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“ニコ タッチズ ザ ウォールズ ノ ニホンブドウカン” / NICO Touches the Walls

NICO Touches the Wallsは、2010年3月12日と2014年8月19日に、二度、日本武道館公演を行っている。そして、2015年1月7日にどちらも初の映像化となるLIVE DVDが発売された。このDVDは2010年と2014年、それぞれのライヴ別にも発売されているが、私は二枚組セットを購入した。まず率直に、今までNICO Touches the Walls を聴いたことがない人には、私はこの二枚組のDVDをお勧めしたい。有名な某CMソングに起用されたJ-ROCKの王道的なナンバーから、インディーズ時代に小さなライヴハウスで鳴らしてきたソリッドなギターロックまで。バンドの全てが一番わかりやすく、しかも耳だけではなくて目でも堪能できる、とても優れた素晴らしいLIVE DVDになっているのだ。

ただ、でもここで疑問を持つ人もいるだろう。2010年3月12日の日本武道館の映像がなぜ、今このタイミングでリリースされるのか。時は既に2015年。最初の公演からはすでに5年が経とうとしている。私自身も初めての日本武道館公演が映像化され記録として残っていないことに正直「あれ?」と思っていた。

初めに個人的な話をすると、私はこの2010年3月12日の日本武道館には足を運んではいない。バンドの事は知っていたが、本格的に音を聴くようになったのは2012年の終わりである。ただライヴを楽しみたくて足を運んだ2013年11月25日の1125(イイニコ)の日ライヴで、彼らは二度目の日本武道館を行うことを発表。そして、次の日本武道館は「リベンジ」なのだと事ある毎にフロントマン光村龍哉(Vo&G)は言い続け、遂には日本武道館のリベンジソングであり、サビで<僕らのリベンジ>とまで歌ってしまう『天地ガエシ』をリリースした。なぜここまで「リベンジ」にこだわり、がむしゃらに走り続けてきたのか。それは、実際に2014年8月19日の日本武道館のステージを観て、私の中で2013年のイイニコからの歩みが一つに繋がった(その時のライヴレポート→ http://nirock.exblog.jp/22901705/)。一曲目の“Broken Youth”のギターのイントロが鳴り響き、大きな大きな日本武道館が多幸感で包み込まれていく様は、今思い出すだけでも鳥肌が立つ。でも、この曲のイントロの裏には私の知らない物語があった。それが2010年3月12日の日本武道館であり、封印され続けていた彼らの物語なのであった。

2010年3月12日に開催された『Walls Is Auroras』は、2009年から2010年にかけて行われていた「& Auroras」の追加公演として行われた。「ダダッ」という噛みつくようなイントロの“そのTAXI,160Km/h”から始まるのだが、4人が緊張感が音に吸収され吐き出され、それが硬さに繋がってしまっていることがわかる。しかし初めて立つ日本武道館。緊張するのは当たり前なのだが、彼らはそれをぐっと押さえつけながら、ほとんど完璧に演奏をこなせてしまっている。バンドの土台である2人のリズム隊、坂倉心悟(B)と対馬祥太郎(Dr)は驚く程に安定しているし、古村大介(G)のギタープレイによって、セクシーさも渋さも見事に演出され、当時24歳のメンバーが鳴らす音としては、かなり大人びた表情をしている。また、途中声が出なくなってしまうシーンもあったが、抜群の歌唱力で歌いこなし、全楽曲の作詞作曲を手掛けた光村龍哉というシンガーソングライターの才能が認められるべきステージになっているのだ。だからこそ、この硬さが最後まで残ってしまっている印象が強く、それが開放されたのは“Broken Youth”が始まった、既にライヴも終盤の頃。客電が付き、客席から上がる歓声もこの日一番大きく、ステージ上のメンバーも安堵の表情をやっと見せている。しかし、アンコールのラストにはインディーズ時代に発表された“壁”を演奏している。決して派手ではないこの曲を選曲したことに、彼の誠実さがわかるのだが、あまりにも切なく、もの悲しく響いている。それは、まさに今初めて立った日本武道館が、彼らに立ちふさがる大きな壁になってしまったように聞こえてきてしまったからだ。だから、終演後のフロアには歓喜というものが見当たらない。彼らは素晴らしい演奏を出来たにも、巨大な日本武道館という魔物を唸らせることができなかったのだ。

彼らは2004年にバンドを結成、2007年11月にはメジャーデビュー。2nd Album『オーロラ』ではプロデューサーに亀田誠治氏を迎え、アニメやドラマ主題歌のタイアップも勝ち取った。言ってしまえばとんとん拍子だが、この『Walls Is Auroras』を観て、ただ単に「流れ」に巻き込まれていたわけではないと思った。才能があるが故にもたらした成功と挫折を、バンドの歴史に残る晴れの舞台で味わってしまったのだ。

1月10日、渋谷のタワーレコードで行われたLIVE DVD発売記念のトークショー内で「2010年の武道館を経験してから180度バンドやライヴの内容が変わった」と光村が話していたことが印象に残った。「2010年の武道館は一日4曲づつ観ていった」(光村)、「2010年のDVDを観るのには勇気がいる」(坂倉)と本音を漏らしていたし、苦い思い出ではあるのだが、確実に彼らの大きなターニングポイントになったことは間違いないのだ。そして4年後「リベンジ」を果たせたことで、過去を受け入れることができた。時間はかかってしまったが、彼らにとっては必要な時間であるし、2014年8月19日『ニコ タッチズ ザ ウォールズ ノ ブドウカン』を観れば、彼らに与えられた勲章は誰もが手に入れる事が出来ないものであることを、実感できる。

実際に映像を観ていくと、二度目の日本武道館のステージで演奏された1曲目には、“Broken Youth”が一番相応しい。4年前にも演奏された楽曲であり、まさに4年前の映像を新たに塗り替えていく、そのためのステージのスタートダッシュに選んだことに一番納得がいくし、同年2月にリリースされたベスト盤中心のセットリストを組んだことは、生き様をしっかりと日本武道館に刻もうとする責任感すら感じられる。また、ステージ上のリラックスした空気感が画面越しに伝わり、メンバー全員が見せる笑顔のシーンも本当に多い。古村、坂倉、対馬が常に歌を口ずさんでいる姿も、バンバン抜かれている。4年の間に生まれ、育て上げられた楽曲が一曲も残らず輝くようにホール一体に放たれていくが、その中でもライヴ中盤のほぼ光村の独奏の“バイシクル”で恥ずかしげもなく自分たちの姿を剥き出しにし、“Mr.ECHO”で繰り返される自問自答に向き合う覚悟を決め、「俺らに着いて来い!」と言わんばかりの強気な“ローハイド”の流れは本当にドラマティックであり、この4年間にメンバーに起こった全ての出来事(良い事も悪い事も含めて)がどういうものであったか、そして、確実にそれを4人で乗り越えてきたことがわかる。”手をたたけ”の最後のサビで沸き起こるシンガロングは、確実にオーディエンスとの熱い絆が確かめられた感動的場面も収められているし、本編ラストの“天地ガエシ”は、バンド組みたての少年のように無邪気な表情で<僕らだけの秘密の大勝利>である最高のロックンロールを鳴らし、4年前の日本武道館にはない歓喜が溢れ、メンバーそしてオーディエンスから零れるものは涙ではなく満面の笑顔。

アンコールで披露された“TOKYO Dreamer”は、このライヴの翌日にリリースされたのだが、その理由もはっきりとわかる。青さがそのまま綴られた歌詞を10代の光村が歌うよりも、当時28歳の光村が歌う方がよりリアルに伝わる。成功と挫折を味い、そしてそこから這い上り、再びリベンジできた直後に<孤高の戦いは いずれこの夢を叶えるんだ>を歌える自分達になったという事を、日本武道館のステージで、まずは応援し続けてくれている大切なファンに伝えたかった。それが、彼らの次なるリベンジに繋がるシーンでもあるのだ。よって、これは二枚で一枚のLIVE DVDと考えていいだろう。過去を封印するのではなく、見せることで本当にリベンジ出来たんだと、彼らは証明したかったのだ。

気が付けばNICO Touches the Wallsバンド結成から今年で11年目である。この年末年始にバンドメンバーの脱退や活動休止のニュースを多く耳にするたびに、バンドを続けていく事の難しさや、どれだけのエネルギーが必要なのかと考えてしまったのだが、と同時に、彼らが決して諦めず、そして自分達でバンドの舵を取るようになったことを、何よりも評価したい気持ちになった。そして、これからどんな冒険をしていくのか、ただただ楽しみで仕方がないし、改めてNICO Touches the Walls は良いバンドだなと心底思ったのだった。


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by musicorin-nirock | 2015-01-11 18:14 | LIVE DVD

8/19 NICO Touches the Walls "ニコ タッチズ ザ ウォールズ ノ ブドウカン"


『最後は 笑ってやろうって あの日泣いたこと 絶対 ムダにはできないだろ 響け 僕らのリベンジ』                                      ―天地ガエシー

 2010年3月12日、NICO Touches the Wallsは初めて日本武道館の舞台に立った。しかし、彼らの記憶に刻まれたものは、歓喜ではなく悔しさ。チケットをソールドアウトにできなかったこと。それは「武道館」に打ち勝つ力量が自分達には備わっていなかったという、余りにも大きな屈辱だった。今回の武道館ライヴは、その「リベンジ」であると、昨年の11月25日に行われた『1125(イイニコ)の日ライヴ』で堂々と宣言され、年が明けると武道館へのリベンジを果たす、それだけの為に彼らは猪突猛進に走り続けた。
 


 ――そして、遂に迎えた2014年8月19日。


 対馬祥太郎(Dr)のドラムセットの前に、光村龍哉(Vo&G)、古村大介(G)、坂倉心悟(B)が集まり、円陣を組む。掛け声と共に観客に見せた「気合い」。今日という日は一日しかない。一騎打ちの勝負のステージに立ったNICO Touches the Wallsが放つ一曲目は「Broken Youth」。この特別なステージへの高揚感そのものを対馬がエネルギッシュに叩き出す。
 次なる切り札は「THE BUNGY」。カントリーテイスト満載のギターのイントロが終ると同時にバン!と上がった爆発音。客席をグイグイ煽り続ける、いつにも増して饒舌な光村のヴォーカルを筆頭に、メンバー全員じゃじゃ馬の様な暴れっぷりだ。それに負けじと、凄まじいハンドクラップを鳴らすオーディエンス。今日に賭けている気持ちは、この日を待ち望んでいたオーディエンスだって同じなのだ。立て続けに披露されたアッパーチューンに、開演まで漂っていた緊張感は解きほぐされ、ヴォルテージは急上昇。あっという間に武道館を飲み込んでしまう。

 颯爽とした光村の弾き語りで始まったのが「ホログラム」。曲に存在するみずみずしさは、色褪せることなく顕在で、ノスタルジーを感じられたが、4人の背後に設置された巨大なスクリーンには、あの日から4年経った、今のNICO Touches the Wallsが映し出される。笑顔で叩き続ける対馬。客席を愛おしそうに眺める坂倉。真剣なまなざしでギターと向き合う古村。そして、再び武道館のステージに立った感動を噛み締め、今にも溢れだしそうな喜びを必死に堪えながら力強く歌う光村。4人のリアルな感情が交じり合う「夏の大三角形」は、最上級に研ぎ澄まされた美しい音を奏で、エモーショナルな空間へと仕立て上げていった。

 「満を持してこの武道館に帰ってきました!」と威勢の良い光村のMC。この日を最高のものにしてやるぜ!という意気込みは、「妄想隊員A」とシングル曲が続く中、突如、変化球として投げつけてきた。それが、1stアルバム『Who are you?』収録の「B.C.G」。燃えたぎる炎のようにダイナミックなサウンドは、スマートな4人からは考えもつかない肉体感を感じさせ、さらに追い打ちをかけるかのように、光村は『デカイ音で騒ぐだけ』と武道館に喧嘩を売る。その勢いは衰えぬまま「バニーガールとダニーボーイ」へ。アメリカンなロックンロールでフロアを沸かせると、坂倉の厳ついゴッツゴツのベースが唸る「アビダルマ」。この怒濤の流れに、度肝を抜かされ「参りました!」と思わず口から出そうになった。メンバー全員、いつにも増してアグレッシブだったが、何よりも色気も男気を醸し出し、ラップまでこなしてしまう光村の「歌に対する強欲さ」には、呆気に取られてモノも言えない。

 熱気にまみれ、興奮冷めやらぬ場内。そこに水を指すよう静寂を与えたのが「バケモノ」だった。全身に重たくのし掛かるベース音と、ファルセットを聴かせた歌声が狂気的な匂いを漂わせる中、一番のハイライトは古村の血の滲むようなギターソロ。それは、胸がはち切れそうなほど痛々しい音色で、古村は無我夢中にかき鳴らす。鋭さを帯びたギターサウンドは、いつになく生々しい。そして、更に核心に迫るよう、続く「Diver」で、自分達の内面を深く掘り下げ、剥き出しの姿をここ武道館のステージで暴いていく。
 

 光村と古村はそれぞれアコースティックギターに、対馬はドラムスティックをブラシに持ち替え、2月に行われた『カベニミミ』でも披露した、アコースティックセットへ切り替えた。

 始まりは「Heim」。ゆったりとしたワルツのリズムに、アコースティックギターのアンサンブルと柔らかな光村の声が乗る。体の奥の方にある、目には見えないくらい小さな細胞までに行き届かせるよう、じっくりとオーディエンスに聴かせると、光村一人、ギターを爪弾き始めた。「バイシクル」だ。再び訪れた静寂の中、原曲よりもテンポを落とし、全身全霊賭けて熱唱する。
 『寄り道だらけの旅でも My Bicycle 悪くはないさ』
 それは、グッと拳を握り、耐え抜いてきた孤独な戦いそのものだろう。その姿がステージ上で顕わになったとき、青さ残るギターロックは、彼の歩んだ人生と共に「ブルース」へと姿を変えた。

 再びバンドセットに戻し、聴こえてきのは「Mr.ECHO」。快活なビートと美しいメロディが、武道館いっぱいに広がり始め、まるで、光村の抱えた闇が開放されていくようだった。そしてここで、とても印象深い場面に遭遇する。エンディングにかけてのコーラスを、古村、坂倉、対馬が、それぞれに抱えていた孤独・葛藤の全てを吐き出すように、力強く歌い続けたのだ。「Mr.ECHO」は、自問自答を続ける歌詞と光村しか出演していないプロモーションビデオから、彼個人の内省を強く打ち出している作品だ。しかし、戦い続けてきたのは彼だけではない。一人一人が自分と向き合い、立ち現れた壁を打ち砕き続けなければ、自分もバンドも進化しない。キャリアを重ねていく中で、また、今回のリベンジを果たすためには、全てを剥き出しにした姿で戦わなければならないという責任と危機感があったのだろう。それは、本気の勝負に出た象徴であり、真のロックバンドとしての立派な姿だった。

  
 そして、4人が出した次なる決断。光村はその孤独な旅を『駆け抜けろ』と歌い上げる。力強く、真っ直ぐにずんずん進むビートを対馬と坂倉が刻み、煌びやかに鳴り響く古村のギター。無駄なものが全て削ぎ落とされ、引き締まったバンドアンサンブル「ローハイド」は、疾走感と共に武道館を駆け巡る。目指し続けたこの場所には、溢れんばかりの拍手喝采と、多幸感広がっている。それでも4人は留まることなく、ラストに向けて走り続けるのだった。

 メンバー全員、全身振り乱しながら演奏し、曲中のブレイクで光村が客席の隅々まで笑顔を確かめると、感極まる気持ちを抑えながら「こんなんじゃ、明日は土砂降りでございますよ!」と大満足な笑みをみせた「ニワカ雨ニモ負ケズ」。割れんばかりのハンドクラップを武道館中に響かせ、メンバー4人と9,000人近くのオーディエンスによる盛大なシンガロングで締めた「手をたたけ」。
 そして、本編ラスト。「リベンジソング」の名の下にワンマンライヴやフェスで演奏し続け、ようやく武道館で披露できた「天地ガエシ」。逞しく、伸びやかに広がり続ける光村のヴォーカルと自由度を増したサウンド。ステージ上の4人は、バンドを組んだばかりの少年のような無邪気さと、自信に満ち溢れている。そこに、オーディエンスの歓喜と、彼らを祝福するように、紙吹雪が華やかに舞う。歌い終えた光村は、片手でギターを高々と掲げガッツポーズを見せつける。無事リベンジを果たした勇ましい4人の姿は、眩しいほどに美しく輝いていた。


 鳴り止まないアンコールに4人揃ってステージに登場し、1曲目に披露したのは「image training」。インディーズ時代に発表され、長年彼らを追い続けてきたオーディエンスにとっても、親しみ深いこの曲は、キリッとした都会的なサウンドに成長し、NICO Touches the Wallsの「今」の姿が見えた。それを「未来」へ繋げたのが、光村が10代の頃に作った「TOKYO Dreamer」だ。安定感のある8ビートと所々に加わるコーラスが、浮遊感ある幻想的な世界を描くが、しっかりと地に足の着いた演奏だった。

 この曲が生まれてから10年以上の歳月が経ち、夢が現実となり、4人はたくさんのものを手に入れてきた。しかし、この歴史的なステージとなりうる武道館のライヴで自らが用意した舞台には、それぞれの楽器とアンプがぽつん置かれた、至ってシンプルなステージ。そこに、全員モノトーンを基調としたTシャツとパンツスタイルで現れ、ベスト盤『ニコ タッチズ ザ ウォールズ ノ ベスト』に収録されてい楽曲中心の、スタンダードなセットリストでライヴを行った。
 なぜなのか?と聞かれたら「バンドとしての足跡を確実に残す為」と答える。アンコールに入る前に、光村は溢れんばかりの拍手喝采を、何度も何度も浴びてきたにもかかわらず、「一つ課題がクリアされると、次が出てくる。一生リベンジなんです。」と、その胸の内を明かした。私は、彼の真摯な姿勢に胸を打たれ、これまで不器用ながらも着実に前進してきた自分達を、丸ごと認めることができたのだろうと感じたのだ。
 そんな彼らの、自分達に必要な最小限のもので勝負に出た「覚悟」は、『必ずこの夢を叶えるんだ』という強い決意だけが存在している「TOKYO Dreamer」の数少ない言葉達とシンクロする。NICO Touches the Wallsが、どのバンドにも決して負けない、バンドマンとしての強い使命感を持ち、彼らが音楽と共にある運命にあることを物語っているのだ。


 この日、一度だけ光村がとても悔しそうな顔をした。それはアンコールに呼ばれてすぐのMCで、「正直やりたかったけど、やれなかった曲があと5倍くらいある。」と本音を漏らした時。

 しかし、その悔しさを打ち消すように、再び強く宣言する。NICO Touches the Wallsは、来年の冬、東京と大阪の2カ所で新たなリベンジを果たす。4人は、武道館に集まったオーディエンス、一人一人の手を強く握り締めていくように、アンコールラストの「N曲とN曲」で、再会の約束を、熱く交わしていった。
 全ての演奏が終わると、楽器を置き4人全員ステージ前方に並んで立つ。互いを確かめ合う様に、ぎゅっと繋いだその手を掲げ、深々とオーディエンスにお辞儀をした。4人のその表情は、ステージから少し離れた1階スタンド席にいた私でさえも、やりきった!という表情であることがわかるくらい、満面の笑みだった。そして、ステージを離れることを惜しみつつ、「引き続き僕らのリベンジに付き合って下さい。ありがとうございました!」と光村はラストメッセージを残し、4人は会場の隅々までに手を振りながら、期待いっぱいの武道館を後にした。


********************************************


 2014年8月19日。
 
 この日、彼らの記憶に刻まれた悔しさは、NICO Touches the Wallsの『最大の武器』となるだろう。昨年のリベンジ宣言以降、めざましい勢いで進化を遂げてきたのだ。もう、何一つ不安に思う必要などない。

 「一生リベンジ」。その言葉を胸に、信じる道を突き進め。


セットリスト
1 Broken Youth
2 THE BUNGY
3 ホログラム
4 夏の大三角形
5 妄想隊員A
6 B.C.G
7 バニーガールとダニーボーイ
8 アビダルマ
9 バケモノ
10 Diver
11 Heim
12 バイシクル
13 Mr.ECHO
14 ローハイド
15 ニワカ雨ニモ負ケズ
16 手をたたけ
17 天地ガエシ

encore
1 image training
2 TOKYO Dreamer
3 N極とN極




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by musicorin-nirock | 2014-09-10 16:32 | LIVE

君は僕のもの/NICO Touches the Walls

原田郁子の声に恋をした当時中学3年生だった光村少年が、
その想いを13年越しに伝えた。
アルベジオを効かせたギターのイントロから、
グルーヴ感の強い、ジャジーなサウンドに合わせて歌う。
28歳の彼の声には、初恋の「恋の甘酸っさ」ではなく、
「甘い」しか存在しない。
まるで熟れた桃のような香りを放つ。
それは、ちょっと麻薬のようで、
聴いてるこちらの顔が赤くなってしまうくらい。
完全に、その甘さに、聴く者すべて酔わせてしまう。
恥ずかしげもなく、ただ、甘く。
もし、10代の淡い恋の思い出に浸りながら、
この気持ちだけを歌いたいのなら、
今すぐカラオケに行って、マイク片手に、
思う存分に酔いしれば良い。
彼はロックバンドのヴォーカリストだ。
そのプライドを賭けて、突如見せる意地。
ソリッドなギターアンサンブルを突きつけ、
柔らかな桃の表面を痛めつけ、
募る想いを破壊させてしまう。
そして、その甘さは、切なさへと変化した。
エンディングに向かうにつれて、
「この声」が、自分のものだけに出来ないという、
彼の苦しい胸の内を、溜息交じりに歌い上げる。
「恋は盲目」。
いくら歳を重ねても、
やっぱり、これが恋の醍醐味。
女性アーティストのカバーといえども
これはれっきとした男性目線のラブソングだ。
そのクオリティを一度、確かめてみてはいかがだろう?


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by musicorin-nirock | 2014-08-29 23:07 | MUSIC | Comments(0)

7/13 NANO-MUGEN FES.2014 “NICO Touches the Walls”

横浜アリーナにて7月12日、13日と2日間に渡り開催された、ASIAN KUNG-FU GENERATION PRESENTS NANO-MUGEN FES.2014(以下ナノムゲンフェス)。

トップバッターを務めたのが、ナノムゲンフェス初出演となるNICO Touches the Walls (以下NICO)。6月15日のZepp Tour FinalであるZepp Tokyoのアクトでは、バンドがバンドとしてさらに進化した姿をオーディエンスに見せつけ、8月19日の武道館“リベンジ”公演のチケットがソールドアウトとなり、追加席の発売も発表された。願わんばかりの結果を受けてから初めてとなる今日のステージ。一体どんなステージを繰り広げてくれるのだろう?と期待で胸が高鳴る中、この日はアコースティック・セットで出演とのアナウンス。主催者でもあり、レーベルの先輩にもあたるASIAN KUNG-FU GENERATION 山田貴洋(B&Vo)と伊地知潔(Dr)による開演の挨拶の中でも紹介を受け、終わると同時に「 NICO Touches the Walls 」と備え付けのスクリーンに大きく映し出された。歓声が上がる中、メンバー4人それぞれチェックのシャツにデニムパンツというラフな装いで、さらっと現れる。

1曲目はワンマンライブや野外フェスではお馴染みカントリー・ロックンロール「THE BUNGY」。坂倉心悟(B)と対馬祥太郎(Dr)が、大地を踏みしめるようなオーガニックなビートを生み、その上をじゃじゃ馬のように駆けずり回る古村大介(G)のアコースティック・ギター。そこに光村龍哉(Vo&G)の巻き舌にシャウトに一筋縄ではいかない過激なヴォーカルが乗る。「演奏することが楽しい!楽しくて仕方がないんだ!」という想いに溢れ、観ている側にもその想いがストレートに伝わってくる。なぜだろう、彼らとの距離がとっても近い。続く、誰もが一度は耳にしたことがあるであろう「手をたたけ」は、悪ガキっぽくちょっと捻くれた一面も見せるブルージーなアレンジに仕上がっており、横浜アリーナにこのフェスで一番大きなハンドクラップをホール一体となって鳴らし、そして「ホログラム」が放つ虹色の輝きとともに、NICOのアコースティック・サウンドは、フェス二日目の始まりに相応しい爽やかな風を運んだ。とにかく爽快で心地よい始まりだった。

「アコースティック」とは、「電子的な機器・装置を使わない、楽器本来の響きをもつさま」(デジタル大辞泉参照)であること。ミュージシャンにとってみたら、演奏スキルはもちろん、楽曲のクオリティやヴォーカルの歌唱力など本当の実力を試される。だからこそ、バンドの本質的な部分までが見えてきてしまうのかもしれない。そんな事に気が付いたのは、原曲とは反対方向に向かう、バラード調にアレンジされた「バイシクル」を聴いた時だった。

静まりかえったホールには緊張感が走る。子守歌のように優しいアルペジオの効いたギターと、情緒的に歌い続ける光村の声だけが響き、オーディエンスも彼を見守るように聴き入っている。サビへと盛り上がって行くにつれ、声を振り絞り全ての情熱を賭けて1番を歌い上げ、後を追うようにゆっくりと古村、坂倉、対馬が加わっていく。この様子が、かつてロックバンドに憧れた光村少年のもとにメンバー3人が1人ずつ集まっていく・・・というノスタルジックな光景と重なっていった。
そして私はあることに気が付いた。ここで歌われていた「バイシクル」とは「NICO Touches the Walls 」のことなのではないか。と。4人で一緒に上り坂も下り坂も泥だらけになりながら漕いできたのだ。ファンには決して見せなかった「汗」と「涙」と「苦悩」をアコースティックの魔法によって正直に表現し、優しく胸に響いた。元気でアッパーなのがNICOではない。その姿はとても感慨深く、演奏後の彼らに送られた温かい拍手も印象的だった。

そこに切り込むように入ってきた「Diver」。本来なら古村のギターソロの部分をブルースハープにチェンジされ、一人の男の背中を見ているような感覚を私にもたらす。そして、演奏している彼等を観ながらしみじみと考えてみたのだ。

バンド結成時、まだ10代だったメンバーは、いわゆる「大人の敷いたレールの上」を無我夢中で走ってきた。道中、たくさんの壁にぶつかりながら「本当に自分達がやりたいことは何なのか?」と散々追求した結果、昨年11月25日に開催された「1125(イイニコ)の日」ライブで、無駄なものを全て拭い去り、ポップを封印しロックを全開させる。レコーディングを挟みつつ、今年1月には全国3カ所を回る同世代ロックバンドとの対バンツアーを自主企画し、2月には「カベニミミ」というライブハウスをオープンさせた。かなりハードなスケジュールだったと思うが、この過程で培ったDIY(=Do It Yourself / 自身でつくる)精神が、メンバー間の結束力をより強く固め、本物のロックバンドへと急速に進化させたのではないだろうか。

今年で結成10年、メジャーデビュー7年目を迎え、ようやくたどり着いたこの場所。すでに30代を控えた彼らにとっては「時間がかかってしまった。」という気持ちも心のどこかにあるのかもしれない。しかし、4人で歩んだ長く険しい道のりから生まれたの最強のリベンジソング「天地ガエシ」を聴けば、全ての出来事は必然であることがわかるだろう。

長年彼らを応援してきた多くのファンが思わず「おめでとう!」と駆け寄りたくなるような、どストレートに心に届くナノムゲンフェスでのラストナンバー「天地ガエシ」。対馬の打つバスドラが、今のNICO Touches the Walls の鼓動のような強い生命力を感じさせ、「ここが終わりではなく、始まりなんだ。」という未来を覗かせた。初出演のイベントプラス、横浜アリーナという大きな会場で敢えてアコースティック・セットで挑んだ事は、大きな自信の現れであり、8月の武道館で起こることを予感させるような、勢いを感じさせる素晴らしい時間だった。


セットリスト
1 THE BUNGY
2 手をたたけ
3 ホログラム
4 バイシクル
5 Diver
6 天地ガエシ



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by musicorin-nirock | 2014-07-18 12:32 | LIVE

天地ガエシ / NICO Touches the Walls



草原を吹く風のような爽快なギター。
曲に合わせて輪になって踊りたくなるような軽やかなビート感。
これから迎える野外フェスの季節にはぴったりの一曲がNICOから届いた。

言うまでもなく、この曲は8月19日に開催される武道館公演へのリベンジソング。
彼らの今の心情が恥じらいもなく、真っ直ぐに伝わってくる曲は、
これまで聴いてきたNICOの曲の中でも初めてじゃないかと思う。


6月15日、ZeppTpkyoのステージで、
「不恰好で不器用なバンドかもしれないけれど、
その泥臭さで日本をひっくり返そうと思います。
だから俺らについてこい!」
という光村の言葉が私の心に強く残っている。

今年の2月、一ヶ月間毎日違うコンセプトに合わせたセットリストを組み、
ひたすら走り続けた「カベノミミ」で、全楽曲に再び息を吹きかけ、
自分たちがこれまで築き上げてきたものを再確認し、彼らは大きな自信を得た。

その集大成であろう今回のツアー。
アンコールでこの曲が披露された時、
余計なものがそぎ落とされ、さらに磨きのかかった演奏から、
「今のNICOならできる!」と確信したのだ。

挫折や苦悩をへ得て4人でやっと辿り着いた場所。
まさに「今が最高に楽しい」ということが、
この曲を聴いていると痛いくらいに伝わってくる。

笑われようが、何を言われようが、
武道館のステージを成功させるんだという強い意志。
自分たちのありのままを認め、堂々と表現できるようになった、
その全てが「天地ガエシ」。
それは、彼らの背中を押してくれる最大の武器なのだ。







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by musicorin-nirock | 2014-06-19 22:18 | MUSIC | Comments(0)

6/14 NICO Touches the Walls@Zepp Tokyo

行ってきました!
ニコタッチズザウォールズノゼップ。
明日も行くのですが
この気持ちをどうしても残したくてブログに書く(笑)

今日のライブは、不器用でも不恰好でも、
今できることを全部さらけ出して、
自分達の音楽を鳴らし続けるという責任と、
8月の武道館の成功という、一つの目標を達成する決意だった。

今年の2月に、
一か月間毎日セットリストを変えて行ったカベニミミ。
これが、ニコに大きな自信を与えたのは、
間違いなくて。
ステージに立った彼らは堂々としていて、
どこか振り切れていたように見えた。
肉体的にも精神的にも強くなり
バンドがより一層バンドらしくなっている。

また、激しいギターロックも、
誰もが口ずさめるポップなCMソングも、
男臭いフォークも、
泣きのバラードもなんだってやれてしまう。
この、楽曲の幅広さがニコの一番の魅力で、
それがうまくまとまって、完成たライブができてしまうのだから、
なんだかもう、怖いものはないと思う。

ただただ応援していきたい!
がんばれ!
武道館で待っているよ!


追記:
このライブもセットリストをライブごとに変えているらしい。
全部の曲を通してみて、個人的には対馬君のドラムがイチオシだった。
ローハイドと天地ガエシが今のニコそのもので
おれらについてこい!という
アニキ的な一面をすごく感じた。
そして、ラストの手をたたけ。
かなり捻くれた歌詞なのに、泣けてくるのはなぜかな。
でも、会場が一つになってハッピーな気持ちに。
今日は本当、楽しかった。














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by musicorin-nirock | 2014-06-14 23:57 | LIVE