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1125/2016

NICO Touches the Wallsが毎年11月25日に開催している「1125(イイニコ)の日ライヴ」(以下1125)。その去年の1125について書いたブログが未だに読まれているようで「ライヴレポか?」と期待して訪れて頂いた方、去年私はチケット取れない組でした。今更ながらすいません。

さて今年の1125のテーマは、インディーズ時代にリリースされた2枚のミニアルバム『Walls Is Beginning』通称青盤と『runova×handover』通称赤盤を再解釈。青盤に収録された曲は近年のライヴでも披露されることは割とあったけれど、赤盤に関してはライヴで聴いたことない曲が後追いリスナーの私にとっては半分以上。それでも、この2枚、特に赤盤はNICOのアルバムの中で一番好きです。良いんですよ、ロックンロールにメッセージなんて無くて。とにかくヒリヒリしていて、自墜落で排他的なNICO。最高じゃないですか。ただ、当時のライヴ映像を観ていると、メンバー皆、なんだがとっても背伸びしてるように見える。

MUSICA最新号に掲載されているVo&G光村龍哉による単独インタビューで、彼は今、自分ベースで音楽を続ける重要性を感じ、その意志を力強く述べています。『今の俺は、自分が作った曲を自分で聴いて楽しくなりたいんですよね』と。しかも昔の曲を演奏すると疲れてしまうという本音まで。なのに、今回の1125は青盤と赤盤の再現。1125はファン感謝祭でもあるので、今もなお人気のある2枚のアルバムを演奏してくれる、その気持ちに応えてくれた想いはありがたく受け取りたい。でも、本当にそれで良いの?

NICOほど原点と向き合い続けてきたバンドを私は知りません。ロックバンドがロマンを描けるのは、様々な過去を乗り越えていくために、後ろを振り返らず、突き進んで行くから。だけどNICOはちょっと特異で。彼らは原点、つまり過去を見つめ直さないと、前に進むことは出来なかった。なぜなら、若くして飛び出してしまった大舞台以降、茨の道を歩むことになってしまったから。そんな自分達の過去を、なかなか受け入れる事ができなかったから。彼らは後ろを見つめながらがむしゃらに進むしかなかった。そして今、そこからやっと解放されたのだから、もっと自由に、バンドの現在地を大いに鳴らしていくべきなのでは?

…という気持ち悪い想いを抱えたままで25日迎えても仕方ないから、2枚のアルバムを冷静に聴いてみたり、光村のブログを遡って読んでみたり。そして見えてきたことがあります。

今年2016年は、青盤と赤盤のリリースから10年目。そんな記念すべき年に開催される1125は、その節目を持って「バンドの原点を見つめ直す」という意味合いだけでは無いんじゃないかと。私が今回のライヴで一番重要だと思うのは「2枚のアルバムの融合から成る世界を完成させる」こと。さらに突っ込んで考えていくと、年始に光村がTwitterで「いつかやりたい!」と呟いていたロックオペラの存在が、ほんやりと浮かび上がる。

時間があったら2004年~2006年あたりの光村のブログを、1125に行かれるまでに読んでみたら、今回のライヴかなり楽しめると思います。アルバムの歌詞が当時の彼の頭の中、そのままです。だけどされど10年。演奏技術、歌唱力、表現力、ミュージシャンとしての自我の芽生え、そして20代から30代を迎えたことからの精神的な成長などが確実に+αされ、しかも楽曲の傾向からして実にアーティスティックな時間に、今年の1125、なると思います。

これはあくまでも私個人の推測です。聴く人によっては思い出深い曲が始まれば懐かしい気持ちが生まれるだろうし、きっと今回のテーマ決定の意図もMCで話してくれるだろう。何よりライヴが真実なので、あまり強気に発言はできないけれど…。

NICOには本当に振り回されているなと思うし、それがこのバンドの面白さなのかな。ただもう最近は、昔のNICOが良いとか今のNICOが良いとか天秤に掛けていること自体がナンセンスだと感じていて。どちらにせよ、既存曲のライヴとは言え、新たな出会いになるかもしれない。

当日、遅刻だけはしないようにします。と言うことで、1125まであと3日。


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by musicorin-nirock | 2016-11-22 21:34 | MUSIC | Comments(0)

10/4 NICO Touches the Walls @豊洲PIT「『弱虫のロック論2(仮)』リリースパーティ」





今から2年前、2014年の2月。NICO Touches the Wallsは東京・原宿にあるギャラリーを貸し切り、篭城型ライヴ『カベニミミ』を敢行した。1ヶ月間週5でステージに立つという前代未聞の挑戦。そして、同時期にリリースされたベストアルバムに収録され、翌月シングルとしてもリリースされたのが「ローハイド」という曲である。

この曲の主人公はNICO Touches the Walls自身だ。

自ら嵐に打たれに出掛けていったような日々を<駆け抜けろ>と歌い、後に二度目となる日本武道館公演のリベンジを果たし、大きな飛躍を遂げることになるニコの濃厚な物語のはじまりの歌でもある。

10月4日、音楽評論家・平山雄一氏が自身の著書の発売を記念し東京・豊洲PITで開催された『「弱虫のロック論2(仮)」リリースパーティ』で1曲目にニコが演奏した曲は「ローハイド」。それは原曲とは一味も二味も違う、素晴らしいアレンジが施されていた。

荒野に吹く風らしき音を流しながら、荒いアコースティックギターを掻き鳴らし、光村龍哉(Vo&G)は歌い始めた。抱える不安や孤独感を、ただ吐き出すように歌うのではなくて、真摯に向き合い受け止めていくような逞しい歌声だ。サビに近づくとダンダンダンダンと力強くバスドラが響き渡り、その歌声は勢いを加速させた。

  駆け抜けろ この荒野 
  独裁者 俺を解き放てばいいさ
  準備オーライ? 準備オーライ?
  ろくでもない やんちゃな夢 追いかけたい

  準備オーライ 準備オーライ
  いざローハイド

1番が終わるタイミングで、耳なじみのある煌びやかなギターのイントロが始まる。瞬く間にフロアに広がる多幸感。音の光の中へと吸い込まれて行くオーディエンス。私の目の前には、とても美しい景色が広がっていた。

曲を明暗に分けた今回のアレンジには、強い訴求力があった。
何より、バンドの軌跡の裏側にあるものを隠そうとはしないニコの姿勢から、彼らの本質を見た気がした。

***

振り返ってみれば、「ローハイド」をリリースしたばかりのニコはただの弱虫だった。

先に述べた『カベニミミ』も、若さと勢いがあったからこそやり通せたもので、精神的・肉体的な疲労やストレスを考えれば、誰もが無謀だと言う挑戦だ。しかし、なんとしても当時の現状からニコは脱却したかったのだろう。『カベニミミ』が、バンドをさらにタフにしたことは事実であるが、敢行する決断の裏側には、大きな危機感もあったのではないかと思う。その後も相変わらず遠回りを繰り返していたが、その分何度も脱皮できたからこそ、楽しさと、ロックバンドとしての説得力を感じさせるライヴができるようになった。そして、ニコの音楽が確実にリスナーの心を掴み、生きる希望や勇気を与える存在へと成長していることは、最新アルバム『勇気も愛もないなんて』や、シングル「ストラト」を聴けば、一目瞭然である。

私は『「弱虫のロック論2(仮)」リリースパーティ』というイベントタイトルを見た時に、ニコがこのイベントに呼ばれたことと(大袈裟ではあるが)良い意味で運命的なものを感じた。その時はただ、決定的なものを掴んだわけではなくて、ぼんやりとそう感じていただけなのだが、この「ローハイド」を聴いた時に確かな理由が見えてきた。弱虫の決断は、バンドの運命を変えた。そして彼らの音楽は、リスナーの日常に光を照らし続けている。これは、弱虫が手に入れた最大の強みであり、ロックバンドとしての然るべき姿だ。

また、この日は暫くライヴで披露されていない、活動初期の楽曲も披露された。スタイリッシュなギターのカッティングをフックとなり、ゴリっとしたの低音が絡む都会的なグルーヴで沸かせた「anytime,anywhere」や、素朴な言葉を光村が色っぽく歌い上げた「梨の花」など。聴いていると、メンバーの20代前半だった頃の姿と重なり合う瞬間もあったが、ステージに立っていたのは音楽とフラットに向き合う姿が自然体なグルーヴを生む30代のニコだった。

残念ながらイベントの途中で私は離脱せざるを得なかったのだが、また来月、年に一度のあのお祭りでニコと再会したい。そして、新たな季節が訪れているニコを、これからも見届けていきたいと思う。


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by musicorin-nirock | 2016-10-06 21:48 | LIVE | Comments(0)

1/8 NICO Touches the Walls LIVE SPECIAL 2016 ”渦と渦~東の渦“@ 日本武道館

     
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2006年1月8日、NICO Touches the Wallsは東京・下北沢にあるライブハウス「下北沢club 251」にて初めてのワンマンライヴ『成人前夜』を開催した。その日、集まったお客さんは264人。それから10年後の2016年1月8日、彼らが立つステージは3度目の日本武道館だ。過去2回の武道館公演『チャレンジ』と『リベンジ』を経て、集まった約8,000人のオーディエンスを目の前に掲げたテーマは『アレンジ』。「武道館を俺達色にアレンジしてやります!」と冒頭のMCで意気込む光村龍哉(Vo&G)の言葉のとおり、鳴らされるバンドサウンドと共にこだわり抜かれた映像や照明を駆使しながら、一曲一曲の背景を描く。結果的に、武道館は彼ら一色に染め上げられてしまい、まるで『NICO Touches the Walls』という一本の映画を観ているような、とても丁寧なライヴだった。何よりこの『アレンジ』こそ今ではNICOの個性でもあるが、ほぼ原曲に近いままで披露された曲も一層の輝きを放っていたのは、ここ数年間の活動による精神的な成長が大きく関わっているからだろう。

また、11月に右手を負傷した古村大介(G)の復活ライヴでもあった今回の武道館。ステージの上は無事4人で立てたことへの安堵に溢れ、メンバー間で目配せし合う場面も通常より気持ち多かったように思う。逆に、どことなく伝わる緊張感も、NICOがこの4人でなくてはならない理由の一つなのだと実感した。MCで『成人前夜』から10年経ち、今武道館に立てていることを振り返りながら笑顔で「続けてきて良かった!」とこぼした光村からは、これまでのバンドの軌跡が肯定され、ずっと夢に描いていたようなライヴができることへの喜びが感じられた。そして、全体的にどっしりとした安定感ある演奏だったことも印象強く、本格的にNICOが30代に突入したことを気づかされたライヴでもあった。

***

場内が暗転すると、ステージ中央に設置された白い筒状の幕に、アニメーション作家・加藤隆氏によるアニメーションが流れ始めた。ハットを被った青年(光村に似ている彼)が“口笛吹いて、こんにちは”のメロディを口笛で吹きつつ街を闊歩していると、突然、渦に吸い込まれ降り立ったのは「渦の街」。そして、先にスタンバイしていたメンバーによって“渦と渦”のインストVer.が披露される中ゆっくりと幕は上がった。堂々の開幕宣言は『リベンジ』を果たせたからこそできる“天地ガエシ”。ところが“Broken Youth”で始まった前回の武道館のように、のっけから客席に噛みつくような勢いがなく、ステージに立つメンバーの様子はどこか物腰が柔らかい。それは続く“まっすぐなうた”も同じだった。先陣切ってバンドを引っ張る対馬祥太郎(Dr)がパワフルなドラミングを響かせるが、アッパーなビートのままに駆け抜けるのではなくて、メンバー全員、一音一音を確実に聴かせることを強く意識しているように見えた。そして、骨太なバンドサウンドに乗る健気な言葉がひたすら胸に迫ってきた“ランナー”は、音楽で食べていくことを夢見ていた10代の自分達に捧げられているような気がして、一皮むけたNICOの姿に少し感動してしまった。すると、聴きなじみのあるキラキラとしたエレキのイントロが…そう、“ローハイド”のイントロが会場いっぱいに広がり、古村と坂倉心悟(B)がステージ前方まで歩み寄ってきた。この日、私の座席はアリーナ指定席の前から2列目。ちょうど目の前が古村の立ち位置にあたる場所だった。軽やかなステップを踏みつつ笑顔で歌詞を口ずさみ、ギターを弾きまくる姿からは、バンドやギターが大好きであることがわかる。そして、感極まる寸前の表情すら隠そうとはしていない。そんな古村が鳴らすフレーズには、様々な想いが込められているようで、私は涙を堪えることができなかった。

ここでいったんMCが入り、怒涛のメガミックスがスタート。“バニーガールとダニーボーイ”を皮切りに、インディーズ時代の名曲“泥んこドビー”、ライヴの必須アイテム“N極とN極“が投下され、フロアの熱気がぐんと上がる。また過去2回の武道館でも歌われてきた“Broken Youth”もここにて登場。自らの歴史を刻んだ証も忍ばせるところが、このバンドの憎めない性格でもある。変拍子の原曲とはガラリと雰囲気を変え、落ち着いたディスコビートに合わせ光村が妖艶な歌声を放った“ストロベリーガール”、古村のロカビリータッチなエレキを合図に躍動感極まる豪快なアンサンブルをきめた“THE BUNGY”ときて、個人的にメガミックスで一番感銘を受けたのが“夜の果て”だ。ひっそりとした静寂を感じさせる前半から、疾走感溢れるビートに切り替わり、バンドさらに加速する。ミラーボールが回り始め、会場一帯に光の粒が広がる中迎えたクライマックスは<無情な夜空の星に吸い込まれて揺れてる>主人公が闇から解放される心情を客席に体感させていくようで、非常にドラマチックな時間だった。ラストはジャジーなギターが色気で魅せる“行方”で大人っぽい締めくくり。活動初期の曲中心で構成され、今やNICOのライヴでは滅多に聴けない曲の登場が続き、想像以上の聴きごたえがあった今回のメガミックス。他サイトのライヴレポートによると約40分にわたっていたらしく、ノンストップで歌いこなした光村の怪物っぷりにも驚嘆した。

再び入ったMCでニューアルバム『勇気も愛もないなんて』のリリースが発表され、鶏の映るアルバムジャケットも公開。撮影現場でのエピソードなど和やかに話しつつも、なぜ「勇気と愛」を伝えたいのか?という経緯を話し始め、そして、集まったオーディエンスへのお年玉としてアルバム収録曲を2曲披露。1曲目は突き抜けるような爽快感を携えた、ポップで軽快なナンバーで、2曲目はアコギが哀愁漂わせる、しっとりとした大人っぽい曲だった。

ステージの背後には巨大なスクリーンが設置してあり、そこに再び加藤隆氏のアニメーションが流れ始めたのは“TOKYO Dreamer”の時だ。オープニングで登場した青年が街を歩いていると<32連のジオラマ>や、ダンスする少女と出会う。前回の『リベンジ』では、NICOは新たな決意表明としてこの曲をアンコールで演奏している。しかし『アレンジ』で聴かせたものは、このファンタスティックな世界を包み込むような、温かみのあるサウンドだ。そして、スクリーンに今宵一番熱い名シーンが映し出されたのが“ニワカ雨ニモ負ケズ”の時だ。炸裂する光村のスキャット。光村から一切視線を逸らさずエレキを弾き続けた古村の集中力。互いに火花を散らし合い、売られたケンカには果敢に挑み合う壮絶な間奏シーンに、私は思わず息を呑んだ。そして、捻くれ者のロックンロール“バイシクル”と、色褪せることないフレッシュさで放たれた“ホログラム”という彼らの王道を畳み掛け、いよいよ本編ラストの“渦と渦”が登場した。この曲に潜む「人を巻き込ませる威力」は今回の『東の渦』と、5月6日大阪城ホールで開催される『西の渦』で発揮される。その第一弾として渾身のパフォーマンスを見せた4人は、武道館を大いに唸らせた。思い残すことなくすべてを出し切ることができたのだろう。光村のギターの弦は、ここで切れた。

鳴りやまない拍手と歓声に迎えられステージに現れたメンバーは、生まれ年の「1985」がプリントされたスウェットを揃って着用。もちろん、アンコールの1曲目は“僕は30になるけれど”。威勢の良いアコギに合わせオーディエンスのハンドクラップが盛大に響き渡る。2曲目の“手をたたけ”は久しぶりのバンドVer.。ハンドクラップに加わるオーディエンスのシンガロングと共に、今この瞬間を鳴らしていく。そしてアンコールラストは、アルバムに収録予定の、まだアレンジも決まっていないという新曲を光村の弾き語りで披露された。爪弾かれるアコギの優しいメロディの上に乗るのは、初見でも脳裏にその情景が思い浮かび上がるほどの恋する切なさが胸に迫る、どストレートなラブソングだった。

「孤独と夜」を歌い続けてきたNICOが「勇気と愛」を伝える選択。これは音楽家として生きる彼らの、とても大きな成長だろう。歌い始める前、自分の「捻くれた部分も(曲に)出していきたい」とすら正直に話した光村は、どこかほっとしている表情にも見えたが、産まれて間もないラブソングを一人武道館のステージで堂々と弾き語ること自体、ミュージシャン人生を全うするために何か大きな決断を下した、その証に見えた。個人的な事を言えば、孤独と向き合い、はち切れそうな胸の内を吐き出すNICOの青きブルースが好きであり、アンコールラストのラブソングには正直、動揺した部分もある。しかし、私にとって初めて観たNICOのワンマンライヴであった、2012年開催の『1125(イイニコ)の日ライブ』から約3年間、変わり続けるNICOの姿を見届けてきた中でも、今回の日本武道館公演が一番泣けて、私は心の底から感動したのである。

私の思う今のNICOの魅力とは、得たもの全てを音で表現できるポテンシャルの高さと、泥臭い部分まで隠さず見せてくれるようになった素直さだ。そして、そんな彼らから多くのものを私が受け取ってきた事実が、今「信頼」として蓄積されていることを今回の日本武道館公演後に実感し、だから、「勇気を愛」を歌う彼らが見たいと切実に思ってしまうのだ。ニューアルバム『勇気も愛もないなんて』の発売日は3月16日。それに先駆け同月4日からは全国ツアーもスタートする。勇気と愛を伝える使命を掲げたNICOの2016年は、明るくて楽しいものになるだろう。流行り廃りも関係ない、聴き手の心に永遠に寄り添い続けてくれる「本物の音楽」を彼らは届けてくれるはずだ。

SET LIST
1 天地ガエシ
2 まっすぐなうた
3 ランナー
4 ローハイド
5 バニーガールとダニーボーイ
6 泥んこドビー
7 N極とN極
8 Broken Youth
9 ストロベリーガール
10 THE BUNGY
11 夜の果て
12 行方
13 新曲
14 新曲
15 TOKYO Dreamer
16 ニワカ雨ニモ負ケズ
17 バイシクル
18 ホログラム
19 渦と渦

ENCORE
1 僕は30になるけれど
2 手をたたけ
3 新曲


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by musicorin-nirock | 2016-01-24 10:44 | LIVE | Comments(0)

NICO Touches the Walls 3度目の日本武道館公演に寄せて

2015年がNICO Touches the Wallsにとって大飛躍の一年になることに、間違いはなかったのだ。

2月。彼らにとって大きなターニングポイントとなったアコースティックアルバムが発売され、憧れのビルボードライヴのステージに初めて立つことができた。そして5月からは2年ぶりの全国ツアーをスタートさせ、6月には『まっすぐなうた』9月には『渦と渦』というバンドの新境地を切り開く2枚のシングルを発売した。12月23日には初の大阪城ホールでのワンマンライヴが開催され、年末のロックイベント「COUNT DOWN JAPAN 15/16」では、最終日である12月31日、EARTH STAGEで新年一発目のオオトリを飾り、いよいよ迎える2016年1月8日、三度目の日本武道館公演へと襷を渡す…。

そんな夢のようなバンドストーリーを彼らは描こうとしていたのだから。

11月。古村大介(G)が右手を負傷するという想定外の出来事が起こった。12月23日の大阪城ホール公演は年明け5月6日に延期となり、「COUNT DOWN JAPAN 15/16」については出演をキャンセル。そして、11月25日の『1125の日ライブ』は光村龍哉(G)、坂倉心悟(B)、対馬祥太郎(Dr)の3人で行うという。しかし、この『1125の日ライブ』の開催日寸前まで、私達リスナーには、実際のバンドの状況の多くを知らされることはなかった。たくさんの人が不安や不満を抱えていたと思うが、今改めて考えてみると、それだけ多くの時間がこのバンドには必要であったと納得する。年内から年明けにかけてのスケジュールを大幅に変えざるを得なかっただろうし、メンバー全員と彼らを取り巻くスタッフ全員が、気持ちを持ち直すためにもやはり時間は必要だ。

そして、11月25日に無事開催された『1125の日ライブ』については、光村龍哉(Vo&G)が自身のブログに、ライヴ当日の様子や、ライヴ前の混沌とした空気まで、事細かに書いている。バンドメンバーの一人欠けるということは、当然ながらその穴埋めが必要となる。音作りも一からやり直す必要も出てくるだろうし、残されたメンバー一人一人に負荷が発生する。また、今回は一日で2公演(東京と大阪)行うというハードスケジュールである。このような状況下に立たされた時、「メンバーの一人が怪我をしたので、今回は残念ながら中止にします」「代わりにサポートメンバーを入れます」という決断を下すバンドも少なくはない。

12月に入ると、バンドの公式Twitterの中で古村による日本武道館公演までのカウントダウンが始まった。時には古村以外のメンバーからの呟きも入り、毎日発信されるようになっている。ライヴのキャンセルが続いてしまったことで、バンドとリスナーを繋ぐ唯一のツールに、私は始め戸惑いを感じてはいたが、1月8日が近づいてくるたびに、Twitterから届く彼らの本音に胸を打たれっぱなしである。

12月31日、この日からやっとギターを弾き始めたという古村のツイートには、誰よりもたくさんの涙を呑んだであろう彼の苦悩を感じざるを得なかった。そして、年が明けた1月1日。「COUNT DOWN JAPAN 15/16」で彼らの代打を務めたBLUE ENCOUNTのステージを、居ても立っても居られず観に行っていたという光村のツイートからは、先輩としての優しさとプライドを強く感じた。

もう、決して若手とは言えないNICO Touches the Wallsの長いキャリアを辿れば、良くも悪くも多くの「壁」にぶつかってきたが、それを常に4人で乗り越えている彼らの「意地」と「根性」を、私は一人のリスナーとして誇りに思っている。しかし、チャレンジでもない、リベンジでもない、三度目の日本武道館公演は、彼らがプロのバンドマンとして、今回の出来事をどのように乗り越えて来たのか、そして新しく生まれ変わった姿を、どうオーディエンスに見せてくるのかが問われる、今後の彼らを占うような責任重大なライヴである。リラックスした気持ちでライヴに臨もうと思っていたが、やはり、私は緊張をしている。しかし、その緊張が解けたときには、涙も笑顔もごちゃ混ぜで、会場中が喜びに満ち溢れる、そんな夜になるのだろう。私は、そう信じている。


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by musicorin-nirock | 2016-01-04 10:57 | COLUMN | Comments(0)

2015年の『1125(イイニコ)の日ライブ』について思ったこと。

今年はもうNICO Touches the Wallsについての記事は書かないだろうと思っていましたが、やっぱり書いてしまいました。

11月25日、『1125の日ライヴ(通称イイニコ)』が無事終わりました。今年は東京・下北沢CLUB251と大阪・梅田Shangri-Laの同日二ヶ所でライヴを行うという、またまた前代未聞の挑戦に挑んだわけですが、ご存じの方もたくさんいらっしゃるように、ギターの古村くんが怪我の為に今回イイニコには参加していません。なので光村くん・坂倉くん・対馬くんの3人体制でやるとのアナウンスがありました。

私は最初アコースティック編成でやるのかな~とか色々と想像してみたのだけど、やっぱり場所が場所だし、2006年1月8日に開催された『成人前夜』の再現ライヴをやるんじゃないかとうっすら思っていました。

残念ながら私は今回行けなかったので、当日のセットリストはライヴ後Twitterで知りました。内容は初期のナンバー中心に、コンパクトにまとめられていたもので、下北沢のセットリストも梅田のセットリストも見て「ああ、やっぱり」と納得。同時に私のタイムラインは下北沢のステージも、梅田のステージも大絶賛する言葉で溢れ返っていました(そのタイムラインをじっくりと読みながら、泣いてしまったのはここだけの話)。う~ん、やっぱり行きたかったなぁ。ただ、セットリストを見れば見るほど「4人でこのニ箇所のステージに立ちたかったよね」という悔しさ残ってしまったのが本音でした。

今年のイイニコはメンバー全員が30歳になって初のワンマンライヴであり、今年12月23日に開催予定であった初の大阪城ホール公演と、年明け1月8日に控えている3度目の日本武道館公演を行う前の最後のワンマンライヴでした。また、9年前の自分たちを、30歳になった今の自分たちで演じることで、大ステージを目の前にした自らに発破を掛けるライヴであったように感じます。『初心忘れるからず』と言うし。レアな曲を披露している点では、今まで通りのファン感謝祭でもあるけど、それ以上に、バンドの節目ともなるようなとても大きな意味があったと思います。

あと、私自身がこうしてライヴレポート等書いてると、とにかくこの4人でいることの必然性をとても強く感じるようになったんですね。だから、なおさら「4人でこのニ箇所のステージに立ちたかったよね」と、悔しく思ってしまったのです。

私は先日、BRAHMANの結成20周年イベントに行って、バンドが長く続いていくこととは一体どういうことなのかを、BRAHMANと共演したバンドのライヴから教えてもらいました。そして、「バンドが長く続いていくこと」を改めて考えてみたけれど、どのバンドも山あり谷ありあって当然で、続くことを願っていても続けられなくなってしまうバンドある。しかも、そういう事態がおこる可能性がないバンドは、存在しない。だから、好きなバンドがこうして続いてくれることって、前に他のバンドの記事でも書いたけど、本当にそれだけで「奇跡」。

古村君の怪我のことを私はかなりシリアスにとらえてしまって「イイニコやるっていったてどうなっちゃうの?」という苛立ちに近い不安も少ながらずありました。しかし、イイニコを「3人でやる」と決めた決断、大阪城ホールの延期、年末カウントダウンイベントのキャンセルも、結果的にはNICO Touches the Wallsをより肉体的・精神的に強くしたと思っています。また、今回ステージに立てなかった古村君が手を怪我しているにも関わらず新聞を作り、来場されたお客さんには、それが配られたとか。きっと彼が一番悔しい気持ちでいっぱいなのに「何かしたい」という彼の気持ちには、ただただ感動してしまいました。そういうところが、このバンドの誠実さで、どんな形でも4人でいることを感じさせる、これがNICO Touches the Wallsなんです。

“渦と渦”の歌詞にもあるけれど<険しい道のり/裏切られっぱなし>だし、バンド名に壁が入っているから「壁を乗り越える使命を担っちゃってるじゃん!」と突っ込みたくもなるけれど、<まだまだまだ/くたばれない>って叫ぶ4人を、まだまだ私は見ていきたい。2016年1月8日、ちょうど『成人前夜』から10年目の、3度目の日本武道館が、今、心の底から楽しみです。


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by musicorin-nirock | 2015-11-26 21:06 | COLUMN | Comments(0)

9/22 NICO Touches the Walls@スペースシャワー列伝15周年記念公演“大大大宴会”~東の宴~

9月22日、新木場STUDIO COASTで開催されたスペースシャワーTV主催『スペースシャワー列伝15周年記念公演“大大大宴会”~東の宴~。出演アーティストにはメインアクトをTHE ORAL CIGARETS、グッドモーニングアメリカ、NICO Touches the Walls、the telephonesの4組が務め、ニューカマーアクトとしてHalo at 四畳半、Bentham、PELICAN FANCLUB、LILI LIMITが選ばれた。

NICO Touches the Walls(以下NICO)のライヴが始まる前、メインアクト4組のバンドが過去に回った『列伝TOURダイジェスト映像』が流れた。そのトップは『スペースシャワー列伝JAPAN TOUR 2007』に出演したNICO。当時メンバー皆22歳で、ライヴ中に当時を振り返る光村龍哉(Vo&G)曰く「毎晩飲んで喉をガラガラ」にしながらツアーを回っていたそうだ。“泥んこドビー”と“そのTAXI,160Km/h”を演奏する様子は、目の前にいるオーディエンス相手に斜め目線で突っ掛かり、20代前半ならではの青さを吐き散らす。ただ、若干22歳の青年達が組んだロックバンドにしてはどこか古風な印象も受けたのだが、ポップでメジャーなものではない表現で、音楽の世界に飛び込んできた彼らの姿勢は、当時から本物だったと私は感心してしまう。そして、この2007年のライヴ映像を観た直後に始まったのが、平均年齢30歳のNICOのライヴ。演奏時間も短く、今年の夏フェスで披露されているお馴染みのセットリストではあったが、ダイジェスト映像を目の当たりにしたことで、強烈なインパクトを私に与えたのである。

真っ白なシャツとデニムパンツに身を包みステージに現れた4人。1曲目に披露されたのは“まっすぐなうた”だった。<間違ってた/なんか全部間違ってた>。2007年のスペシャ列伝後にメジャーデビューを果たし、今日まで走り続けてきた長い長い時間のことを歌っているのかと思うと、なんてドラマチックな始まりなのだろうと感極まりかけたのだが、そんな私の気持ちをよそに「今のNICOは最強」「誰にも負ける気がしないぜ」と強気なMCで光村は客を煽る。古村大介(G)はステージ上を動き回り、奔放にエレキギターを掻き鳴らし続け、坂倉心悟(B)と対馬祥太郎(Dr)の強力なリズム隊がフロアをグラグラと揺らし、光村はギラギラとした視線を投げつけながら歌う。4人の情熱がビシバシ伝わるサウンドを全身で浴びていると、歌が上手いだの、演奏が上手いだの、そういったことは一切無視して、『自分達はロックバンドとしてどうありたいのか?』という、バンドマンとしての根本的な部分で勝負に出ているように観え、ライヴ後半に披露された“渦と渦”がえらい感動的だったのだ。

NICOには、あれもこれも自分たちのものにしようと蓄えてきた過去がある。そして、メンバー全員30代を迎える前に一度全て削ぎ落とせたことで、「あなたに歌を届けたい」という、バンドの使命を担うこの曲が、結成11年目にしてようやく誕生した。決して器用とは言えないバンドであり苦労も多かったと思うが、諦めずに走り続けてきたからこそ「今のNICOは最強」「誰にも負ける気がしないぜ」と他のバンドを目の前に堂々と宣言でき、言葉通りのステージが私の目の前で繰り広げられていた。その姿は、今回共演したバンドにも、大きな勇気を与えたはずだ。この勢いを止められる曲者は、どこにもいないのではないかと思わざるを得ない程、野心剥き出しの4人。2007年のスペシャ列伝ツアーを回る彼らよりもどこか若々しく感じ、始まったばかりの30代を期待させるものがあった。年末には初の大阪城ホール公演、年明けは三度目の日本武道館公演を控えている。新たな壁に4人がどう立ち向かい、どんなフィナーレを見せてくれるのか。今からとても楽しみにさせてくれる、素晴らしいアクトだった。

SET LIST
1 まっすぐなうた
2 手をたたけ
3 THE BUNGY
4 ニワカ雨ニモ負ケズ
5 渦と渦
6 天地ガエシ


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by musicorin-nirock | 2015-10-11 09:42 | LIVE | Comments(0)

“Howdy!! We are ACO Touches the Walls”LIVE at Billboard Live TOKYO / NICO Touches the Walls



NICO Touches the Walls 初のビルボードライブのLIVE DVD『“Howdy!! We are ACO Touches the Walls”LIVE at Billboard Live TOKYO』が遂に発売された。今年の2月、バンド初のアコースティックアルバム『Howdy!! ACO Touches the Walls』をリリースし、アルバムの再現ライヴでもあったステージの第2部の本編とアンコール、そして第1部のアンコールの模様が収録されている。

先日終了したばかりの『まっすぐなツアー』でも、光村龍哉(Vo&G)がアコースティックアルバムが彼らにとって、いかに大きな存在であったか、MCで力説していたことは印象深い。実際、このビルボードライヴ後に通常のバンドセットでの演奏を久しぶりに観た時(3/5新木場COASTで開催されたNICOフェスト) 、ステージに立ったメンバーの佇まいが見違えるほどに変わり、バンドサウンドも歌声も、よりリスナーに近い場所で鳴らされていたことに驚いた。

ひたすらバンドの過去と対峙してきた2014年。中でも、アコースティックアルバムの制作の過程で、自分達が産みだしてきた楽曲の素晴らしさに気付けた事が、とても大きな収穫だったのだろう。また、同年二度目の日本武道館にも立ち、バンドの節目をいくつか迎えることにもなった。その一連の流れの締め括りが、ビルボードライブになるのだろうと、DVDを観ながら私は思った。

アコースティックアレンジになると、曲本来の姿が顔を出す。そして、私達リスナーは、それまで見えなかった部分を知ることになる。今回のLIVE DVDの中で、光村が1人アコギを抱え弾き語った“バイシクル”は、個人的にアコースティックVer.を聴いた前と後で一番印象が変わった曲である。「圧巻」の一言に尽きる歌唱力。歌が上手い・歌が下手という枠組みを飛び出し、ただ、彼の中で燃え続けている熱い魂に触れたような、生々しい歌声。勢い良く坂道を駆け下りていくような爽快感あるギターロックの裏側には、歯を食い縛り、悔しさを飲み込み続けていた等身大のブルースが存在する。それを恥ずかしげもなく見せたことで曲に説得力が付き、リスナーとの距離感も更に近づいたのではないだろうか。

しかし、このバンドの面白さは、原曲とは一味違った世界を創造してしまうことだ。よって、アコースティックアレンジとはいえ、原曲よりも大幅に雰囲気が変わった曲ばかりである。また、メンバー4人で行うドラムセッションや美しいコーラスワークなど、メインパート以外にも力を入れており、一人一人のアーティストとしての成長もよくわかる。キャリアを重ね、進化を遂げている証ではあるが、観ていて嫌らしく映らないのは、彼らの根本にあるものが「音楽が好き」という純粋な想いだからだろう。憧れたビルボードライヴのステージに立つ4人を観ていると、会場に集まったお客さんよりも、まずはメンバー自身が誰よりも楽しそうなのだ。その空気感が、思いっきりわかるLIVE DVDになっている。

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by musicorin-nirock | 2015-08-01 10:47 | LIVE DVD

7/11 NICO Touches the Walls @ 広島BLUE LIVE

ライヴ内容に触れていますので、閲覧にはご注意ください。


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by musicorin-nirock | 2015-07-17 22:00 | LIVE

“まっすぐなうた” / NICO Touches the Walls



こんなに首を長くして、彼らの新譜を待ちわびたのは初めてだ。ツアー初日の豊洲PITで、初めて"まっすぐなうた"を聴いて以来、「遂に来たな!見せたな!聴かせたな!」という手応えが、もの凄く私にはあった。

先日アップした富山MAIROのライヴレポートでも、この曲について色々と書いたけれど、改めて歌詞の一部始終を読んでみたら、その内容に驚いた。光村が今まで書いてきた歌詞の中でも、ここまでストレートなものは見たことがない。

いや、強いて言うならば、昨年リリースされた“天地ガエシ”ぐらいだろうか。「リベンジソング」と恥ずかしげもなく掲げ、そうして自分達にムチを打たなきゃ、二度目の武道館ライヴは納得のいくものには出来なかったはずだし、また、付け加えるなら、この武道館の翌日発売というタイミングで、曲が産まれて15年近くお蔵入りしていた“TOKYO Dreamer”を世に放つことが出来たことで、10代のピュアな気持ちで音楽と向き合う姿を、リベンジ出来た自分達を重ね合わし、新たなステージに立つことを宣言できたのだから、“天地ガエシ”が彼らに与えたものは、とてつもなく大きい。

でも、“まっすぐなうた”は、この流れを覆してしまうほどに「1人のミュージシャンとして、1人の人間としてこうありたい」という光村の正直な姿が描かれている。というか「ここまで言ってしまっていいの?」と思う部分すらある。

では、どうしてこんなにも曝け出してしまったんだろう?と考えてみたのだけど、一つはアコースティック・アルバムの存在であって、そしてもう一つが、バンドのキャリアが10年以上で立場が中堅に変わり、メンバー皆が今年に30歳になること。これは、かなり大きく関係していると思う。私自身も30歳を既に過ぎているからわかるけど、もう20代のような「若さのままに、勢いのままに」は確実に出来なくなる。30代というのは、若さだけでは許されなくなるからこそ、本気で「自分自身」で勝負していかなきゃいけない(私自身も修行中なので説得力には欠けてしまうけど、でも、)そういう年代だ。ただ、彼らの場合は、武道館リベンジとアコースティックアルバムによって、バンドの今までを振り返り、過去を認めざるを得なかった昨年があり、嫌でもそれには気付かされてきたと思う。だからこそ<間違ってた なんか全部間違ってた>と過去を否定できて、否定したことが自分自身を認めることになり、この曲はポジティヴなエネルギーで溢れている。前回のブログでも同じような事を書いたけど、この曲はバンド結成11年目のデビュー曲と言っても良いし、「本当は、俺はこうありたいんだ」という熱い想いを、20代最後の年に光村がようやく歌ったことで、バンドはこれから大きく変容すると思う。

例えば、この曲を光村1人で、アコギ一本抱えて弾き語ってみても、それはそれで「泣けるブルース」になりそうだけど、アッパーなビートで大音量のバンドサウンドを鳴らすNICO Touches the Wallsの方が、圧倒的な説得力がある。そして、光村にはこの曲だけは、大声で叫ぶように歌って欲しいし、10年後、20年後に、もしこの曲を歌う時があったら、多少体力的にしんどくても、そうであって欲しい。

正直、私はこのバンドに対して迷うときがあった。でも、この“まっすぐなうた”を聴いて、私の迷いが「間違っていた」ことに気付き、彼らの音が好きなことは、何も「間違っていない」ことに気付いた。

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by musicorin-nirock | 2015-06-24 21:19 | MUSIC

6/20 NICO Touches the Walls@富山MAIRO

5月21日、豊洲PITからスタートした「まっすぐなツアー」も折り返し地点を迎え、いよいよ後半戦に突入する。私が向かった富山は、初日の豊洲からちょうど1ヶ月後(正しくは翌日の新潟だけど)のライヴであり、NICO Touches the Wallsのバンド史上、初の富山ワンマンライヴ!という記念すべき日だった(しかも、今回のツアーで一番最初にチケットが売り切れたのも富山)。だからなのか、「待っていたよ!」と、彼らを迎え入れるお客さんの声や拍手がとても温かいものだった。しかし、ライヴが始まるとその温かさは、一気に熱さへと変わる。いや、シャレにならないくらいにライブハウスの暑さが尋常じゃなくて、ステージ上のメンバーも、まだ数曲しか演奏してないのに汗でぐっしょり。MC中に会場のドアを全開にして空気入れ替えたり、具合悪そうな人も数人見かけたし、ちょっと心配ではあったけど、でも、最初から最後まで会場を包む空気感は最高に良かった。

セットリストの内容は伏せるが、初日の豊洲とは数曲入れ替わりがあり、「NICOがどういうバンドなのか?」がとても良くわかるものだった。勿論、キラーチューンが始まれば一気に盛り上がる瞬間もあるけれど、もっとディープな部分。インディーズ時代の作品を聴くとわかるが、彼らがまとっていたあの空気感、孤独や皮肉などの、バンドとしての情緒的な部分もしっかりと打ち出しており、「聴かせること」を強く意識しているように思えた。また、これは初日の豊洲でも感じたのだが、「NICOの4人が曲を届けたい人は誰なのか?光村の歌う「君」や「あなた」は一体誰なのか?それは、目の前にいるお客さん1人1人であること」が、この日ではっきりとわかったし、今回のツアーの醍醐味と言っても良いかもしれない。

2月に発売されたアコ―スティック・アルバムの功績が、演奏や歌唱の面で大きなターニングポイントになったことは、バンドの音を聴けばすぐにわかったのだが、言うまでもなく精神的にも鍛え上げられ、NICOは大きく成長した。ただ、ここで間違えてはいけないのが、大人になったのではなくて、子供のような純粋さでリスナーと向き合えるくらい、素直になったということだ。

富山で聴いた“まっすぐなうた”は、NICOのバンドへの「初期衝動」を体感させるものだった。パンクロックで鳴らされるような、前のめりに攻める対馬ドラムが引き金となり、坂倉は聴き手の感情を撫でるようなベースラインで、バンドの大黒柱として力強く支え、メンバー4人の中でも常に先陣を切り続けてきたギタリスト古村が、青さいっぱいの音色を響かせ、汗まみれの顔をくしゃくしゃにして(彼が一番暑そうでした)、ギターを掻き鳴らし歌う光村。過去を懺悔する曲なのに、突き抜けるような爽快感が心地良く、馬鹿みたいに泣けて来てしまうのは、アコースティックで一度素っ裸にされ、バンドが抜け殻に近い状況のままで、この世に産み出された曲であり、ある意味デビュー曲に近いものが“まっすぐなうた”には存在しているからだ。そして、<間違ってた>と冒頭から歌えてしまうほどに、もう何も格好つける必要はなくて、素直に自分達を見せていけばいいとNICOが出した決断は、(これだけは強く言わせてもらうが)「間違っていない」し、結果的にNICOとリスナーとの距離感はぐっと近づいた。それは、富山MAIROに溢れていた温かさが一つだし、今まで彼らが回ってきた全国各地、どの会場にも「間違っていない」と言い切れる証拠があるんじゃないかと私は思う。

アンコールで光村は「また富山に来るっちゃ!」と富山弁で再会の約束を果たしたが、次に自分達が訪れるまでに「他のバンドに浮気されても困るから、最高の良い思い出を作りましょう!」と本音をぽろりとこぼし、最後にもう一盛り上がりしてからステージを去って行った。でも、もうリスナーがどこかへ行ってしまう心配なんて、今のNICOには要らないんじゃないかな?ステージで演奏する4人が放つ瑞々しさは、NICOが色々なモノを取り戻している証拠だし、未だかつて見たことないくらい4人が良い顔していたのは、このツアーに確かな手応えを感じているからだと思う。こんな4人を目の前にしたら、富山MAIROに集まった全員に、NICOの想いが届かないはずがないでしょう?確実に、集まったすべての人達を光(=音)で射し、そして、彼らの未来まで照らし出したような、最高の夜だった。

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by musicorin-nirock | 2015-06-22 21:56 | LIVE

主にNICO Touches the Walls について書いておりますが、他にはGRAPEVINE と the HIATUS が好きです。記事の無断転載、引用はご遠慮ください。


by タナイユウ
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