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Nothing's Carved In Stone 『Existence』を聴いて


        

そもそもNothing's Carved In Stone は出発地点から当たり前のように「かっこいい」バンドだった。2008年に活動休止したELLEGARDENのギター・生形真一が始めた新バンド。ベースはストレイテナーの日向秀和、ドラムはFULLARMORの大喜多崇規という錚々たる面子に、その実力も窺える3人がバンドのフロントマンとして迎え入れたのがABSTRACT MASH(現在活動休止中)のヴォーカル・ギター村松拓である。
村松は一言で言うと、かなりのひょうきん者だ。しかし、一度ステージに上がるとボロボロと化けの皮がはがれ落ち、野心剥き出しの情熱的な歌声を放てば、ライヴ終盤を迎える頃になると、恐ろしいほど覚醒している男である。彼が生形・日向・大喜多に対しコンプレックスを持っていたことは、雑誌の個別インタビューで語られているが、今では彼の存在がバンドやリスナーに莫大な影響力を与えていることは言うまでも無い。

メジャーからインディーズへと返り咲いた2015年にリリースされた前作『MAZE』以降、NCISのバンドサウンドはやんちゃになった。とにかく自由奔放で、その姿はまさに破天荒な暴れ馬。そして今作『Existence』では更に個性が強くなった4者4様のプレイスタイルで、メンバーは容赦なく大爆走当たり前にのようにかっこいいバンドとしてNCISは誕生し、そのかっこよさは衰えることなく、バンドの進化とともに磨かれている。ところが「今のNCISは私達リスナーにある硬派なイメージを、自ら壊しにかかっているのではないか?」と『Existence』を初めて聴き終えた後、私はふと思ったのだ。

活動初期の頃は英語一辺の歌詞であったが、メンバーは日本語で歌詞を書き、村松が歌うようになった。そして、より人間味を帯びた楽曲が次々と誕生し(例えば”きらめきの花”という曲が生まれたことがそうだが)ライヴで観客とコミュニケートしていく中で、彼らにとって歌”の在り方が大きく変わった。『Existence』のラストにはゲストミュージシャンにヒイズミマサユ機(Key)を迎えたバラードナンバー”Adventures”が選ばれているのだが、理由はここに繋がるだろう。つまり今作『Existence』は明らかにNCISにとって大きな節目になるアルバムであり、また、バンド史上多彩な楽曲が揃っている視点からみると、NCIS自身が”Adventures”(冒険者)であり続けることを決意表明でもあるのだ。

今年でバンド結成9年目を迎えるが、いつだってエキサイティングなステージを展開し、胸の中にある熱を確かめさせてくれるNCISの核(コア)が『Existence』には詰まっている。ドクドクと鳴る4人の鼓動を是非手に取り、身体全部で感じて欲しい。

        


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by musicorin-nirock | 2017-02-25 21:12 | MUSIC | Comments(0)

11/6 Nothing's Carved In Stone@ 豊洲PIT

Nothing's Carved In Stone(以下NCIS)が2015年8月にリリースしたアルバム『円環ーENCOREー』は、同年3月から3か月に渡り開催された、全6枚のオリジナルアルバムを全曲披露したライヴ『Monthly Live at QUATTRO』より、ファン投票で決められた上位17曲を収録するライヴアルバムだ。結果的にバンドの軌跡を辿る内容となっており、ファンと共に作り上げたベストアルバムと言っても良いだろう。そして11月6日、東京・豊洲PITで開催された『円環ーENCOREー』再現ライヴでは、加えて「シングルのc/wも全て演奏する」と事前にアナウンスがあった。つまりNCISは今年、これまでにリリースしてきた全曲を演奏することになった。結成7年目を総括する上でも、新境地を切り開いた7thアルバム『MAZE』制作の上でも、大きく関係しているこのアルバム。激動の2015年最後となるワンマンライヴに『円環ーENCOREー』再現ライヴを行うことは、彼らにとって大きな意味のある出来事だったに違いない。また、会場を訪れたオーディエンスにとっても特別な時間であったと思う。終演後、堂々とステージを成し遂げたメンバーの姿がいつも以上に眩しく、本当に素晴らしい夜だった。


***


ライヴは“Isolation”からスタートし、メンバーは期待溢れるフロアに牙を向け、勢い良く噛みついてきた。気迫のこもったバンドサウンドに煽られたオーディエンスが<Now is everything>とレスポンスをステージへ送ると、村松拓(Vo&G)は拍手で応える。そこに“ツバメクリムゾン”“Crystal Beat”と立て続けに投下され、バンドもフロアも共にヴォルテージが急上昇。そして、流れるような生形真一(G)のリフの裏でトビウオの様に日向秀和(B)のベースが飛び跳ね、大喜多崇規(Dr)が緻密なドラミングを披露した“The swim”。奔放に降り舞う3人が編み出すサウンドに乗る村松の伸びやかな歌声が、会場一面を駆け巡ると一気に開放感で溢れる。

「今日はみんなと一緒に作ったライヴだと思っているので、存分に楽しんで帰って行って下さい」と村松のMCが入ると、次々に曲を畳み掛けていく。しかし、ステージに立つメンバーは肩肘を張るわけでもなく、この時を楽しむことにフォーカスしているように見えた。そして、メンバーから真摯に受け止めようとするオーディエンスのエネルギーも凄まじい。大音量で響き渡るサウンドの中で互いに剥き出しになりながら、今日まで信じ合ってきたことを確かめ合う・・・そういった瞬間がライヴが行われた2時間半の間に何度も訪れることになる。後半のMCでは、ベストアルバムを出すことに自体あまり執着がなかったと漏らしていたが、一曲一曲投げかけるたびに沸き起こる大歓声と、渦巻き続けるフロアの熱量には、メンバー4人手ごたえを感じていたはずだ。

ライヴ中盤に差し掛かった頃には「Nothing's Carved In Stoneとは『何も彫られていない石』という意味。今日はそこに何かを刻み付けていって下さい」と村松が話し、その直後に始まった“村雨の中で”の新鮮な響きは、バンドマンとして生きる彼の姿と重なった。そして真っ赤なライトの下で情熱的に鳴らされた“Red Light”、青いレーザーを駆使したことで美しい音世界を描いた“BLUE SHADOW”と続き、“It means”のアコギの繊細な音色を合図に、ディープな場所へと引き連れていく。そこから“Diachronic”を皮切りに繰り広げられた壮大なステージは、オーディエンスの足元を明るく照らし出すよう、希望に満ちた、とても感動的な時間だった。

ライヴの後半戦には、お待ちかねのダンスタイム。“Idols”と”Spirit Inspiration”の投入で再びフロアの熱気が上昇する中、サイバー感たっぷりの“Out of Control”が激しく揺らし、ファン投票数ベスト1を獲得した“November 15th”では大漁のクラウドサーファーが出現する。スティックを片手にした大喜多の腕と、笑顔で体を揺らし続ける日向に合わせ盛大なハンドウェイブが広がる“きらめきの花”。この光景には何度も遭遇してきたが、やはり胸が熱くなる。そしてチカチカと光り続けるライトをバックに“Shimmer Song”のイントロが流れ出すと、私はあの日のことを思い出した。

5月14日『Monthly Live at QUATTRO 3×6=構築』のステージで、本編ラストの“Shimmer Song”を歌い始める前。村松はこう話したのだ。「俺達まだ全然、俺自身至らないところもあって。ロックバンドとして。もっと成長して、もっとみんなを遠くまで連れていけるように頑張ってるんで、付いて着てください。ありがとうございました」。メジャーからインディーへの移籍が発表されたばかりで、まだ吹っ切れていないものがあったのだろう。悔しさを隠しきれていない表情だったことを私は覚えている。しかし、この5月の出来事を境に確実にバンドはタフになり、急速な進化を遂げた。と同時にリスナーとの信頼も更に深まったことは、9月の発売された7thアルバム『MAZE』が一つの証拠でもある。私の目の前で一段と逞しく鳴り響いていた、“Shimmer Song”。<誰だってそうだろう/孤独な夜を超え/夢見て傷付いて/でも前を見る>と、眩いこの瞬間を歌い上げながら確かな未来を約束するのは、この逆境を乗り越えたNothing's Carved In Stoneそのものだった。彼らはいつだって、こうやって、夢を運び続けてくれるバンドなのだ。

アンコールで、来年5月15日に初の日比谷野外大音楽堂公演の開催が発表されると、この日一番大きな歓声が上がり、祝福感に満ちたフロアには”Around the Clock”が投下されライヴは無事終了。「気をつけて帰れよー!」と村松は笑顔で投げかけステージを去っていくが、この場を離れてしまうことを誰もが名残惜しみたくなるほどに、大きな余韻を残していた。

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SET LIST
1 Isolation
2 ツバメクリムゾン
3 Crystal Beat
4 The Swim
5 Brotherhood
6 Sands of Time
7 Lighthouse
8 Rendaman
9 Bone Age
10 GOD HAND GAME
11 村雨の中で
12 Red Light
13 BLUE SHADOW
14 It means
15 Diachronic
16 Sunday Morning Escape
17 Raining Ash
18 Idols
19 Spirit Inspiration
20 Out of Control
21 November 15th
22 きらめきの花
23 Shimmer Song

ENCORE
1 Chain Reaction
2 Inside Out
3 Around the Clock

以下、『Monthly Live at QUATTRO 』より


1×4=衝動 “November 15th”


2×5=感触 “Out of Control”


3×6=構築 “Brotherhood”



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by musicorin-nirock | 2015-11-18 21:14 | LIVE | Comments(0)

2015年に良く聴いたアルバム②『MAZE』 / Nothing's Carved In Stone

(前回に引き続き、2015年に良く聴いたアルバムについて)

そしてもう一枚が、Nothing's Carved IN Stone(以下NICS)の『MAZE』。9月16日リリースなので、まだ手にしてから日が浅いですが、かなりの割合で聴いています。今回が彼らにとって7枚目のオリジナルアルバムです。今年はもう一枚ライヴ盤『円環ーENCOREー』もリリースしていますが、私はこの『MAZE』を押します。

今年の4月、彼らはメジャーレーベルから、かつて所属していたインディースレーベルへと移籍しました。『MAZE』はこの時期に制作されていた作品です。結成から7年という決して短くないキャリアで迎えたこの大きな転機は、正直複雑だったと思います。でも、だからこそ、「自分達が出来ることはなにか?大切にしたいことは何か?」ということをとことん考え作られたアルバムなのではないかと感じています。

NCISの性能の高いアンサンブルには、どこか人を寄せ付けない只ならぬオーラがあります。そして、ロックキッズ達は彼らのそういう部分に憧れ、ライヴ会場でモッシュやダイヴを起こすのだと思います。でも『MAZE』の場合、性能の高いアンサンブルはそのままだけど、リスナーに寄り添う逞しい言葉達と、今までの彼らにしたらタブーであった、ジャンルを超えた自由なアレンジが生んだ解放感が存在しています。この変化は、バンド結成当初には考えられなかったことなんじゃないかと思うのです。

10月8日、MAZE✕MAZE Tour 初日のZepp Tokyoのステージでひなっちさん(B)と拓さん(Vo&G)の会話で忘れられないのが「バンド結成7年目なのに高校生の部活みたいにナッシングスが楽しい」。これはバンドにとって本当に幸せなことだと思うし、その楽しさが私達リスナーにもガンガン伝わるライヴでした。

…でも、彼らが伝えたいことはそれだけではなかった。

アルバムタイトルの『MAZE』とは直訳すると「迷路」という意味です。私はこの『MAZE』とは「人生」のことを意図するのだと思いました。それが一番よくわかったのが拓さんの歌です。

音楽雑誌に掲載された彼のインタビューを読んでいて思ったけれど、拓さんはとても正直者で人情深い。今、彼の歌声にはそのキャラクターが活きているし、自分の言葉で伝えたいという想いがステージからダダ漏れでした。その想いとは、彼らは長い迷路の第一段階を突破することが出来たから、このアルバムを完成させることができた。そして付いてきてくれた大切なリスナーへの感謝とともに、リスナー1人1人の『MAZE』の伴走役には「俺たちがいる」ということ約束をしてくれたのだと思っています。


”YOUTH City”



”Milestone”
(この曲のイントロはいつ聴いてもやばい)

今年はワンマン・フェスを含めて定期的にNCISのライヴを観てきたのですが、8月8日に開催されたロッキンジャパンフェス2015のステージはえらい感動的でした。今思うと、あの時間は『MAZE』の序章だったのかもしれません。

MAZE

Nothing’s Carved In Stone/Dynamord Label

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by musicorin-nirock | 2015-11-08 10:18 | COLUMN | Comments(0)

5/14 Nothing's Carved In Stone @ 渋谷CLUB QUATTRO

3月から始まったMonthly Live at QUATTROもいよいよ最終節。そのVol.3は“3✕6=構築”。インディースからメジャーデビューへの架け橋となった3rdアルバム『echo』と、オリコン10位という記録を叩きだし、実質上メジャー最後の作品となった6thアルバム『Strangers In Heaven』という、Nothing's Carved In Stone(以下NCIS)の歴史を大きく“構築”した2枚が再現される。

開演前から熱気が高まる中、『echo』のオープニングを飾る“Material Echo”をSEにメンバーが登場。歓声と共にオーディエンスがステージへと押し寄せる最中、生形真一(G)のエッジィなエレキギターが鳴り響き“Truth”、そして“Spiralbreak”と連打。まるで牙を向けた蛇の様に野性剥き出しでメンバーはオーディエンスに食って掛かり、続いて『Strangers In Heaven』から“What's My Satisfaction”を投下する。大喜多崇規(Dr)と日向秀和(B)が絡み合うタイトなビートがフロアを激しく揺らし、オーディエンスの熱量は既に沸点超えていた。爆発的な盛り上がりを見せる中、オレンジと白いライトに照らされ始まった“Brotherhood”。サビではたくさんの手がフロアから上がり、熱気まみれのQUATTROが音の光で包まれていく。

「お前らと同じように今日を楽しみに待っていました。開放していこう」などと村松拓(Vo&G)が手短くMCを済ませると、がっちりと骨組みされた屈強のバンドサウンドで4人は暴れ馬のようにかけずり回る。一件反発し合っているように聞こえる生形と日向のフレーズがばしっと型にはまったアンサンブルが見事だった“Falling Pieces”から始まり、生形のキレッキレのギターリフが全力全開となった“Crying Skull”、ラテン系のリズムに大喜多の持ち前のダイナミズムが投入された“(as if it's)A Warning”で、フロアは一気にダンスホールに。逆風を跳ね飛ばす勢いで怒涛の展開を繰り広げ、ここでブレイクのように挟まれたのが、ミドルバラード“Goodnight & Goodluck”。ハンドマイク姿となった村松の逞しく優しい歌声が響き渡り、表現者としての華々しい存在感を放つ。しかし、気迫のこもった表情で“雪渓にて”を熱唱する村松は、いつもの彼とはどこか違っていた。

今回再現された2枚のアルバムの一枚である『Strangers In Heaven』は、聴き手と共鳴し合える歌詞、開放感に溢れたサウンド、そして“ダンス”の要素もプラスされた、一体感を強く味わえる作品となっている。逆に『echo』は、“己”に向けて歌われた曲が多い。自分と対峙し、孤独と闘い、抑えきれない怒りに突き動かされる衝動が、ヘビィなサウンドと共に人間の内側に深く沈み込ませていく。この日ライヴ中盤のMCで村松は、「最近、己がふらついている」と曝け出し、その直後の“9 Beat”から『echo』収録曲が続いた。ラウドで情熱的なサウンドをバックに<生まれ続けてる/摩擦が頬を削いでいく/それが辛いって隠せずに言うなら/You are doubt>と、生々しい感情が感情のまま声となる。しかし、彼は感情を爆発させていたわけではなく、自分の中で起きた事実を冷静に受け止め、真摯にオーディエンスと向き合い続けていた印象を私は強く持った。

幻想的な“キマイラの夜”からインストナンバー“7th floor”へ流れ込み、勢い良く放たれた“ツバメクリムゾン”でフロアは開放されていく。溢れんばかりの高揚感と多幸感。そこに間髪入れず、歪む日向のベースが唸る“TRANS.A.M”で畳み掛け、ラストスパートをかけるようにNCIS流ダンスロックの要“Idols”を投下。再び始まるダンスタイムに揺れるフロア、蒸されるQUATTRO。

そして、“Intro”が流れる中を、精悍な顔つきで村松は話し始めた。「俺たち全然…まだ俺自身、至らないところもあって、ロックバンドとして。もっと成長して、もっとみんなを遠くまで連れて行けように頑張ってるんで、付いて来て下さい。ありがとうございました。Nothing's Carved In Stoneでした」。柔らかなギターのイントロが、ゆらゆらと揺れる陽炎を思い描く“Shimmer Song”。<そこに情熱を築いていて/いくつもの矛盾と対峙して/きっと自由を求めていて/陽炎は希望を燃やしている>。放たれる言葉一つ、どれをとっても、今の彼の気持ち全てを代弁していたと思う。表も裏もない感じさせない歌声は、彼がとことん正直者であることを証明し、バンドマンとして抱え続ける情熱と新たな決意がミックスされ、今まで聴いてきた中でも一番感動的な“Shimmer Song”だった。

本編ラスト“To Where My Shoe Points”で、村松はフロア全体を眺めながら、1人1人の表情をしっかりと確かめていた。メンバー4人、全てを出し切り、逞しいサウンドでエモーショナルな空気にフロア包み込むと一旦ステージを引き下がった。

アンコールを求める鳴り止まない拍手の裏では“Chain reaction”のイントロが流れ続け、真っ白なライトに照らされる中、再びメンバーが登場する。“Chain reaction”の後のMCは人間ドックの話題になったりと、笑いの絶えない和やかな時間だった。そして、アンコールラストは“False Alarm”でライヴは無事に終演。しかし、先日、村松のブログにてレーベル移籍の発表があり、今年の4月よりメジャーからインディーズへ返り咲いたのだが、この件についてMCでは一切触れることはなかった。ただ、煮え切らない気持ちであることは、前述しているMCや村松の歌声、そして4人のバンドサウンドから胸に迫る勢いで伝わり、こんなにも生々しいNCISのライヴを体感したのは初めてだった。

個人的な事を最後に記すならば、NCISはやはりライヴバンドである。ライヴを体感してからこそ、彼らの本物の格好良さがわかる。生形、日向、大喜多という最強のプレイヤー達の名演は耳だけではなく、その姿を目で見たことで改めで本物であることが理解できたし、それは、言うまでもなく村松のヴォーカルもだ。彼の歌唱はデビュー当時と比べかなり大きな変化を遂げ現在も進行中であり、彼が覚醒していく様を、この“3✕6=構築”で私は見届けたような気がしているし、私の彼らへの期待は強まるばかりだ。

この、3カ月に渡り行われたMonthly Live at QUATTROは、リスナーの投票により8月にライヴアルバムとしてリリースされ、再現ライヴも開催されることが既に告知されている。2008年のバンド始動からの集大成であると共に、NCISのライヴでしか味わえない臨場感が大いに詰め込まれた一枚になるだろう。



set list
1 Material Echo
2 Truth
3 Spiralbreak
4 What's My Satisfaction
5 Brotherhood
6 Falling Pieces
7 Crying Skull
8 (as if it's)A Warning
9 Goodnight & Goodluck
10 雪渓にて
11 9 Beat
12 Midnight Train
13 Everlasting Youth
14 Seasons of Me
15 My Ground
16 キマイラの夜
17 7th Floor
18 ツバメクリムゾン
19 TRANS.A.M
20 Idols
21 Intro
22 Shimmer Song
23 To Where My Shoe Points

encore
1 Chain reaction
2 False Alarm

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by musicorin-nirock | 2015-05-24 22:04 | LIVE

4/8 Nothing's Carved In Stone @渋谷CLUB QUATTRO

Monthly Live at QUATTRO Vol.2 “2×5=感触”

2015年3月より3カ月間に渡り開催されている『Monthly Live at QUATTRO』。Nothing's Carved In Stone (以下NCIS)がリリースしてきたアルバム6枚のうち2枚つづ、全曲披露してしまうというプレミアムなライヴである。3月10日に行われたVol.1“1×4=衝動”では、1st album『PARALLEL LIVES』と4th album『Silver Sun』が。そして迎えた4月8日のVol.2は、2nd album『Sands of Time』と5th album『REVOLT』が選ばれ、ライヴのタイトルは“2×5=感触”。

ライヴ終盤に差し掛かった頃「“2×5=感触”、かなり好感触じゃない?」と大満足な笑みで話した村松拓(Vo&G)の言葉があったが、彼の言葉以上の夜だった。約2時間という短い時間で彼らバンドマンとしての生き様を見せつけ、目の前にいる全てのオーディエンスに勇気を与えたであろう、最高にドラマチックなライヴだったのだ。

“Song for an Assassin”をSEにメンバーが登場し、生形真一(G)のメタリックなイントロで始まった“Assassin”。フロアを覆う期待感を優しく抑え、じわじわとゆっくり熱を上げたところで、“Chaotic Imagination”を潔く投下。こちらは2nd album『Sands of Time』の1曲目であり、長年のファンにとってはいきなりの嬉しいセレクトに歓声が上がる。ヴィンテージ感漂うギターが鳴り響くと、村松の「踊ろうぜ!」の掛け声と共に“Out of Control”を持ってきた。突き上げる鼓動のようなビートを叩き出す大喜多崇規(Dr)と全身を使いグルーヴを産み出す日向秀和(B)という鉄壁のリズム隊がフロアを揺らし、泣く子も黙るであろう生形の凄まじいギターソロ、そして深みのある力強い歌声を放つ村松に煽られ、既に最高潮の盛り上がり!でもこれはまだ序の口だった。ここからは、NCISの核へと迫って行く。

ライヴ中MCはほぼなく、曲間をインストゥルメンタルで繋ぎながら進められて行った。絡みつく生形のギターが印象的だった“Cold Reason”、大喜多の見事なドラミングが全身に衝撃を与えた“ Rendaman”と、厳ついゴッツゴツのバンドアンサンブルは、今の音楽シーンに於けるNCISの在り方そのものだった。時代に媚びることなく自らが信じ続けてきたロックをかき鳴らすNCISの姿勢。それを保ちながら今日まで突き進んできた事実が、2枚のアルバムの楽曲を並べて聴くことで良くわかる。最近の楽曲の傾向ではダンスとロックを融合させ、四つ打ちを取り入れた作品もリリースしており、「初期の頃の作品が好きだ」という声を耳にすることもある。しかし、あくまでもそれはバンドをより進化させるための手段。彼らの根っこの部分は(当たり前だが)何一つ変わっていないのだ。

熱狂するフロアが静寂を取り戻していったのは、“Memento”から“Palm”へ緩やかに流れた時。村松の男らしさの中にある優しさが声となり、ライヴハウスに響かせる。情緒的に歌い上げた“朱い群青”には胸が熱くなり、何度も涙を拭った。そして、まるで窓から差し込む朝日のように、音の光で包み込んだ“Sunday Morning Escape”。心の奥深い場所にまで届くNCISのサウンドは、生半可なものではないことを、フロアいっぱいに満ち溢れる多幸感がはっきりと証明していたと思う。

「今日のライヴが、楽しみで楽しみで、仕方なかったんだよー!」と突然たっきゅん節(注:たっきゅんとは村松の愛称)が炸裂する中始まった“Bog”。しかし、ハンドマイク姿で歌い始めると、とてつもないカリスマ性を放つヴォーカリストと化し、サビではオーディエンス一体となってジャンプ!ここで生まれた一体感を保ったまま、エンディングにかけてバンドは更に加速する。MCを挟み「待ってました!」と言わんばかりの、大大大歓声がフロアから湧き起こったのは“Sands of Time”。続いて“The Fool”“You're in Motion”では、メンバー四人互いの情熱をぶつけ合うような熱いプレイが繰り広げられていく。その勢いで“Around the Clock”を投下!彼らのライヴではもう「限界」という言葉が存在しないのではないか?と言い切っても良い程にメンバーとオーディエンスが一体となり、大盛況の盛り上がりだった。

その勢いが冷めやらぬまま、大喜多の安定感あるビートに乗せて“きらめきの花”が披露される。<灰色の日々を過ごした僕らは 希望をもった音に救われて>と、村松は両手を広げ、あたかも自分達の事であると言う様に歌えば、サビでフロア一面に上がる手がゆらゆら左右に揺れた時には、日向も一緒に全身揺らし笑顔でベースを弾く。僕らが音に救わたれて来たように、NCISはいつもあなたの側にいるーーー彼らはこうしてリスナーとの距離をぐっと縮めてきたのだろうと、再び胸が熱くなるばかりだった。そして、“村雨の中で”で本編はフィナーレを迎え、メンバーが一度ステージから引き下がった。フロアには彼らが残した情熱と歓喜が途切れることなく充満し、アンコールの拍手が鳴らされる。

暴れ足りないオーディエンスに向けて放たれたアンコール1曲目は爽快感溢れる“The Swim”だった。その後のMCでは緊張の糸が切れたのか村松はしゃべり倒し、生形やマイクレスの日向にも無理矢理話させようとする。最近NCISの4人はそれぞれマイ・イヤーモニター(通称イヤモニ)を作り、日向と大喜多は初めて装着してライヴに臨んだのだが、生形が「付けようとしたら、22歳の年下のローディーから「うぶさんは着けちゃいけません!」と阻止された」というエピソードを悔しそうに暴露。まるで公開打ち上げの様な雰囲気だったが、「後ろを振り返らずにやってきた」と話した彼の言葉には感慨深いものがあった。今年で結成7年目のNCIS。メンバー全員、 既に卓越した技術を持ち合わせながらも、さらに新しいものを生み出そうとするバイタリティに溢れているのは、一人一人の背景には様々な物語があるからだ。そして今、彼らは日本の音楽シーンに深い傷跡を残そうとしている。アンコールラストに披露された“Pendulum”が全23曲のどの曲よりも輝かしく、ドラマチックに聴こえた理由は、きっとそのせいだろう。また、現在制作中である新曲のイントロ部分だけ披露されたが、これがとてもかっこ良く、「2015年もNCISについて行けば間違いなし!」という太鼓判を押されたような夜だった。

なお、来月5月14日にはVol.3“3×6=構築”が開催される。個人的にはNCISと出合ったアルバムである6th album『Strangers In Heaven』と3rd album『echo』が披露されるということで、どうしても行きたかったライヴである。開催まであと一ヶ月、今から非常に楽しみだ。


set List
1 Song for an Assassin
2 Assassin
3 Chaotic Imagination
4 Out of Control
5 Sick
6 Cold Reason
7 Rendaman
8 Predestined Lovers
9 Memento
10 Palm
11 朱い群青
12 Sunday Morning Escape
13 Slow Down
14 Bog
15 Sands of Time
16 The Fool
17 You're in Motion
18 Around the Clock
19 きらめきの花
20 村雨の中で

encore
1 The Swim
2 新曲(イントロのみ)
3 Pendulum

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by musicorin-nirock | 2015-04-12 11:30 | LIVE

“Gravity” / Nothing's Carved In Stone



Nothing's Carved In Stone、2015年第一弾シングル『Gravity』。前回のブログに書いた、LIVE DVD『No Longer Stranger』と同日にリリース、かつ、実際に「ツアーの合間を縫って制作」されていたと、あるラジオインタビューで生形(G)が答えていたとおり、ライヴのエネルギーがそのままギュッと詰め込まれた一枚だ。

イントロの歪むベースの上で繰り返される繊細なアコギのフレーズ。堅固なリズムに合わせ、流れるようなハイトーンヴォイスのサビ。彼らが創ったスペーシーな空間には「美しさ」と「激しさ」が混同し、限界点に達したときにようやく手に入れる事ができた美学と言い切ってもいいほどに、かなりストイックに突き詰めた感がある。

また、2曲目の『GOD HAND GAME』は、かなり凝ったアレンジが施され、予想できない展開にかなり驚かされる。躍動感のあるドラムが印象的なBメロが、3パターン目でストリングスに包み込まれるなど、実にドラマティックであり、ロマンが感じられる。

初回限定盤にはライヴ音源が入っており、この楽曲が生み出された“ヒント”が見つかるかもしれない。

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by musicorin-nirock | 2015-01-24 22:43 | MUSIC

“ No Longer Strangers” / Nothing's Carved In Stone

Nothing's Carved In Stone(以下NCIS)の6th アルバム『Strangers In Heaven』を引っ掲げ、昨年行われたツアー「Strangers In Heaven Tour」 。こちらのツアー・セミファイナルの映像が1月14日、LIVE DVDとしてリリースされた。

紗幕越しに始まる“キマイラの夜”から“7th Floor” にかけて、打ち込みとシンセを使ったデジタルな音像が神秘的な空気で包み込むが、ドラムカウントが入り始まる“ツバメクリムゾン”のイントロで漂う緊張が一気に緩和。ヴォーカル・ギター村松拓の「行こうぜ!」という掛け声がオーディエンスをさらに沸き立て、湧き上がる大歓声とハンドクラップ。そして、オーディエンス一人一人の気持ちに応えていくよう、”踊るロック”ナンバーがガツンガツンと投下される。上がり続けるフロアの熱量が画面を飛び越えダイレクトに伝わり、しかもその熱量というものが、このライヴのエンディングまでキープではなく、上がりっぱなしなのだから、凄い。

容赦を知らない4人の姿をまじまじと見ていると、正に“実力派プレイヤー集団”としか言いようがないのだ。安定感をキープしつつタイトなビートを刻み続け、NCISのダイナミクスの鍵を握るのがドラムス・大喜多崇規。ファニーなプレイスタイルでフロアの盛り上げ役に徹しつつも、常に攻撃的に弦を弾くベース・日向秀和。時に繊細に、時にエッジィに。魔術師のよう自由自在にギターを操り音を鳴らし続ける生形真一。そして、ライヴが進むに連れ、力強さがぐんぐん増す村松のヴォーカル。(彼はヴォーカリストとしてさらに開花し続けるであろう、可能性を秘めている気がしてならない)。火花を散らすかのように激しくぶつかり合い、4人が起こす化学反応はぐらぐらフロアを震わし、圧巻のステージを繰り広げていく。

このアルバム『Strangers In Heaven』は昨年8月にリリースされ、オリコン10位という記録を出した。つまり、多くの音楽ファンが手に取ったアルバムであり、「Nothing's Carved In Stone」というバンド名がたくさんの人の目に触れた事が自動的に証明される。2014年はメンバーにとって、例年以上に濃厚な一年であったに違いないし、だからか、ラストの村松のMCでファンへの感謝の言葉をストレートに伝える姿と、彼の言葉を聴く3人の「達成感」がにじみ出ている表情に、グッとくるものがある。
そして、ラストの“Shimmer Song”で<誰だってそうだろう/孤独な夜を越え/夢見て傷ついて/でも前を見る>と語りかける彼らの説得力。確実に手ごたえを感じているからこそ生まれた自信が、NCISの音に強く根付いているのだ。

このライヴは、バンド結成から現在まで集大成に当たるだろう。私自身、
飽きることなく何度も見続けてしまっている、本当に素晴らしい映像だ。Nothing's Carved In Stone。2015年もますます目が離せないバンド。彼らの音が大きなステージで鳴り響く、今年はそんな夏を迎えられそうだ。

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by musicorin-nirock | 2015-01-23 21:43 | LIVE DVD

Strangers In Heaven / Nothing's Carved In Stone




筋肉質な大喜多のドラムと日向の強いフィンガーピッキングが絡み合う鉄壁ビートに、圧倒的な存在感でメタリックな音を放つ生形のギター。そして真っ直ぐ胸に響く村松の声。
4つの強い個性が張り合わずにバランス良くミックスされ、更に交じり合うプログラミングで音のダイナミクスを追求した一枚。
Introから続く爽快で迷いのない言葉が綴られた「Shimmer Song」を始め、誰もが「良い歌」と唸るであろう強いメロディが与えるエモーション。しかし、アルバムの中盤から後半ににかけては、刺激的かつ重圧なバンドサウンドでスピーカー越しにリスナーを煽る。
そして、彼らが貫く硬派な姿勢からは、バンドを続け得た手応えとぶれない強さが感じられる。

Strangers In Heaven

Nothing's Carved In Stone/ERJ

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by musicorin-nirock | 2014-11-19 22:00 | MUSIC

主にNICO Touches the Walls について書いておりますが、他にはGRAPEVINE と the HIATUS が好きです。記事の無断転載、引用はご遠慮ください。


by タナイユウ
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