヴは生まれて初めてでした。QUATTROってキャパ800人ほどなんだけど、それ以上集まっていたようにも見えて。当日はもう人でパンパン。私はフロントエリアに居なかったのに、汗が止まらぬ、もんの凄い熱気でした。

まず、スターウォーズのテーマソングに合わせてメンバーが登場してきた時点で大笑い(the HIATUSではあり得ないですよ、これ)すると1曲目から早々にフロアでは、モッシュとダイヴが始まったんですね。私は、ダイヴとか恐ろしくてしたことないのだけど「ここでダイヴしたら気持ちよさそう~」とライヴ中ずっと思っていましたね。そのくらい雰囲気が抜群に良くかったし、何より改めて細美武士(Vo&G)さんとリスナーとの熱い信頼関係を私は強く感じました。

***

私は今から3年前、the HIATUSと出合ったことで人生が大きく変わっていきました。今年は目立つ活動はなかったけれど、とても重要なバンドであることは今でも変わりないです。だから、今年の頭にMONOEYES始動の発表があって、メロディックパンクを全く通ってこなかった(ELLEGARDENもリアルタイムでは聴いていない)私が、彼らの曲をどう受け止めるのかは、曲を聴いて、実際にライヴに行くまでは自分でもわかりませんでした。

しかし、the HIATUSとはまた違った喜びがMONOEYESの世界にはありました。

とにかく、忘れかけていた「感覚」を思い出すんですね、MONOEYESを聴いていると。例えば、人の意見などによって心に掛けられてしまったフィルターが、彼らの音楽を聴いていると自然と消えて、目の前にある美しいのもに、心の底から感動できる感覚。とうの昔にも失ってしまったであろう「子供のような無垢な自分」が、MONOEYESを聴く度に、実はまだ心の中にいることに気付かされました。

なので、ライヴ中は笑っているんだけど、涙も止まらなくなるんですよね。ああもう、ずっと泣き笑い。

社会に出ると、だんだん色んなことを上手くやりこなせるようになってしまって。でもそれが、もう当然のことで、大人になるとは、そういうことなのかもしれないのですが・・・ただ、私はその方が生きやすいと感じていて、良い部分でもあると思うんです。と、同時にとても淋しい事実であるようにも感じます。

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最近ふと思ったことがあって。私がMONOEYESを聴いて気付いた「子供のような無垢な自分」が心の中に実はいることって、細美さん自身がずっと大切に守り続けているものなんじゃないのかなと。

だから、彼の作る音楽や行動に心動かされる人達がたくさんいるんじゃないでしょうか。




”Run Run”



”My Instant Song”



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by musicorin-nirock | 2015-11-10 21:42 | COLUMN | Comments(0)

2015年に良く聴いたアルバム②『MAZE』 / Nothing's Carved In Stone

(前回に引き続き、2015年に良く聴いたアルバムについて)

そしてもう一枚が、Nothing's Carved IN Stone(以下NICS)の『MAZE』。9月16日リリースなので、まだ手にしてから日が浅いですが、かなりの割合で聴いています。今回が彼らにとって7枚目のオリジナルアルバムです。今年はもう一枚ライヴ盤『円環ーENCOREー』もリリースしていますが、私はこの『MAZE』を押します。

今年の4月、彼らはメジャーレーベルから、かつて所属していたインディースレーベルへと移籍しました。『MAZE』はこの時期に制作されていた作品です。結成から7年という決して短くないキャリアで迎えたこの大きな転機は、正直複雑だったと思います。でも、だからこそ、「自分達が出来ることはなにか?大切にしたいことは何か?」ということをとことん考え作られたアルバムなのではないかと感じています。

NCISの性能の高いアンサンブルには、どこか人を寄せ付けない只ならぬオーラがあります。そして、ロックキッズ達は彼らのそういう部分に憧れ、ライヴ会場でモッシュやダイヴを起こすのだと思います。でも『MAZE』の場合、性能の高いアンサンブルはそのままだけど、リスナーに寄り添う逞しい言葉達と、今までの彼らにしたらタブーであった、ジャンルを超えた自由なアレンジが生んだ解放感が存在しています。この変化は、バンド結成当初には考えられなかったことなんじゃないかと思うのです。

10月8日、MAZE✕MAZE Tour 初日のZepp Tokyoのステージでひなっちさん(B)と拓さん(Vo&G)の会話で忘れられないのが「バンド結成7年目なのに高校生の部活みたいにナッシングスが楽しい」。これはバンドにとって本当に幸せなことだと思うし、その楽しさが私達リスナーにもガンガン伝わるライヴでした。

…でも、彼らが伝えたいことはそれだけではなかった。

アルバムタイトルの『MAZE』とは直訳すると「迷路」という意味です。私はこの『MAZE』とは「人生」のことを意図するのだと思いました。それが一番よくわかったのが拓さんの歌です。

音楽雑誌に掲載された彼のインタビューを読んでいて思ったけれど、拓さんはとても正直者で人情深い。今、彼の歌声にはそのキャラクターが活きているし、自分の言葉で伝えたいという想いがステージからダダ漏れでした。その想いとは、彼らは長い迷路の第一段階を突破することが出来たから、このアルバムを完成させることができた。そして付いてきてくれた大切なリスナーへの感謝とともに、リスナー1人1人の『MAZE』の伴走役には「俺たちがいる」ということ約束をしてくれたのだと思っています。


”YOUTH City”



”Milestone”
(この曲のイントロはいつ聴いてもやばい)

今年はワンマン・フェスを含めて定期的にNCISのライヴを観てきたのですが、8月8日に開催されたロッキンジャパンフェス2015のステージはえらい感動的でした。今思うと、あの時間は『MAZE』の序章だったのかもしれません。

MAZE

Nothing’s Carved In Stone/Dynamord Label

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by musicorin-nirock | 2015-11-08 10:18 | COLUMN | Comments(0)

2015年に良く聴いたアルバム①『Burning tree』 / GRAPEVINE

2015年も残すところあと二ヶ月を切りました。

私は今年、例年に比べてみると数多くのアーティストのCDを聴き、また近年気になっていたアーティストの過去のアルバムを徹底的に聴き倒す、そんな一年でありました。そこで、年間通して一番良く聴いていたアルバムを振り返ってみたのですが、これはもう間違いなくGRAPEVINEの『Burning tree』です。6月のツアーファイナルの後は他のバンドのリリースとライヴラッシュに伴いまして(笑)聴いてない期間もあったのですが、先日の日比谷野音後に『Burning tree』熱が再び上がってしまい、以来一日一回は聴いてます。

過去にリリースしてきたアルバムに青さを感じてしまうほど『Burning tree』の世界は異様に深く、大人でした。なので、初めて聴いた時の印象はまるで映画のように壮大なアルバムというものだったのですが、正直に話すと戸惑っていました。

オープニングの”Big tree song”のように、あたたかさと優しさが混ざり合う音の手触りは、彼らをあまり聴いたことがない人達もあれ?と興味が惹かれるような、今までのGRAPEVINEにはないカラフルな世界観です。でも、このアルバムは例えばフェスでウケるような外向きな曲と、じっくり聴かせる内向きな曲がはっきりしています。

その中でも、内向きな曲のリアルさに私はかなりショックを受けました。これは誰もが避けられない現実である「死」と「老いる」ことと真摯に向き合われた作品で「私の今の年齢でこのアルバムを理解することは難しいのかな」とか「どう受け止めたらいいのだろう?」と悩みながら聴いていました。そして、アルバムの本質をつかめないことがだんだん悔しくなってきて(笑)そこで改めて1stアルバムの『退屈の花』から最新の『Burning tree』まで、彼らの作品を遡って聴いてみることにしたんです。これが、なかなかの労力を必要とする作業…しかし「彼らが積み重ねてきた美学の最骨頂がこのアルバムなのだなあ」と全てを聴き終えようやく納得することができたし、発売からもう10ヶ月近く経っても、まだまだ新たな気づきがある…そんなアルバムです。

6月に行われたツアーファイナルを今振り返ってみても、MCもなく、アルバムとアルバムの世界観に通ずる曲で構成されたセットリストは本当に素晴らしかった。また、“IPA“や“サクリファイス“のように、音楽の中に救いを求めていく様はとても美しく、第一印象で受けた通りの、まるで映画を観ているようでした。何より、音楽への深い愛情と、自分達の作った音楽へのプライドを感じる時間でもありました。

また、ロックバンドが作ったアルバムではあるけれど、この領域はもう一つのアート作品と言える。こういうアルバムこそ「傑作」と呼ぶに相応しいのではないのかとも思います。

そうそう。アルバム1曲目の”Big tree song”は、ファッションブランドFRAPBOISの2015/16秋冬コレクションのイメージムービーに使われました。リミックスを担当されたのは高野寛さん(高野さんは、12月2日にリリースの新曲"EAST OF THE SUN / UNOMI"のプロデューサーを務められています)。



原曲よりもファンタスティックな世界が広がります。ライヴでは皆で♪どやさ~と歌ったり、まさかのハンドクラップが沸き起こったりとた、名場面もありましたね。


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by musicorin-nirock | 2015-11-07 10:25 | COLUMN | Comments(4)

10/24 GRAPEVINE @長野CLUB JUNK BOX -club circuit 2015-

まず、力を込めて伝えたいことは、田中和将の歌声が驚くほど素晴らしかった。1曲目の“なしくずしの愛”は、喉の奥から響かせる歌声がしなやかで、漂わせるダンディズムがオーディエンスを一気に酔わせてしまう。しかし、新緑を思わせるギターサウンドでフロアを染め上げた2曲目“夏の逆襲”では、透き通るような透明感ある声で<真実を可能にするのは>とリフレインさせる。丁寧に、そして表情豊かに曲を演出する、まだまだ可能性を秘めたその声に、開始早々私は感服してしまう。

9月に野外ライヴが開催された東京と大阪を抜かした、地方6都市を回るGRAPEVINE club circuit 2015(以下クラサー)。その4本目に当たる10月24日長野CLUB JUNK BOXで、いつものように、のっけから期待を超えるステージに私は動揺してしまったのだが、今夜の目玉は何といっても10月16日の深夜、突然配信された新曲“EVIL EYE”の生演奏だ。配信と同日に公開された、話題騒然のPVを再現するかのように、ステージが七色の照明に照らされ、ホテルの一室に仕立て上げられる。そして始まった“EVIL EYE”は、意外にもシンプルなロックンロールだった。持ち前のグルーヴを最大限に活かしたバンドサウンドが豪快に畳み掛け、田中は突っぱねた態度で歌う。サビではイービルポーズを決めた腕がじゃんじゃん上がり、フロアの熱気も最高潮。彼らのライヴで汗ばむ感覚が久しぶりで「なんだ、まだまだいけるじゃん」と思わずニヤついてしまった。

それもそのはず。今年の1月にリリースされた最新アルバム『Burning tree』は、年齢を重ねたことを強く意識した、田中のリアルな心情が綴られた作品である。彼らの描いた世界に、どこか重苦しさが否めない中でも、今回披露された全4曲(“Big tree song”“MAWATA”“KOL”“IPA”)はフェス等でも良く披露される外向きな選曲だった。その中でも『Burning tree』以前の曲とも見事に絡み合い、壮大な世界を描いていたのがアルバムの核とも言える曲“IPA”だった。“壁の星”“SEA”と続く前衛的な流れに寄り沿いながらイントロが鳴らされると、フロアは神聖な空気に包まれる。何より、5人のアンサンブルがいつになく力強かったのだ。響き渡る亀井亨のドラミングも、金戸覚が爪弾く低音も、高野勲の鍵盤も。円熟が滲み出る西川弘剛が奏でたギターソロには、溜息が出た。老いていく現実を目の前に、音に救いを求める耽美的な空間を創り上げたのが、6月のツアーファイナル。ところが、解放感とともに、現実を突き返すような田中の歌からは、彼らにとって既にそこは通過点でしかなくて、新たなモードに入ったことを予感させるものがあった。

このクラサーの楽しみの一つが、アルバムツアーやフェスでは滅多に披露されないレアな曲が聴けることだ。ライヴがクライマックスに向かう途中“100cc”(2001年発売のシングル“Our Song”のc/w)の登場には悲鳴にも近い大歓声が上がった。そしてこの曲がフックとなり、フロアの熱気が急上昇。田中が今にも泣き出しそうな顔で“その未来”を熱唱し、スケール感のあるバンドサウンドを響かせた“Glare”と続く。尋常ではないエモさが充満する会場は、かつてフロントエリアにモッシュが起きていたライヴの記憶と重なるものがあった。しかし、彼らが出したアンサーは<どこまでも先を描いてゆく(“風の歌”)>という確かな決意を誠実に聴かせ、ライヴを締め括ったのだ。そして、5人が立つステージには、若かりし時代さえ飲み込んでしまうほどの寛容な空気が溢れていた。

例えば、活動初期に発表した曲を発売から20年近く経った現在の彼らが演奏しても、何の違和感を感じないことがそうだが、そもそもGRAPEVINEとは早熟なバンドであった。そして、所謂音楽シーンから一線を引き、独自の世界観を築き上げた長い軌跡を振り返ってみると、この日私が見届けたGRAPEVINEの姿は、本人達が理想とするバンド像にかなり近いのではないかと思った。大胆に鳴らされ続けた成熟味のあるバンドサウンドに、何度も恍惚としてしまった約2時間。キャパ400人の小さなライヴハウスだからこそ味わえた臨場感も相まって、私は彼らの揺るぎないロックバンドへのロマンを強く感じたのだった。

追伸。『GRAPEVINE、秋の名曲選』と題されたアンコールは、あたたかなオレンジ色の照明に包み込まれた、秋実りを感じさせる、味わい深い時間だった。ラストの“ふれていたい”では「善光寺!」というコールが入り、翌日、善光寺に向かう道中のお供には、もちろん彼らを選んだ。

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(セットリストはこちらのサイトからどうぞ)



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by musicorin-nirock | 2015-11-04 21:53 | LIVE | Comments(0)

主にNICO Touches the Walls について書いておりますが、他にはGRAPEVINE と the HIATUS が好きです。記事の無断転載、引用はご遠慮ください。


by タナイユウ
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